アルギン酸ナトリウム、またはシトラスペクチンの粉を入れて、ゼリー状にしたい場合、なんでもかんでもジェル化するわけではありません。というか、ずっと前の実験でアルギン酸ナトリウムとシトラスペクチンがとても似ているということを書きました。

出来上がった状態もほぼ同じで、塩化カルシウム水溶液にいれても同じように人工イクラがつくれて固まるので、同じものだと思っていましたが、よくよく調べたら、違う物でした(+o+)

ゲルとゾルの違い

あと、私はよくわかってなかったのですが、ゾルとゲルの違いをまず知っておきましょう。

ゾル

スライムのような流動性のあるもの。例えば卵白、牛乳、マヨネーズ、微細な泡がこれに当たります。

ゲル

語源がゼラチンからきています。ゾルに似ているが、より高い粘性を持ち流動性を失い、固形状になったもの。例えば、寒天やゼラチンで固めたもの、豆腐、こんにゃくなどがそうです。

 

ここを勘違いしていたので、色々資料を読んでもいまいちはっきり理解していませんでした。

アルギン酸ナトリウムと(シトラス)ペクチンの違い

アルギン酸ナトリウム

原料は主にわかめや昆布などの褐色の海藻に含まれる食物繊維のひとつです。ぬるぬるやねばねばがそうですね。

マグネシウムイオンやカルシウムイオンを添加するとゲル化(固まる)する性質がある。(つまり人工イクラはまさにこのカルシウムと反応してできるもだということです)食べ物では、食品添加物として増粘多糖類およびゲル化剤として使われています。

塩化カルシウム水溶液にアルギン酸ナトリウム水溶液を一滴ずつ入れると、アルギン酸ナトリウム水溶液の表面に「アルギン酸カルシウム」膜が形成される。すると、アルギン酸ナトリウム水溶液が球状になり、混ざらないのが人造イクラです。

アルギン酸ナトリウムは水と混ぜるだけでどろどろのジェリー状になります。しかし、ある条件があると固まりません。

 

A:塩味の液体に、アルギン酸を混ぜた場合は固まらない(1%以上塩分でだめです

ではどうすればいいか?

対策1:出来上がった人工イクラに塩を別途添える。
対策2:出来上がった人工イクラに味のついたソースをかける。
対策3:味のついたソースをゼラチンで固め、それをアルギン酸水溶液の中に加え、中心に抱き込んで固める

例外として塩分は入っていても5%の食塩水の場合は固まります。

B:アルコール類と、乳製品のアルギン酸水溶液は、固まらない

ではどうするか?

対策:水100g:アルギン酸5gの割合で水溶液を作っものを、アルコール類、乳製品に加える。

*アルコール類は、ワイン程度(13%くらい)のアルコール度数であれば、この方法で固まるけど、スピリッツなど、アルコール度数の高いものは固めることが出来ません。   

 

と書いてありました、、、私が実験した時は、乳製品(牛乳)はアルギン酸を入れて固まって、人造イクラができたけどなー、、、(゜レ゜)でも、たしかにアルコールは全く固まらなかったです。オレンジジュースや、グレープフルーツジュースは普通に固まったのに、、、

梅酒をアルギン酸ナトリウムでジェリーにしようとしたら、まったく固まらずにいくら入れても液状でした。

ペクチン

植物の葉、茎、果実に含まれる。食品としては増粘安定剤(増粘多糖類)として使われ、サトウダイコン、ヒマワリ、アマダイダイ(オレンジ)、グレープフルーツ、ライム、レモン、リンゴなどから酸抽出されます。

ペクチンは酸性の食品にも使用でき、ジャムやゼリーなどのゲル化剤や、ヨーグルトなどの乳タンパク安定剤として使用される。カルシウムとのゲル化作用を直接利用するフルーチェのような食品もある。

そして、ペクチンの固まる条件ですが、

  • 1%以上のペクチン
  • 60~65%の糖
  • PH2.9~3.4の酸
  • 砂糖、レモン汁

こちらに、甘さをどれだけ含んでいるかを計算したい場合の計算式をのせます。参考にどうぞ、、、

糖度計算式

糖度(%)=ショ糖の重量÷全体量 ×100

糖度(%)=(食材に含まれるショ糖の重量+追加した砂糖の重量)÷(食材の重量+追加した砂糖の重量) ×100

<糖度0-10%の食材100gに同じ砂糖を足した時>

・重さ100g、糖度(%)50~55%

計算式⇒(0~10+100)÷(100+100)×100=50~55

・重さ50g、糖度67~73%

計算式⇒(0~10+100)÷(50+100)×100=67~73

 

以上です。ではまた!!(^O^)/