ヤクザなレストラン 昭和の飲食業界

今回より料理業界の”裏”の話をしたいと思います。というのも、今は令和です。

私は昭和生まれ。昭和生まれの料理人がどのような環境で修業してきたかというのは、もうだいぶ古い話になってしまう感が否めないです。 

令和生まれの人にとっての昭和は、昭和生まれの私からしたら明治の話を聞いているのと同じような感覚なのかもしれません。

だとすると、かなり貴重な話になるのではないかと思い、これから、昔の飲食業界の話をメインにしてブログに書き綴っていきたいと思います。

というのも、私にとって後悔している過去があり、それは料理の修業時代(20歳ごろ)に、当時60歳過ぎた料理人と一緒に仕事をしていました。その方は、本当によくしゃべる人で、昔の調理場や料理・食材の話をしていました。たまに昔の歌も歌っていました()

その時の私は、ただただ料理の技術向上、仕事に追われる毎日でしたので、その還暦過ぎの料理人の話にしっかり付き合うこともなく、「また言っているよ」程度しか思っていなかったのですが、

それから10年後、、、

その料理人のしゃべっていたことを、一言一句メモしておけばよかったと思う出来事に遭遇します。

私もある程度、料理人としての地位も築いて、後輩もできたころ。つまり教える立場になったときに、ちゃんと説明しなければならないので、自分でもより深く料理の勉強をしました。

分厚い本を読んだり、ネットを見たり、そんな感じで調べていると、ところどころ、耳にしたことのあるフレーズや言い回し、単語が出てくるのです。

「ん、、、!?この言葉どこかできたぞ?」

最初は分からなかったのですが、ある時思い出したのです。

「あの還暦料理人がしょっちゅう歌ってたあれだ!()

実はそのとき歌っていた歌というのは、ただの昔の歌ではなく、料理に関する歌だったのです。

「あ、このフレーズ歌になってたんだ」と思ったはいいが、もうすでに遅し、ぜんぜん細かいところまで覚えていません。

たしかその歌の前後にかなり大事なことを言っていたような気がします。

、、、というようなことが、どんどんどんどん料理のことを深く調べていくうちに、「あ、これもあの人が言ってたことだ、あ、あれもずっとぶつぶつつぶやいてたな」という、実は、料理において結構大事なことを言っていたのを、若かった当時の私はサラッと聞き流していたのです。

今思えば、あのとき色々言っていたことを一言一句書き留めていたら、すごい宝物になっていただろうと思います。

例えていうと、今、食材で「身体にこんな素晴らしい効果があります!」「こんな組み合わせをするとすごいんです」「最新の技術でこの食材の隠れた効能が発見されました」などの、最新本などで「新しい」と言われていることを、昔の人は、あたかも当たり前のように知識として持っていたのです。

 、、、という過去があります。もう戻りたくても戻れません。

で、、、そんな昔のことは話せなくても、昭和生まれの私が話せることも少なからずあります。私の話すことは、たいして後世にのこるような貴重なものではないですが、インターネットであれば、これからの話も残すことができるはずですし、これから大きくなる令和生まれの子が、「昔、こんな時代もあったんだ」と思ってくれれば、それはまた一興じゃないかと思います。

ということで、これからしばらくの間、昭和の調理場・飲食業界について話していきたいと思います。

結構、言っちゃいけないこともあると思うのですが、(事件レベルのこととか)もう時効過ぎているはずなので、発表してもいいかなと思います。

まあ、いち私の視点での料理業界ですし、どこの店も当てはまるわけでもないので、ただの読み物として楽しんでいただければと思います。ちなみに私は関西圏(大阪)で修業した料理人です。

では次回をお楽しみに。