どっちの調理法 第4回『芋の火の通し方と温度 里芋・ジャガイモ・さつまいも』

今回は意外と扱いが難しい『芋』に焦点を絞って解説していきます。

 

里芋

里芋は煮ることが多いですが、煮る前に下茹でします。

ゆでる前に里芋の皮をむきますが、その際によく切れる包丁できれいにむいてください。

料理屋では[六方剥き]という向き方で皮をむきます。煮崩れしにくく形もキレイに出来上がります。

 

下茹でするのはぬめりを取るためもありますが、下茹でのときにお米をいれたり米のとぎ汁を使うとアクが抜けて白くゆであがります

お米を入れる方がぬめりが出るので、アクが取り除きやすいです。

 

下茹での他には「塩もみして水で洗う」「水に浸す」といった方法もあります。

料理屋では「酢やミョウバン」を使いぬめりをとることもあります。

酢を使うと白く仕上がり煮くずれしにくいので見た目には良いです。

 

ただ、美味しさの観点からいうと、塩もみに軍配があがるでしょう。

上記3つの中では、塩もみが一番良いですがやはり米を入れた湯での下茹でが最適だと思います。

 

ぬめりをとるのかとらないのか? どっち!?

最近の里芋は昔に比べてぬめりは少なくなっています。

料理屋では商品価値を高めるためにもぬめりは取ります。

里芋のぬめりは粘っこいのでさっと水洗いしただけでは取れません。

 

ぬめりを取る3つの理由

ぬめりが芋の表面を覆っていると、

1: 調味液が浸透しにくい。

2: 煮汁が泡立ってしまい吹きこぼれやすくなる。

3: 芋の火の通りも悪くなる。

 

この3つの理由によりぬめりを取ることは大切なのです。

 

下茹ですると味の浸透がよく、見た目もきれいに仕上がります

下茹でをしないと里芋の口当たりがなめらかになり、中心部に味がしみ込んでいない分、さっぱりして芋の風味を残します。

これはこれで良いかもしれません。

 

見た目、ふっくらさ、味、形の何を求めるのかによって調理法は変わってくるでしょう。

 

ジャガイモの茹で方はどっち!?

ポテトサラダなどを作る時、じゃがいもの美味しさを最大限生かすにはどのように茹でると良いのでしょうか?

ジャガイモの場合は茹でる、または蒸すなどの調理法も含まれます。

 

蒸し器か皮付きでゆでるか?、、、どっち!?

ジャガイモは、加熱した後にどれだけジャガイモらしいうま味が残っているかどうかによって変わってきますが、

 

一番うま味が逃げない調理法は蒸すことです。うまみが逃げずにほっこりできあがります。

 

 

「では皮つきでゆでるのはどうでしょう?」

ゆで湯に多少うま味が逃げます。そして時間がかかります。

皮をむいてゆでると早くできますが、その分うまみも逃げます。

 

皮付きと皮をむいて切ってゆでる場合の違い どう違うの!?

皮つきでゆでる場合、味成分はゆで湯に流出しにくいです。

味成分とは、甘味やうま味、アクっぽさも入ります。

アクといっても、微量含まれる分には味に深みを与える成分にもなります。

 

皮をむいてカットしてからゆでると、味成分もアク成分も溶け出すため、水っぽくそしてさっぱりとした味になります。

 

両者の違いは味よりも口当たりの方が変化が大きく、

皮付きはねっとり

皮無しカットでゆでた場合はさらっとした口当たりになります。

 

また茹でる時も、

皮付きは水から

皮無しカットは沸騰させたお湯から入れるとよいでしょう。ゆで時間が短く、味成分の流出を抑えられます

 

また、お湯に塩を入れるとよりホクホクした仕上がりになります。

なぜなら細胞をつないでいるペクチンは食塩によって溶けやすくなるため、組織がゆるみ細胞が離れやすくなります。

 

味付けする温度が大事

ジャガイモは熱いうちにすぐに塩を振って味を付けてください

デンプンがα化(糊化)しているので組織に隙間があって塩が浸透しなじみやすいからです。

冷めてから塩を振ると、表面に塩が付いている状態となり食べても味が浮いた感じになります。

 

 

どのような調理法を用いるかは好みや料理の種類、制限時間などの条件によって変えるとよいでしょう。

 

 

ポテトサラダは冷やさない。

ポテトサラダを食べる場合、冷やしてはいけません

でんぷんが老化して美味しくなくなるためです。できたてがよいです。

これも温かい場合はホクホクとしたαデンプンになり、冷めているとがりがりしたβデンプンになります。

αデンプンは5~10度で老化しβデンプンとなります。

マヨネーズを入れるタイミングは人肌ほどの温度になってからにしましょう。

 

 

さつまいもの甘みを引き出す調理法はどっち!?

芋の中でも、別格なのが『さつまいも』です。

甘みを持っているためデザートにも使われます。

さつまいもは料理によって、調理法は焼く・煮る・蒸す・揚げるなど分かれます。

デザートを作る用に、糖度を最大限に引き出すのであれば『焼く』のが最適でしょう。

特別な品種のさつまいもを使わなくても、一般に売られているさつまいもでも十分甘みを引き出せます。

 

甘いさつまいも(焼き芋)の作り方 4つのポイント

ポイントはたくさんありますが一言で言えば、いかにデンプンを糖に変えるかです。

ポイント1 古いさつまいも

新しいさつまいもより、去年とかにとれたような古いさつまいもを使います。新しいさつまいもしかなければ、新聞紙に包むなどして常温(少し涼しいところ)で放置(採ってから最低2~3週間以上)して寝かしておきましょう。

ポイント2 糊化(α化)

デンプンの糖化は2段階あり、まずはデンプンが加熱されて糊化デンプンに変化します。

この変化は60度から加熱とともに進みます。

ポイント3 麦芽糖

加熱を続けると、糊化したデンプンと酵素アミラーゼによって麦芽糖に変化します。

アミラーゼが活性化する温度は60~70度。80度を超えると活性しなくなってきます。

ポイント4 時間をかける

長時間かけて甘さを引き出すことが大事です。

 

 

作り方だと、

さつまいもをアルミホイルに包み、1~2時間ほどじっくり低温のオーブンなどで焼きます。

その後、温度を落として芯温が60~70度でキープされるように保温して3~4時間。

再度低温で焼く1~2時間。

 

 

以上、芋類の火の通し方についてでした。