器の洗い方や調理器具の扱い方 ~料理以前の基本~

器の洗い方や調理器具の扱い方を見ても、料理人としてのレベルが分かります。いままで、ちゃんとしたところで働いていたか?自分の意識を高く持っていたかなど、行動を見ていればホントによくわかります。

ただこれは最初からできるというものでもないかもしれないので、ある程度経験を積んだ料理人を見るときの判断として参考にすると良いかと思います。

あと、その人の先輩や上司がいかに素晴らしい料理人だったかもわかるので面白いです。

まず、私の考えとして、常に思っていることは、食材も器や調理器具も生き物として扱う意識を持つことです。たったこれだけのことができれば、あなたの行動は全く変わったものになるでしょう。

たとえば、食材に関しては、

・できるだけ無駄がないように使う

・食材が傷むような扱いをしない

例を上げると、放り投げるように置いたり、食材の上をまたぐようなことをしたり、少し上級になってくると、食材がつぶれないように切ったり、繊維や一番うまくなる方向で切りつけをしたりなど、基本的なことです。

 

私も修行時代の料理を始めたばかりのころ、、、

通路に発注した野菜があったのを、上をまたいだら、当時のおやっさんに思いっきり怒られました。殴られました。ののしられました、、、(-_-メ)

「おいっ、お前!!食材をなんだと思っている!!それはお客さんの口に入るものだぞ!!そんな食材をまたいで、なんて罰当たりなことするんだ!!あほかっ!!!」ゴツンっ!!(げんこつの音)ってかんじで、怒られました。

怒られた時はびっくりして、(大声で怒鳴られるので)混乱して「すいませんでした!!!」としか言わないのですが、後々落ち着いて考えても、当たり前のことです。自分はなんてことをしてしまったんだ、、、と反省しました<(_ _)>。

 

他には器の洗い方ですが、お客さんに出す器と、調理で使っている金属(ステンレス)のボールなどを同じシンクの中に入れない。これも、当たり前ですが、陶器と金属がぶつかって器が割れてしまったり欠けたりします。

私のいた懐石料理店では、“器を洗う事だけ”の専門で働いてるパートのおばちゃんがいました。この人が怖いのなんのって、器もっていって、「おねがいします、、」って言わなかったら、。。

そのおばちゃんが、、「あんた、何様のつもりや?人に物頼むのになんも言わんのかい!!」って、、、思い出すだけでも怖い、、、、

パートのおばちゃんといえど、洗いものだけっていっても、すごくこだわっています。もう、洗いもののプロですよ。だって、たまに10年以上の中堅クラスの料理人でも、洗い方を聞きに来るくらいですからね、そのおばちゃんに、、、。

おばちゃん、おそるべし、、、

 

器の洗い方に関しては、他でも詳しく説明ますので、そこを見て下さい。

調理器具でも、電動ミキサーやまな板の上とか布巾もそうですが、使い終わった後にちゃんと掃除することに気をつけたり、仕事中もこぎれいにすることは大事です。

せっかく美味しい料理作っても、まな板の上が汚かったらまずく見えますからね。

 

もうひとつ、私が気になるとこ、、、言っていいですか? それは、“音”です。

器とか、鍋とか、どうしても、どこかにぶつかってしまうことがあると思いますが、やっぱり、意識の低い店ではたらいていた人は、音もうるさいです

特に私はうるさいのが嫌いなので、

タイマーの音が鳴りっぱなしだったり、がちゃがちゃ音を立てて洗いものをしたり、鍋がぶつかって“カーーン!”とお経読んでる時の鐘を鳴らす音みたいなのだったり、電子レンジの呼んでる音とかがイヤです(+o+)。

スタッフの無駄なしゃべり声も嫌いです。

 

若い当時、50歳60歳のおやっさんに言われたことですが、「鍋がカーーーンって鳴ったらすぐに指で鍋を押えて、音を消せ」と言われました。

理由は、葬式などの仏壇でお坊さんが鳴らす鐘に聞こえるので、縁起がわるいと、、

さらに、そんな音がお客さんの耳に入って、食事中、葬式のことなんて思いだされたらイメージ悪いって、、

確かにそうですね(・o・)、

法事での食事、、とかもありますが、日本人(仏教の国)として良い印象は無いように思いますし、じっさいうるさいし、耳障りです。

以上です。愚痴を聞いてくれてありがとうございましたm(__)m。

 

食材も器も調理器具も扱い方ひとつで、長持ちしますし、大切に扱えば、どんなものでも愛着がわきます。

ただしファミレスや安い居酒屋など、安い器や低価格で勝負している飲食店は、そこまで気を使っているひまもないかもしれません。

「めっちゃ忙しくて、そんなことやってる余裕はない!!」と思われる方もいるでしょうが、それでも心の持ちようで、少しは変わってきますから!皆さんも、ぜひ、小動物や、赤ちゃんを扱うかのように、食材、器、器具に接してみて下さい。

そうすれば、料理の極みに一歩近づきます!!