増粘多糖類

様々な食感やとろみを調整するために使われる粘性の高い多糖類です。

食品への表示で「増粘多糖類」と記される食品添加物には色々なものがありますが、いずれも高い粘性をもつ水溶性の多糖類で、微妙な食感(歯ごたえ、舌ざわり、のどごし等)を調節したり“とろみ”を付けたりする、増粘安定剤(増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料)としての用途で使用されます。

主なものには、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、ジェランガム アラビアガム タラガム、などがあります。

成分は海藻や、豆、微生物で、すべて天然由来です。これらのゲル化剤について説明したいと思います。

*ペクチン、カラギーナン、キサンタンガムについては、別記事で詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。

ペクチン http://worldchefsbible.com/?p=1253

カラギーナン http://worldchefsbible.com/?p=1245

キサンタンガム http://worldchefsbible.com/?p=1255

その他の各種ゲル化剤

ローカストビーンガム 

別名:カロブビーンガム

製法:マメ科イナゴマメの種子の胚乳部分を粉砕、または精製して製造される。

特性:ガラクトマンナンを主成分とする多糖類。水に分散し、加熱により溶解する。水溶性は糸曳性?のない高い粘度を示す。耐酸性、耐熱性、耐塩性がある。カラギナン、キサンタンガムとの相溶性を示し、粘弾性のあるゲルを形成するので、併用されることがある。

グァーガム 

別名:グァーフラワー、グァルガム。

製法:マメ科植物のグァーの種子から粉砕、または抽出して製造される。

特性:冷水に可溶で、水溶液は高粘度になる。酸や熱、塩分などに安定である。キサンタンガムと相溶性があり、粘度は相乗的に増加するので、併用されることがある。

ジェランガム

別名:ジェラン多糖類

製法:シュードモナスエロデアの産出する多糖類を分離、精製して製造される。

特性:主にブドウ糖、ラムノース、グルクロン酸などからなる多糖類、熱湯で透明に溶ける。カルシウムやマグネシウムの存在でゲルを形成し、ゲルは耐酸性、耐熱性に優れた熱不可逆性である。

アラビアガム 

別名:アカシアガム

製法:アカシア(アラビアゴムノキ等)の分泌液を乾燥して製造される。

特性:水溶液は低粘度で、強い乳化安定性と保護コロイド性、被膜性を有する。その物性より、水溶性ダイエタリーファイバーとして利用される。

タラガム

製法:マメ科のタラの種子の胚乳を粉砕、または精製して製造される。

特性:粘性が高く、強い保水力を持つ。耐熱性があり、グァーガムの耐熱性を向上させる。また、カラギーナン、キサンタンガムとの相溶性もある。食塩の添加による粘度の変化はほとんどなく、糸曳感やのり感もない。