レストランでは食卓塩はあまり使いません。個人商売の小さな飲食店や定食屋などでは見かけますが、料亭や割烹出身であれば、ほとんどの料理人は食卓塩を使わないでしょう。

料理人のみなさんに質問です。疑問に思ったことありませんか?なぜあなたのレストランではこの「塩」を使うのか?

一度、先輩に聞いてみるといいかもしれません。さて、特に日本料理では塩はかなり重要で味付けの基本にもなります。題名にもあるように、食卓塩では吸地(お吸い物の汁)が濁ってしまうために使っていません。

食卓塩の特徴として、湿気を吸ってベタベタしないように0.1~0.4%の塩基性炭酸マグネシウムという”添加物”が含まれています。

この塩基性炭酸マグネシウムという物質は、細かい粒子にはなりますが水には完全に溶けずに白く濁ります。普通に調理する分には目立たないので問題ないですが、透明のスープ系の場合白く濁るのが目立つので「食塩」を使うようにしましょう。

ですから、レストランなどでの厨房内では食塩を使うのです。以下に塩の種類を簡単に記載したので参考にしてください。

塩の種類 添加物 用途 製法
       
食卓塩 塩基性炭酸マグネシウム基準0.4% 食卓用 原塩を溶解して再生加工
ニュークッキングソルト 塩基性炭酸マグネシウム基準0.4% 食卓用
キッチンソルト 塩基性炭酸マグネシウム基準0.4% 調理用
クッキングソルト 塩基性炭酸マグネシウム基準0.15% 調理用
精製塩 塩基性炭酸マグネシウム基準0.15% 調理用
特級精製塩 なし 加工品用
       
家庭塩 なし 調理用 海水を濃縮後、煮詰める
食塩 なし 調理用
並塩 なし 加工品用
       
漬物塩 リンゴ酸基準0.05% 漬物用 原塩を洗浄粉砕
  クエン酸基準0.05% 焼き魚用
       
原塩   醤油・工業用 輸入天日
       
粉砕塩   工業用 原塩を粉砕