あなたは寝ながら仕事をしたことがありますか?

あなたは寝ながら仕事できますか?

修業時代の話をします。

今では、料理のことを本やブログで書くほど知識も経験も付いた私ですが、そんな私でも、何も知らない、何もできない料理人見習いの時代はありました。

使いっぱしりのころは、寝る時間も少ないので、いくら「若くて元気で体力がある」と言ってもかなり限界があります。

私は3-4時間睡眠を5年近く続けてましたが、当時はお酒を飲まなかったせいもあってか、すぐに問題なく慣れました。とは言っても、ずっと立ち仕事ですし、一日の中でも何回か睡魔に襲われることがあります。

まず、営業中は、忙しくオーダーをこなしているので眠くならないですが、営業前や後の仕込みの時間はやばいです。

懐石料理ってのもあり、仕事もかなり丁寧なことをするので、いってしまうと単調な作業が多いわけです。内職的な誰でもできるような仕事もたくさんあります。もちろん、最初の下っぱのころはそんな仕事ばかりですね。

例えば、蓼の葉をちぎる仕事、それもただちぎるのではなく、すじも取り除くように取るのです。ほうれん草も同じでした。他には山椒の殻と実を分ける仕事。これはすごかった(超めんどくさい)ですね。大変です。半分夢の中にいながら仕事してました。まぶたの上に目を書きたいと何度思ったことか、、、。

あと葱を刻む、とかの野菜の刻みもの。これも半分寝ながらやったことがあります。というより寝てる間は、ネギは切れていません(笑)。まな板の一定の場所をトントントントン、ずーと包丁でたたいてるだけです。よく指切らなかったなと思いますが、音だけはしているので、周りからは仕事してる風に見えるのです。ひどい時は5-10分位寝てた時ありました。

つまり、何もしていません、はい、そうなんです。当時はどうもすいませんでしたm(_ _)m

もちろん時々、ホントに指をきって目が覚めることもあります、、(-_-メ)とにかく、いろいろ単調な作業が多いんです。

見習いのころは、料理らしい料理はさせてもらえません。最初のころは包丁が握れるだけで、どれだけうれしかったか、魚の水洗い をさせてもらえた時の感動と言ったらありません。

そんなレベルです。

そんなこんなで、働く時間が長く睡眠時間は短いので、やっぱり仕事中は睡魔が襲ってきます。

もちろん元気な時もあります。若かったので、栄養ドリンクなんかも飲んでなかったですし、そんなの買う金も、もったいないと思っていました。

ただ、本当に眠すぎてやばい時は、先輩に「トイレに行ってきます!」といって、トイレの個室で座って、5分10分寝てました。ちょっとでも寝ると、「よしやるぞ!」って気合入りますしね。

周りのパートのおばちゃんなんかは「かわいそうに、、」ってよく同情されましたが、自分の決めた道ですし、覚悟はしてたので、特にいやだとか、苦しいと思ったことはありませんでした。眠かったけど、、、。

ただ、今思っても体力的にしんどいことより、精神的にしんどい方が100倍きついなと感じます。

これを読んで、「よし!私も頑張ろう!!」と思ってくれるのはいいですが、適度に睡眠時間を取って、あまり長時間働き過ぎずに短時間で集中して終わらせることが、一番効率が良いです。

ただ、このような経験もしておくことで、どんな境遇にも耐えられる自信と根性が付くと思います。何事も見習いの時期は大変です。

その時期を超えると一段と成長します。しかしまた新たな課題が出てきてより一層大変になりますが、それは乗り越えた人だけが体験できます。楽しんで一つ一つ、達成していきましょう。