鍋磨きはなぜするのか?

日本料理は鍋磨き何年とか言われるくらい、鍋磨きひとつとっても習得するのに時間がかります。

たかが鍋磨き、されど鍋磨き、、、なんのこっちゃ

調理師学校でも鍋磨きはします。日本料理をする人にとっては当たり前のことですが鍋が汚れていたりすると、繊細なだしを使う日本料理は、その少しの汚れにより、味が悪くなってしまいます。

いやいや、そんなちょっとくらいで大げさな、、、って思った方、あなたは2流です(ToT)/~~~全くもって、味覚がなってませんね。料理人としての自覚も考えましょう、

漫画の世界じゃありませんが、この世界、マジでこの味の違いがわかる客っています。信じられないですが、、、

まだ、毎日作っている料理人ならわかります、いつもと違うとかって言うのは、、、

それが、たまに来るお客さんが気づくってすごいですよね、、そのお客さんも金持ちで毎日いいもの食べてるんでしょうけど、、、

 

話を戻しまして、レベルの高い店に行けばいくほど、鍋磨きを徹底しています。それだけ、味に繊細さを求めるため、客のレベルも高いってことですからね。ちなみに海外は、お客さんのほとんどは日本で育ってないから。”本当の”吸い地の味がわかる人ってほとんどいません(日本人でも結構いますが)。

それなりの物は作れますが、所変われば水も違うし、手に入る食材も違う、ですから必然的に日本と同じ味を出すのは不可能に近いでしょう。(かなり繊細な味の部分で)

あとは、海外の食生活になれた人たちは、そんな、味の違いは気づきません。料理人でさえも、下の感覚は日本にいた時と比べて、ありえないくらい落ちるでしょう。海外に出る料理人はそこのとこ、覚悟していてくださいね。

話を戻しまして、鍋磨き。

日本では「ボンスター」と呼ばれる(他にもありますが)金たわしのもっともっと細かーーーーいもので鍋を磨きます。外側は直接には味に影響しませんが、見た目的にも悪いので外側もしっかり磨きましょう。

よく、先輩には「鍋磨きをして、自分の心も磨け!」と言われたものですが、どれだけ磨いても、自分はあまり磨かれてないな、、、と思いつつ鍋磨きしていました(笑)

鍋の種類は、行平鍋、やっとこ鍋と呼ばれるものが多く、内側は時計回りに円を描くようにひたすら、くるくるくるくる回します。

!!注意点は早く汚れが落ちるからと言って、力を入れすぎない。

これは、鍋に傷がついて、汚れが付きやすくなるためです。すごく小さな点ですが、長い目で見ると違ってくるはずです。

次に、鍋をピカピカにするのですが、たいていの場合は皆さん不完全です。不完全というのは、つまり中途半端で終わらせてしまっている場合が多いってことです。

この表現がわかるかどうかはあなた次第ですが、円を描くように回して磨いていて、鍋全体に違和感(ざらざら感)が無くなるまでします。わかるようになるには、ひたすら磨きつづけるしかありません。

磨き終わったら、しばらく20~30分、流水で晒して、金臭さを取り除きます。これを仕事終わりにやります。

 

こんな料理じゃないことをやってて、時間が無くなるよ!って気持ちもわかりますが、お客さんから高いお金をいただいている店は、客に見えないところでものすごいたくさんの仕事をしているのです。

その大半はお客さんはわからないでしょう。私たち料理人が、その一つの料理に対して、どれだけの神経を張り巡らして作っているのか、、、

そんな説明をお客さんにしていたら日が暮れます。

 

まとめると、お客さんに見えない仕事の一つに“鍋磨き”というものがあります。(カウンターとかの店なら見えるかもしれませんがって、そういう目で“見”えるってことでもないけど、、、)

このような仕事をしっかり覚えていくのが、これからの料理人人生で土台を作るのに大切になってきます。