どっちの調理法 第2回『野菜の茹で方 青菜・筍』

野菜は生で食べられるのであれば栄養価も高く、新鮮な食感も楽しめます。

 

驚くことに、海外ではキノコを生のまま盛り付け提供している店があること。

ある時、オーストラリアの有名なカフェに行き、サラダを注文したら、なんとえのき茸が生で出てきました。

(これ↓ 真ん中の白いの)

かなり抵抗があったものの、食べると「コリっとした食感でおいしい、、、」とは一瞬思ったのですが、その後キノコ特有のちょっとした苦味・えぐみが口の中に残ったので、「キノコ系は生よりちょっと火を通すくらいはしてほしいな」と思った出来事があります。

エノキ以外にも、白いマッシュルームも生のままサラダに入れて食べる人もいます。

それぞれの好みなのでいいのですが、個人的には少し焼くか、軽く火を入れて欲しいなと思います。(衛生面においても)

 

その他「茹でる」と言えば、難しいと感じるのはポテトです。

ジャガイモとかサツマイモとかの芋類です。芋は茹でなくても蒸す・揚げる・焼くなどの調理法もあります。

ただ芋類は種類が多く、品種によっても火の通り加減が変わってきます。

絶妙に美味しく、最高の茹で加減で食感のある芋を作るのは結構難しいです。どうしても固すぎたり柔らかすぎたり一定しません。また食べる時の温度もとても重要なので芋系は気を使います。

ただ芋の場合は茹でるにこだわらず、「蒸す+揚げる」などの複合技や、「長時間じっくり焼く」といった調理法の方が芋本来の素材の味を活かせることが多いと感じます。

 

 

さて今回『野菜を茹でる』において『どっちの調理法』的に議題に上がってきそうな野菜は、青菜(緑色の野菜)です。

 

まずは、これから読み進める前に基礎知識として、以前に書いた記事があります。

理解が深まるので読んでみてください。

 

『青野菜をゆでる時に”塩”を入れると緑色が鮮やかに出るのはなぜ?

https://wp.me/p50ahn-Bn

『緑野菜(ほうれん草など)の色出しの原理とは?

https://wp.me/p50ahn-EJ

 

 

青菜の茹で方 塩入れる?入れない?、、、どっち!?

法蓮草などの葉野菜を茹でる時、私は沸騰させた湯に塩を入れます

ただ料理専門家や本では「塩をいれなくても良い」といった意見もあります。

 

では「塩を入れるのと入れないのとでは何が違うのか?」

これを理解しておくと料理の腕が一段上がるでしょう。

 

青菜の茹で方について、私の意見からお話しようと思います。

 

なぜ塩をいれるのか

理由は3つあります。

1:沸騰しているお湯に塩を入れることで沸点が上がり、瞬間的にでも100度以上に達するため、その時に青菜を入れることで素早く火を通すことができます。

2:塩を入れることで、青菜から栄養が少しでも抜けるのを防ぐため。

3:塩を入れることで色がよりいっそう鮮やかになる。

 

以上の理由により、私は塩を使います。

青菜の種類・鮮度によって、えぐみが強い場合はゆでた後に氷水におとし、しばらく流水にさらします。

 

 

なぜ塩をいれないのか?

この方たちの見解は、

1:青菜は茹でる時間が短いので塩を入れる効果はほとんどない

2:緑色を美しくするため塩を入れても、緑色の濃い野菜の場合ほとんど効果がない

 

このように言います。

 

ではどっちの調理法が科学的にもそして実際に正しいのかを調べてみましょう。

 

 

塩を入れる派、入れない派での共通の意見

まずは塩肯定派、反対派ともに意見が同じものをまとめました。

 

・大きな鍋を使い、たっぷりのお湯をしっかり沸騰させた状態のところに入れる。

・火通りの悪い根元を最初に入れ、しばらくしてから葉も入れて茹でぐらいのバランスをとる

・フタは絶対にしない

・ゆであがったらすぐに氷水におとす

*氷水におとして、余熱が残る程度でザルに上げます。あまり水に浸しておくと、水を吸い水っぽくなり美味しくありません。

 

