8月の味暦 ~初秋の旬暦・食材・異称・行事・風情・語源・由来~

8月の味暦

初秋の味

初旬に立秋を迎えますが、まだまだ盛夏の感じで、夜は寝苦しい熱帯夜が続きます。しかし、つい先日までやかましく聞こえた蝉の声に替わり、いつのまにかどこかから聞こえる虫の音や木の葉を渡る風のかすかな音に、忍び寄る秋の気配を感じることがあります。

初秋とは、陰暦の7月のことで、陽暦では8月になりますが、8月7日頃に24節季の一つである立秋が訪れます。秋立つとはいえ、実際には暑さの最も厳しい盛夏期ですが、このころから、日陰の長さに気付いたり、夕方の涼風に秋の気配が漂うのを感じたりするので、以後はお見舞状も残暑見舞いと書くことになります。

実際の秋の到来は約一ヶ月後になりますが、そのころ(9月7日)に24節季の白露があって、朝夕がめっきり涼しくなります。立秋から白露の前日までが初秋の時期です。

晩夏から初秋にかけての盛夏期には、料理に涼味を盛ることが大切です。

夏の刺身の特徴である新鮮な白身魚の“洗い”は、刺身の美味しさである脂肪を洗い流してまで、舌ざわりのさっぱりした別種の旨さを引き出すための調理法ですし、やっこ豆腐を冷水に沈めて青楓を浮かべたり、素麺を砕き氷と一緒にクリスタル鉢に盛って別猪口に旨出しを添えて出すのも、熱々の吸い物を黒塗り椀に注いで蓋の上に霧を吹きつけて出すのも、夏の涼味を盛ることになるのです。

また、暑い時には盛り方もなるべく小細工をしないで、素直に盛るべきで、氷を使う場合にも氷細工に手間暇をかけずに、簡単な削り氷とか、砕き氷を用いるようにし、青楓などの緑と共に効果的に使えば涼味が一層引き立ちます。

この時期は、器もできるだけ薄肌のもの、色絵のものでなくて染付のもの、絵付けのない無地の青磁や白磁、金属やガラスなど冷たい感触のもの、備前や南蛮手の土肌にたっぷりと冷水を吸わせて、などなどこれらの器を使って余白を多くとり、すっきりと盛りつければ、一層涼味のただよう料理が出来上がります。

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初秋の旬暦

旬の食材

魚貝類・肉類

あこう

あなご

あわび

あいご

いしがれい

うるめいわし

えい

かます

かんぱち

キス

車エビ

黒鯛

こち

サザエ

さめ

しいら

芝海老

すずき

つばす

生ウニ

ひしがにオス

べら

ほや

鮎、おちあゆ

うなぎ

川海老

ごり

どじょう

なまず

ひがい

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野菜・果物類

いとうり

枝豆

オクラ

貝割菜

南瓜

賀茂ナス

胡瓜

ぎんなん(新銀杏)

ごぼう

里芋

さつまいも(新薩摩芋)

三度豆

じゅんさい

ずいき

すだち

千石豆

たで

玉葱

つるな

とうがらし(各種唐辛子)

夏大根

葉紫蘇

はすいも

穂紫蘇

実紫蘇

茗荷

ゆず(青柚子)

ゆりね(新百合根)

れんこん(新蓮根)

あおみかん

ぶどう

すもも、はたんきょう(李、巴旦杏)

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8月の異称、別名、呼び方

葉月

仲秋(ちゅうしゅう)

月見月(つきみづき)

雁来月(がんきづき)

萩月(はぎづき)

桂月(かつらづき)

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8月の行事

8/1 PL教団花火大会・八朔

8/3 津軽ねぶた祭

8/4 京都北野天満宮祭

8/6 広島原爆記念日・山形花笠祭・秋田竿灯

8/7 立秋・仙台七夕・鼻の日

8/9 長崎原爆記念日・四天王寺万燈供養

8/12~ 徳島阿波踊

8/13 堺大島祭

8/13~16 四天王寺盂蘭盆会

8/15 終戦記念日・奈良春日万燈籠・関西盆

8/16 大文字送り火・松島燈籠流し

8/23 処暑・京都化野念仏時千燈供養

8/24 月遅れ地蔵盆

8/26 富士吉田火祭り

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8月の風情

立秋

七夕

天の川

流れ星

灯籠流し

灯籠

迎え火

稲妻

施餓鬼

墓参り

精霊舟

盂蘭盆(うらぼんえ)

万燈会

茄子の馬

残暑

千灯供養

大文字

送り火

秋めく

初嵐

土用波

案山子(かかし)

添水(そうず)

秋祭り

盆踊り

地蔵盆

虫籠

赤とんぼ

つくつく法師

鈴虫

こおろぎ

鬼燈(ほおずき)

朝顔

芙蓉

桔梗

尾花

コスモス

カンナ

秋草

秋色

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