糖尿病の食事 ~美味しく食べる9つの条件~

糖尿病になったときの食事や料理はどうするのか?

食べ過ぎは良くないし、栄養のバランスも大切。しかしこれらは日常生活でも注意しなければならないことです。

糖尿病に特化して言えることは、なんといっても血糖値コントロール

簡易に色々なおかずを食べればいいのかというとそうでもなく、たとえ少し知識があったとしても自己流でやらずに必ず栄養士さんの指導を受けて、献立を立てましょう。

ここで6つのセルフチェックをしてみましょう。

  • 朝食は抜くことが多い
  • 昼食は外食が多い
  • 夜食を食べる
  • 早食いである
  • 清涼飲料水を飲む
  • まとめ食べをする

これらに当てはまる数が多い人ほど食事に注意が必要です。

どんな食事をするの?

ハンバーガー、ラーメンや丼など炭水化物ばかり食べるのは危険です。炭水化物だけを食べると血糖値が急上昇します。

三大栄養素と呼ばれる炭水化物、タンパク質、脂質をバランスよく食べるのが良いとされていますが、糖尿病の方にとって、炭水化物は血糖値を上げるため、なるべく少量に収めることがポイントです。

炭水化物だけを食べるより、その他タンパク質や脂質と一緒に食べることで急激な血糖値上昇を避けることができます。

その他にも、ビタミンやミネラル、食物繊維を多く含んだ食材もしっかり食べてください。

ちなみに【炭水化物=糖質+食物繊維】でできていますが、血糖値を上げるのは糖質となります。

なので砂糖なども含め、ごはん、パン、麺類などは要注意です。

また、三大栄養素の炭水化物、タンパク質、脂質に加えてビタミンとミネラルを合わせて五大栄養素と呼ばれます。

それぞれ、どんな食材がタンパク質なのか炭水化物なのかなど、始めはわからないかもしれませんが、ネットで検索すればすぐ出て来るので、調べながら少しずつ覚えていってください。

※少し補足

現在第六の栄養素として「食物繊維」が挙げられています。

「え?炭水化物に食物繊維が含まれているじゃない?」と思いましたよね?

先ほど【炭水化物=糖質+食物繊維】と説明しましたが、それはちょっと昔の話で、今は糖質・タンパク質・脂質で3大栄養素

そしてプラス、ビタミン・ミネラルで5大栄養素。そして食物繊維を加え6大栄養素となっています。

またカロリー計算も必要になってくるのですが、食品交換表を見ながら献立を考えなくてはいけません。

ただ、カロリーも大事ではありますが、ネットで調べる情報や各機関が提供しているデータなどは一般的なものです。

もちろん多くの人に当てはまりますが、100人いれば100通りの身体の違いがあります。

これは分子栄養学的な考え方で、たとえ世間一般で言われている食事療法が正しいと言われていても、人によって個体差があるので、自分の身体としっかり向き合うことが大切です。

たとえ糖尿病だとしても、体質によっては食事内容がガラっと変わることもあります。

アレルギーなどもいきなり発症することもあるので、しっかり自分の身体を調べたうえで、専門家やお医者さんに聞いて食事を決めるのがいいと思います。

正直、糖尿病になる前に、しっかり食生活を見直していれば健康に生きることができるはずです。病気になってから食生活を改善しても、なかなかすぐに治ることはありません。

美味しく食べるポイントは○○

食材の制限、カロリーや塩分、調味料の制限があるとしても、美味しく食べることはできます。

ただ根本的な間違いとして、揚げ物やお菓子などを美味しいと思って食べていると、より病気を悪化し、健康を害するおそれがあるので嗜好品と呼ばれるような食品は”美味しく食べる”というカテゴリーに含まれません。

さて、そのポイントとは

『よく噛んで食べること』

どんな時でもそうですが、食事ではよく噛んでください。

たまに「噛まなくても胃で消化できるからいいでしょ」って言う人がいますが、全然間違いで、ある程度口の中でかみ砕いて細かくしないと、消化・吸収されず、せっかく食べたものがそのまま排泄されてしまいます。

なぜ噛むことがいいのかというと、

  • 噛むことで脳に刺激を送り、満腹感を与える
  • 顎が丈夫になる
  • 胃や腸で消化・吸収されやすくなる
  • 唾液がたくさん出て消化の促進に役立つ

などなど、噛むことのメリットはとてもたくさんあります。でも、私も含め多くの人は意識していないと、すぐに飲み込んでしまいます。よく噛んで食べるために大事なことは、

『食事に集中する』

それだけです。仕事をしながら、スマホやテレビを見ながらなど、食事メインというより、その他メインで料理を見ることもなくパクパク口に運んで食べることが多いです。

なので、食事する時は集中して、一緒に食べる人との会話も同時に楽しむと良いです。

一人だったら寂しいと思うので、テレビ見ながらでもいいかもしれませんが、それでも料理と向き合ってたべるように心がけてください。

その他にも美味しく食べるポイントはあります。

美味しく食べる9つの条件

以下は糖尿病に特化していますが、普段の食事でも気を付けることでより一層美味しい食事になります。

  1. よく噛む
  2. 新鮮な食材を使う
  3. 出し(昆布やかつお節、干し椎茸)を使いうま味を引き出し塩分を控える、薄味にする
  4. 油を最小限に抑える(使う油もオリーブ油などオメガ3の油や酸化しにくい油を使う)
  5. 焼いたり蒸したりして余分な油を取り除く
  6. 調味料など正確に測る
  7. 香辛料や薬味を活用する
  8. 食物繊維のたくさん入った食材などで低カロリーでもボリューム感を出す
  9. 柑橘類をうまく使い食欲をそそる料理にする

その他、注意点としてアルコールを控えるなどありますが、ちゃんと自分自身をコントロールできる人は血糖コントロールも出来ますし健康体にもなります。

たまに外食などする場合でも「勿体ない」と言って全部食べず、残しても良いので量をコントロールする必要もあります。

そんなことも糖尿病にならなければ、気にしないで良かったはずなのです。

毎日暴飲暴食はできませんが、病気のない生活なら、1~2週間に1回とかたまに食べ過ぎたり飲み過ぎても普段の食生活がしっかりしていれば、そこまで悪影響はないはずです。

まだ大丈夫と言いながら、気付いたときには遅くて自分自身がつらいのもそうですが、それ以上に周りを悲しませることになりかねません。ぜひ、身体を大事にして食事を見直してみてください。

また、なんとなく肥満体の太った人が糖尿病になるイメージがあるかもしれませんが、意外にもやせ型体質の人も糖尿病になる場合も多くあるので油断しないでください。

 

最後に、料理人の私が言うのもなんですが、多くの現場を見て言えることは、ほとんどの飲食店は、オーガニック、ベジタリアン、グルテンフリーをうたっていたとしても、本当に健康な料理かというと疑問を感じます。

結構色々突っ込みたくなる部分がありますが、そのあたりの裏側もまた今度話をしようかと思います。