ブイヨンやだしと呼ばれるものは、今では、固形(粉)や液体などの濃縮したもので水で溶かせば簡単にだしの味を再現することができますが、もともとは、食材から取り出せるものです。

なぜこんなに粉末や液体のだしが普及したのかと言うと、一言で言うと「簡単で安く済むから」です。

日本で一番なじみの深い、昆布や鰹節で取っただし汁がありますが、この日本の伝統的な、昆布カツオだしは、世界で一番早く作ることができる出し汁だと言われています。

そんな早く作ることができる出しでも、粉や液体を使った方が安くて早いのですから、家庭はもちろんのこと、原価を安く済ませるために飲食店などでも使うことはよくあります。

料理人であれば、だいたいはその店がちゃんと出し(ブイヨン)を取っているか?

粉や液体の(化学調味料の入った)出し汁を使っているか?

料理を食べればわかります。

そんなだし汁ですが、実際のところ、だし汁の元となる食材が、一般家庭に出回らないので、作り方を知らない人は多いです。出回らないというか、あまり需要が無いと言ってもいいかもしれません。

現代のほとんどの方は、アレルギーや健康などに“本当に”気にしている人は少ないため、使うことはないのでしょう。もしくは、健康を気にしていても、値段が高すぎて手がだせないかのどちらかです。

皮肉にも、今の日本は、身体に悪いものが安く売られ、身体に良いものは高く売られているのが現状です。

ここで、だしの取りかたについてポイントを説明したいと思います。今回は鶏のブイヨンについてです。

鶏のブイヨン(だし汁)

材料

主に使う材料は、

  • 鶏ガラ
  • 野菜

はっきり言って、とてもシンプルです。シンプルなだけに、手順を少しでも間違うと、不味くなります。とても簡単に言ってしまえば、上記の3つの材料を入れて、煮ることによって、味が出るのです。

ただそのまま放り込んではいけません。

これは料理人にとってはあまりにも常識的なことなので、専門の方は、これから先は読まなくてもわかる事ばかり書いてあります。

 鶏ガラの入手法

まず、鶏のブイヨンであれば、鶏ガラを手に入れてください。普通に鶏肉を買うより安く購入できます。

(鶏ガラ↓)

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スーパーなどで1匹ごと仕入れて、鶏肉をさばいてパック詰めしているのであれば、店員さんに尋ねれば、出してくれるでしょう。というのも、鶏ガラは骨なので、食べるところはありません。ですので、だしに使う用途以外は、ほとんどの場合使われないため、捨てられます。

だから、安いのですが、飲食店でよく鶏肉を使う場合、鶏ガラはタダで手に入る場合もあります。実際、それぐらい安く価値の低いものです。

まず鶏ガラを手に入れたら、周りに付いている余分な脂や、血が付いている部分は取り除きます。そして、沸騰したお湯に入れて、周りの臭みを取り除きます。

その後、鍋に鶏ガラ。野菜は、玉ねぎ、人参、ネギ、キャベツ、白菜など砂のついていない部分で、芯など使わない部分でもよいので入れます。もちろん野菜丸ごと入れても良いです。そして、香りのある野菜を入れるのもよいです。

ちなみに出来上がりの野菜は、とても柔らかくなるので、ポトフとして使ったり、カレーライスの具などにするととてもおいしいと思います。

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チキンブイヨンの作り方

材料を入れたら、水を入れ、火にかけます。沸騰しだしたら、アクを取りながら、弱火にして、野菜が箸で切れるくらい柔らかくなるまでクツクツ煮ます。そして水が半分以下になるまで煮込んでください。

以上です。

文章で書くと、簡単ですが、時間にして最低3時間はかかります。出来れば8時間以上は煮込みたいですね。

美味しく作るポイント

沸騰しだしてから最初はアクがたくさん出やすいので、こまめに取り除きます。これをしないと、だし汁が臭くなります。使えません。

そして、たっぷりの水から茹で、弱火で煮てください。煮詰めれば煮詰めるほどだしの味は濃くなっていきます。

煮詰めすぎて、野菜が水から出てしまったら、水を足して、もう少し煮詰めましょう。その出しに、塩を少し加えれば、それだけでとてもおいしいスープができます。ちなみに最初入れた水より、半分以下の量になるまで煮詰めないと、ある程度濃い味は出ません。

たったそれだけですが、時間も手間もかかるため、あまりやる人が少ないのです。ということで、興味ある方は試してみてください。

鶏ガラだけでなく、豚でも、牛でも、骨の部分が手に入るのであれば、同じようなやり方で出しは作れます。

ちなみにコンソメは、、、

そこからさらに脂の少ない肉や野菜を入れて煮込むので、もっと手間と時間がかかります。

また、ラーメンなどは出しの取りかたが特殊な場合もあるので、今回説明したやり方とは違う場合もあります。