料理人が仕事を覚える順番 ~バランスとタイミング~

料理人は体力と精神のバランスが大事ですが、料理人初めのころは、まず1に体力、2に体力です。やる仕事も体力仕事が多いです。

しかし、経験を積み年数が経つにつれ、体力仕事は少なくなってきます。その代り、責任のある仕事を任されるので、精神的プレッシャーが出てきます。

料理人をやっていて、バランスがいいな~と思ったのはこれです。(他の職業もだいたいそうですが、、)

なぜなら、最初は何も知らないしできない。だから、やる仕事も体力使う仕事、走りっぱなしの追い回しです。しょっちゅう先輩に呼び出されて、”あれ持ってこい、これ持ってこい”ってのをずーっとしてます。もしくは内職みたいな地味で単調な仕事。

しかし後輩が入ってくると、自分の仕事は1ランク上になります。最初のころは失敗しても先輩が見てくれますが、次は自分が見る立場、教える立場です。

甘えが無くなります

後輩の失敗は自分の失敗、先輩から超怒られます。

このような精神的プレッシャーから始まり、中堅あたりになると程よいバランスで、体力仕事も頭をつかったり責任のある仕事もいい感じのバランスです。

次が、中堅以上になってくると、最初の立場と逆転します。完全に責任者、指導者です。

 

ほとんど場合、仕事をしていても、その場から動かなかったり、指示するだけなので体力的には楽だし、そのころには朝一番に早く来ることもなければ、掃除は後輩にまかせ、少し早く帰れるので、時間ができてちょっと楽、、と思いきや、メニューを考えたり、数字(売上)のことを気にしたり、業者とのやり取りを任されたり、、と料理ではない仕事も増えてきます。

つまり、体は疲れないが頭をつかうので、精神的に疲れる。さらに言うと、体力的に辛いより、精神的に辛い方がきついです。

このバランス、、、うまくできてるなーと思いました。

今の私は、下っぱのレベルではないので、料理が好きで料理始めました!って人を見ると、「今のうちに好きなだけ料理に没頭しろよー」っと内心思いつつ、うらやましいな~とも思います。

何のプレッシャーもなく、、というわけではないでしょうが、好きなだけ、自分の大好きな料理に打ち込める。こんな幸せは無いでしょう。とはいっても、料理人続けるならそれだけではいけないと思いますし、そうしたいと思っていれば、一生低賃金で、体力仕事を続けなければいけません。

それでも良いって人はそれでいいと思います。良い経営者オーナー、環境、会社に恵まれれば、それはそれで、とても幸せだと思います。

でも、年取ると感じますが、20歳後半位になってからは、若者の体力にはやはり驚かされます。かつての自分がそうだったように、そして、先輩のいっていたことが、同じ年になって分かるわけです。

そして、頭を使うようになります。「このままでいいのか?もし体壊したらどうする?」とか、そのようなことも含め、プライベートでも色々な変化があるでしょうし、大人になって精神的に強くなっていきます。

若い人は、まだ私の言っていることはよくわかんないところもありますが、いずれわかるでしょう。

分からなくてもいいと思います。若かろうが、今、上の立場の人でも、やることはひとつです。

目の前の仕事を一生懸命にやりつつ、少しは未来も見据える

これが大事だと思っています。