天ぷら油とサラダ油の違い

原料はほとんど同じですが、天ぷら油から低温で固まる成分を取り除いたのがサラダ油。カロリーはほぼ変わりません。

★天ぷら油(ダイズ油やナタネ油などの混合で天ぷら油と言えば「白絞油」がほとんど使われる)

さっぱりとした食感。コクがあり透明。おもに天ぷらなどの揚げ物用に使われる。

★サラダ油(いくつかの油を混合)

さっぱりとしていて透明。くせがなくどんな料理にも使える。つまりサラダ油はサラダドレッシング用に適しているってことですね。(*なのでサラダ油と呼ばれているのです)

冷えても色が濁らず、さっぱりとした食感が保てるように精製の度合いが高いです。

★ナタネ(キャノーラ)油 (菜の花の種からとる)

あっさりしている。天ぷら油の原料。

★ダイズ油

コクとうまみがあり、透明。ほかの油と混ぜ、サラダ油や天ぷら油の原料になる。

★ごま油

精製度が低いため、油キレが悪いが、香ばしい風味とコクがあります。天ぷらや炒め物に風味を加えるために使う。

天ぷらを揚げるとき、風味を出すためにサラダ油と組み合わせて、ごま油を入れることもあります。もし、洋風にしたいのなら、オリーブオイルをいれるとよいでしょう。

ごま油もオリーブオイルも酸化しにくいので便利です。

★オリーブ油(オリーブの果実が原料)

特徴のある香りと風味。イタリア、スペイン料理に使われる。

その他の植物性油

★サフラワー(紅花)オイル

血中コレステロールの増加を防ぐ。淡白な風味で、ドレッシングやマリネなどに使われる。

★ピーナッツ(落花生)オイル

香りが良くておいしい。

★コーンオイル

熱に強く、酸化しにくい。コクがあって、ドレッシングやマヨネーズ、炒めもの、揚げ物にも向く。

★綿実油(ワタの種子からとる)

風味に癖がなくまろやか。酸化や熱に強く、天ぷらにも良い。缶詰の加工にも使われる。

★米油

良質の天ぷら油やサラダ油に使われる、米ヌカからとった油。揚げ物やスナック菓子の加工に使われる。

★胡麻油

胡麻の種子から絞った油。江戸前の天ぷらには欠かせない油です。酸化、劣化しにくく、ヒダミンEを多く含む、利点が多い油です。

焙煎の加減により、色が濃く香りとコクが強い『濃い口』

比較的風味が軽い淡色の『淡口』

焙煎をしないで絞り、胡麻の香りがほとんどしない無味無臭の『太白』があります。

★太白ごま油(プロが良く使う)

ごま油の香りと色は、ごまを煎ることによって生まれてきますが、太白胡麻油はごまを煎らずに生のまま搾っている100%純粋のごま油です。味はごま油の良さを持っているけれど、独特の色と香りがありません。

つまり、太白胡麻油は香りを気にせず、普段使いの油として和・洋・中・製菓・製パンとジャンルを問わず幅広くお使いいただけます

太白という名前は、、、

昔々中国では金星のことを「太白」と呼んでいました。金星は夕方や明け方に一際明るく輝いて見えることから生搾りのごま油は「他よりも秀でている」といった自信のもと、他の星より輝く金星にちなんで「太白」と命名されました。

その他の東南アジアで使われる油

★ヤシ(ココナッツ)油

★パーム(アブラヤシ)油

★ヒマワリ油

動物性油

特徴は融点が高く、温度が下がると白く固まってきます。

◆ラード(ブタの油)

融点:29~40℃

◆ヘット(牛の油)

融点:40~50℃

動物性油で天ぷらを揚げると、すぐに衣が油で固まってしまい食べれたもんじゃありません。でも、フライにはラードとヘットを混ぜて使うことが多いです。

フライの外側はパン粉ですが、乾燥のパン粉を使って動物性油で揚げると、パリパリ感を通り越し、固く感じます。でも、冷めてくると、油がパン粉の周りで固まってきて、水分と脂とパン粉がなじみあい、しっとり感が出てきておいしい。

動物性油を使ったフライの場合、少し時間がたってもおいしく食べれます。くせのある油の味も肉の味を引き立てます。だから、動物性油を使っているお肉屋さんのコロッケはおいしいんですね。

ですので、串カツやなどで、もしフライをすぐに食べる場合は、生パン粉(乾燥していない)を使うといいでしょう。

 

もっと天ぷらの秘密を知りたい方はこちら↓↓↓日本料理大百科「天ぷらのコツと科学」

<コンテンツ>

●天麩羅(てんぷら)についての基礎知識

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●揚げ物に使う鍋の種類

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●油の温度を下げず”カラっ”と天ぷらを揚げるために、、、

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