塩を入れない派の意見

青菜をゆでるときには塩の効果が出ない。

豆類(絹さやなど)やブロッコリーなどはある程度の時間をかけてゆでるので色が鮮やかになりますが、

青菜の場合、ひとつまみの塩を入れるだけでは効果はほとんど無いと言っていいでしょう。

 

ここでのポイントは“ひとつまみ”の塩。塩をほんの少し入れただけでは、お湯の沸点を上げたり、成分を逃さないといった効果は見込めないということ。

つまり塩を入れるのであれば、ある程度の量を入れないと効果としては現れにくいと言えるでしょう。

 

では、ある程度とはどれくらいか?

目安としては0.5%の塩です。

この効果はすべての野菜(緑黄色野菜・淡色野菜)に共通し、多少の塩分が野菜につくことで、野菜自体との間に対比効果が生まれ、甘味が強調されます。また塩ゆでは浸透圧の作用でしんなりゆであがります。

 

また塩ゆですることで、野菜に塩味がつくと言われますが、ほうれん草や青菜などはゆでたあとに水にさらす場合において塩味が抜けます。

 

ゆで方で味が変わる

青菜を塩なしで短時間(約30秒)でゆでるとシャキッとした食感を保つことができます。

ゆで時間が短いとアクが抜けきってない場合もありますが、料理屋での少量での提供であればほとんど問題ないと思われます。またアクがあっても削ったかつおぶしをかけるなどして一緒に食べることでえぐみは緩和されます。

 

同じ青菜を、塩を入れて約2分ゆでると、色は悪くなり栄養素も抜けますがアクが抜けて甘みが感じられるようになります。

*アクについてですが、鮮度が良いほどアクが抜けやすいです。

 

鮮度が良いということは水分を多く含んでいます。そのため水分と一緒にアクも抜けやすいですが、そもそも鮮度が良いとアクも少ないです。

またポイントとしては、野菜は茹でる前に冷水に浸して、水分を含ませるとよいでしょう。

 

野菜別ゆで方・色をキレイにする仕上げ方

「青菜や緑色の野菜以外の茹で方はどうでしょう?」

蕗(ふき)・オクラ・茄子(なす)の場合

茹でる前に、野菜自体に塩をしてゆがきます。

蕗は”いたずり”と言って、塩で野菜に傷をつけて表皮に多いアクを出しやすくします

オクラは塩もみして表面の毛を取り除きます。

ナスは表面を傷つけて、紫色の発色をよくします。

 

胡瓜(きゅうり)はアクはありませんし、基本ゆがくこともしませんが、いたずりをしてさっとお湯に通して”色だし”することでキレイな緑色になります。

 

ごぼう・れんこん

切ったあとすぐに水に浸し流水にしてアクを出し、黒く変色するのを防ぎます。

水ではなく酢水に浸す場合もあります。(うど・れんこんなど)

 

またこれら根菜の茹でるポイントは、水からゆでる、酢水でゆでるなどをします。包丁も錆びているものを使ってはダメですし、ステンレスの方がアクが回りにくいです。

 

 

里芋・大根・ごぼう

米のとぎ汁でゆでるとよいです。水からゆでます。

黒く変色するのを防ぐ、雑味を除くなどの作用があります。

 

ゴボウ、里芋・たけのこ

米ぬかでゆがきます。

アクを抜く、えぐみを取り除く、白くゆであがるのが特徴で、米ぬかに含まれる酵素でふっくらそして柔らかくゆであがります。

 

 

ずいき、カリフラワー、ゆでたけのこ

おろし大根の汁+酢入り

沸騰しているところに入れます。アクを抜く、黒く変色するのを防ぐ、えぐみを除く作用があります。

 

わらび

A 重曹をいれてゆでる

3Lの水にスプーン(大さじ)1くらいの量です。

2~3分ゆで氷水におとします。(歯応えを残すため)

 

B 灰をまぶして熱湯をかける

ボールの中などで、わらびと灰を入れ全体にすりこんでから熱湯をたっぷりかけます。落し蓋をして5分ほど置きます。

ザルにあけて(ゆで湯は残しておく)、そのまま冷まします。(水で洗わない)

わらびが冷めたら、さきほどの茹で湯につけることで色がきれいに保たれます。使う時に水で洗います。

 

ここで筍(たけのこ)の茹で方についてもう少し深く掘り下げてみたいと思います。

タケノコの茹で方はどっち!?

