木の葉の形をした器ってよく見かけますよね。あの器って方向はどっち向きなのでしょう?

葉先が右でしょうか?左でしょうか?

実は私は長年、葉先を左側にして料理を盛っていましたが、

このような向き↓

このまえ、自分より料理歴の長い先輩料理人が「私はずっと葉先を右側で盛り付けしていた」と聞いたので、検証してみることにします。

器についての記事は↓こちらに色々書いてありますが、

http://worldchefsbible.com/?p=1390

木の葉型の器については、今まで葉元が右、葉先の尖がっている方が右と書いていましたが、詳しい説明は書いていません。なぜなら、そういうものだと思っていたからです。

しかし、今回逆の方向で盛りつけをされている料理人もいることがわかり、調べてみようと思います。

まず、なぜ私が木の葉型の器を葉先が左側で盛り付けるかというと、”そのように教えてもらったから”という理由からと、

さらにネットで調べてみると、同じような盛りつけをしているところがほとんどで、色々な他のサイトにも葉先が左と書いてあったからです。

なぜそうなのかの理由はわかりません。なぜならどのサイトにも説明がされていないからです。

器の記事でも書いたとおり、盛り付けの方向などはある程度決まりはあるにせよ、器を作った人に聞いてみないとわからないところはありますし、実際盛り付けする料理人の考え方によっても変わってきます

で、とりあえず私の考えですが、

日本料理は富士山のような高いものをイメージした「天小地大」に盛ったり、山水盛りのように自然の風景や日本庭園のように盛り付けをします。(左上の山から右下へ川が流れるイメージです)

さらに人間の視線の特徴としてぱっと物を見るときに瞬間的に左上から右下へと目が移動する法則があります。(Zの法則、Fの法則とも呼ばれます)このような理由からも左上は天に近いとがった葉先を向けるようにするのではないかと思いますし、

木目の方向の記事にも書きましたが、http://worldchefsbible.com/?p=613 ←木目の方向の記事

木の場合も、上の方が天に近く高いので、その先に付いている葉っぱも先っぽが天に近いという意味で左に盛り付けると思われます。ですので基本、葉先が左または左上に盛り付けるのだろうと思っていましたが、

 

ここでハッとしました!

木の葉型っていっても、色々な木の葉がありますよね。木の葉型の器を葉先が右にして盛る料理人はなぜそうするのかを考えてみると、外の景色を見て、木の葉をいろいろ見ましたが、自然に見えている木についている葉っぱはほとんどが下向きに垂れています。

だからそれを表現するために葉先が右なのでは?と思いました。

ちなみに右側(正確には右下)は日本料理の盛り付け上“地”を意味します。ですので、ほとんどの葉っぱは(重力により)地面の方向に向いているのでそのような盛りつけをしたのでは?と思いました。

これは私の想像ですので、先代の料理人たちが同じことを考えていたかはわかりません。(というか私の言っている意味がわかりますかね、、、??(・へ・))

で、もう一つは、おそらくこちらが納得いきやすい説明だと思いますが、「季節」です。

木の葉型の器の色によっても違うかもしれませんが、緑色の葉型の器は春の新緑を意味し、成長していくので天へ天へと伸びていきます。この場合は盛り付けは葉先が左、又は左上になるでしょう。

中途半端に曲がった木の葉皿もありますが、これは葉先が左上↑

この写真も葉先が上を向いているので右上でもいいと思います↑

しかし秋の場合、紅葉で木の葉が散る様子を表わすため、葉先が下になります。

↓この写真は両方とも葉先が下向き

特に茶色い葉皿なんかは、紅葉で散りゆく木の葉を表現している可能性が高いのでこの場合葉先が右または右下(または上記の右の写真のように葉先が左下)にくるのではないでしょうか?

このような考えで木の葉型の器を意識して見るとしっくりきます。つまり考え方によってどちらでもありうるのですが、

まとめると

1:緑色の木の葉型の器

2:季節が春または夏

葉先を左か左上(場合によっては右上)にして盛りつける。

1:茶色の木の葉型の器

2:季節が秋か冬

この場合は葉先を右か右下(場合によっては左下)にして盛りつける。

 

このような考えだとわかりやすく、逆方向に器を置く料理人の意図がわかる気がします。

やはり季節を大切にする日本料理なので、このような自然と目に見える景色・風景をイメージして盛りつけを考えるといいかもしれません。

あとは忘れてはいけないのが安全性ですがこの器に関しては方向に関する安全性は関係ないかと思います。

以上、木の葉型の器の向きの考え方の検証でした!