味噌(みそ)の種類と作り方 ~食材を知る~ 

味噌のいろいろ

日本を代表する発酵調味料である味噌について、種類や作り方、塩分の違い、原料、成分、割合などについて知識を深めたいと思います。

味噌は、大きく分けて3種類あります。

  • 米味噌
  • 麦味噌
  • 豆味噌

まずはそれぞれどのように作られるかを知っておきましょう。

基本的に味噌は、麹に大豆、塩、水を合わせ、発酵・熟成させて作ります。そして、

1:麹の原料が米・麦・大豆のどれなのか?

2:どれくらいの量の塩を加えるのか?

3:熟成・発酵期間

これらの要素によって、味噌の種類や風味が変わります。味噌は、麹菌を繁殖させた米や麦(それぞれ米麹・麦麹)に、加熱した大豆、塩、水を合わせて熟成させたものです。そして、

  • 米を使ったものが“米味噌”
  • 麦を使ったものが“麦味噌”
  • 米も麦も使わずに大豆でつくったものが“豆味噌”

になります。家の味噌の原材料をみれば、何味噌なのかわかりますね。

味噌の歴史・由来

ルーツは中国からで、日本には飛鳥時代(6世紀末)に朝鮮半島から“豆味噌”が伝わったのが最初とされています。その後、日本では稲作が盛んだったため、米を使った“米味噌”が作られ、米が取れにくい地域では“麦味噌”が生まれました。

米と麦は、全く別物で、栽培方法と収穫時期、使用目的が違います。

<麦>

麦は畑で栽培され、収穫時期は夏です。大麦・小麦・ビール麦とあり、大麦とビール麦はビールの原料、小麦は粉に加工してうどんやパンになります。

<米>

米は、湿田(田んぼ)で栽培し、収穫は秋。粳(うるち)米と餅(もち)米があります。

 

このように、日本では気候や風土によって、地域ごとに色々な味噌が作られたのです。

味噌の種類

味噌には米・麦・豆の3つの分け方の他に、“甘口”“辛口”、“赤”“白”などの分け方もあります。

しかし、どれだけの塩分であれば“辛口”なのか、どれだけの色の濃さであれば“赤味噌”なのかは、ちゃんとしたものはなく、あくまで目安なのです。その他の違いというと、

  • 原料の品質
  • 発酵・熟成を行う条件(自然発酵か人工的か)

この2つが、味噌の仕上がりに影響を与えます。

さらには、米・麦・豆という原料の違いのほか、下記の4つが絡み合って、味噌の種類を分けています。

1:大豆の加熱方法

2:塩加減

3:麹と大豆の割合

4:熟成期間

大豆の加熱方法

“蒸す”と“ゆでこぼす”

塩加減

塩分濃度が5%~13%

麹と大豆の割合

大豆より麹の量が多かったり、その逆だったり

熟成期間

季節にもよりますが、短いものでは1カ月、長いと3年。

代表的な味噌

八丁味噌

辛口、赤色の豆味噌で、大豆と塩、水だけで作られ、米や麦は入っていません。大豆は蒸して、熟成期間は2~3年、塩分濃度は10~12%。

特徴は大豆の風味がストレートに感じられ、コク、かすかな酸味、渋み、苦み、深い色合いで、他の味噌より硬いです。

仙台味噌

辛口、赤色の米味噌で、米麹と大豆の割合は米麹1.3~1.5:大豆1です。

大豆は風味を生かすため蒸しており、塩分濃度は12~13%と高めですが、熟成期間も2~3年と長いため、強い塩気を感じることがはないです。特徴は、大豆が熟成したコクと香りです。

同じ類では、秋田味噌、津軽味噌、越後味噌があります。

西京味噌

甘口、白色の米味噌。米麹と大豆の割合は、米麹2:大豆1ほど。色素を抜くため大豆をゆでこぼして、品のある淡い色合いになっています。

塩分濃度は5~7%で、熟成期間は、夏は約2カ月、冬は約1カ月なので、長期保存には向きません。米麹の甘みがあるのが特徴です。

もろみ味噌

そのまま食べる「なめ味噌」のひとつで、煎った大豆の皮を取り除き、水に漬けておいた小麦(または裸麦)と合わせて蒸して麹を作ります。この麹に、タカの爪や生姜などを加えて仕込み、短期間熟成した後、水あめや砂糖で調味します。

特徴は、煎った大豆の香ばしさと甘味、鮮やかな色合いです。

 

その他、分類は下記のようになります。

WS000018