「タケノコはどっちの調理法!?」

「筍は皮付きのままゆでるのか、それとも皮をむいて切ってからゆでるのか、どちらなのでしょうか?」

 

この答えは、料理屋か家庭かで分かれます。

 

筍の正しいゆで方は?

料理屋では筍の風味を逃がさず、白くゆで上がらせるため、以下のように茹でます。

 

  • ゆで湯に糠(ぬか)と赤トウガラシを入れる。
  • アクやえぐみを抜き過ぎないように茹でる。

 

筍の美味しいゆで方 解説

筍を掘り起こしたら、すぐに水に浸しましょう。

すぐに調理するのであればほとんどアクはありません。

皮つきで茹でる

皮を付けたままゆでることで、筍を覆っている皮によって風味が抜けません。そして中身が空気に触れないため白く仕上がります。

アクやえぐみは筍の味わいの一つでもあります。えぐみ成分は酸素に触れることでイガイガした味が増すので気を付けてください。

 

茹でる時は、筍の穂先を斜めに切り落とし、切り落とした断面にまっすぐ縦に包丁で切り込みを入れてから、米ぬかやお米のとぎ汁を使ってたっぷりの水で茹でます。(約1時間ほど)

ぬかの役割は、でんぷん質で湯に濃度をつけアクを取り除きやすくすることです。

片栗粉・小麦粉でも代用できそうですが、鍋に焦げ付きやすいですのでお勧めしませんし、効果も落ちます。

そして米ぬかはアルカリ性で筍の堅い繊維質を軟弱化する働きがあります。

煮る時に皮つきなのも、皮に含まれる還元性の亜硫酸塩が筍の酸化を防ぎ、堅い繊維質を柔らかくします。

 

赤トウガラシは、その辛味と香りで筍のえぐみを打ち消す役割があります。

煮汁に入れ、辛味が出る前に取り出しますが、だいたいはそのまま入れっぱなしでゆでることが多いです。

『赤唐辛子の効果はほとんど無いという実験結果も出ているようで、入れない人も多いです。

*私は筍の味が落ち着くと思うので赤唐辛子を入れています。

 

筍は串がすっと通るくらいになったら、ざるなどに置いてそのまま常温で冷まします。

皮つきでゆでると皮が簡単にきれいにむけるという利点もあります。

 

皮をむいて、切ってからゆでる場合

これは家庭用です。

なぜなら一般家庭には大きな鍋が無いかもしれませんし、短時間で済ませたいはずです。

皮をむいて、鍋に入る程度な大きさにカットして、ぬかまたは米のとぎ汁でゆでてください。

 

ただ皮をむいてゆでるとアクやえぐみが抜けすぎてしまう恐れがあります。

皮をつけてゆでると時間はかかります。もし短縮したい場合、皮付きのまま半分に切って、ぬかではなく米のとぎ汁でゆでます。ぬかだと筍の間に入り込んでしまいます。

 

筍 その他の調理法

筍を皮ごと素揚げするのもありです。

えぐみは少し残りますが、風味は残り、ほくほくします。

160度くらいで20分ほど揚げます。

 

筍 部分別 3つの調理法

筍は部位によって適した料理・調理法があります。

・歯ごたえのある根元は味噌田楽煮物

・柔らかい先端は炊き合わせ

・姫皮(まわりのシャキシャキした食感の部分)は和え物炊き込みご飯

このように使い分けると良いでしょう。

 

以上、野菜の茹で方についての検証でした。(主に青菜と筍)

野菜それぞれで調理法が変わってきます。

特性を見極めて調理するように心がけてください。