青野菜をゆでる時に”塩”を入れると緑色が鮮やかに出るのはなぜ?

塩を入れると緑色が鮮やかに出る理由

[塩]は料理において、さまざまな効果を発揮します。野菜をゆでる時に塩を入れていますか?

ホウレンソウなどの青野菜だけではなく、青野菜以外をゆでる時も塩を入れるのは、野菜のおいしさが水に溶け出るのを防ぐためでもあります。

塩を入れるのと入れないのとでは、味が違いますよね。塩を入れないとなんだか物足りない味になってしまいます。このひと手間を加えるか加えないかで、出来上がった時の料理に差ができます。

出来上がった料理を食べた時に「なにか物足りないな、、、」とか「コクがない、、、」とか思う事ありませんか?

このような物足りなさは、料理の味付けどうこうの前にゆでる時に塩を入れたか入れてないかなどの下処理の段階で“ちょっとした手間”を惜しまずにやっているか?

これが重要になってきます。

野菜をボイルする時ですが、お湯に塩をいれる量は、なめてみて、少し塩を感じるくらいで良いです。海水の塩分濃度はだいたい3.5%と言われていますが、水1リットルに3%以上の塩は入れすぎになります。

ですので、だいたい1~2%の塩が妥当です。(水1リットルに対して塩10~20g)ちなみに塩は小さじ1杯で6g、大さじで18gです。

ゆでた後、野菜を急冷するために氷水に入れる場合、その氷水にも塩を少し入れると、野菜の味がしっかりします

さて、青野菜をゆでる場合ですが、この場合塩を入れるのには他に理由があります。

それは、緑色をキレイに出すためです。

なぜ塩を入れると鮮やかな緑色が出るのか?

野菜の緑色はクロロフィル(葉緑素)という色素で、これは水に溶けません。

ゆでても水にさらしても色が溶けだすことはないのですが、長い加熱には弱く、ゆで過ぎると色があせて褐色(暗い色)になります。青菜をゆでたら、すぐに冷やすのはそのためです。

クロロフィルというのは酸に弱いので、酢を入れるのは色が悪くなるのを早めます。醤油も数%の酸を含んでいるので色が変わってしまします塩はクロロフィルの緑色を安定させる働きがあるので、退色を遅らせることができるのですね。

逆にアルカリ性の“重曹”を入れると色はキレイに出ますが、やわらかくなりすぎて(繊維が軟化)歯ごたえ・歯触りが無くなります。

ホウレンソウなどゆでる時に重曹は禁物ですが、ワラビやぜんまいをゆでる時は重曹を入れると、色がきれいに出て、柔らかくなり、アクも抜けるので料理屋さんではよく使います。*ちなみに野菜はゆでればゆでるほど、ビタミンなどの栄養は流出していきます。

~まとめ~

青野菜を使って料理をするときは、

  • 緑色
  • 食感
  • 栄養

この3つのどれを優先させるかによって、加熱時間を変えるといいでしょう。

塩の効能で変色を抑える

塩には、リンゴを食塩水に付けると色が変わらない!などの変色を抑える作用もあります。

野菜や果物にはポルフェノール物質が含まれており、これは空気(酸素)に触れると酸化されてメラニンと呼ばれる褐色の物質になります。

野菜を切った後に水に入れるだけでも空気を遮断することになるので褐色はある程度抑えられますが、塩を入れることにより酸化酵素の作用を抑え、よりいっそう色も変わらず味も良くなります。

リンゴの場合、あまり塩を多く入れると塩味が付くので、0.5~1%の塩分濃度(1リットルの水に塩小さじ1~2杯)でいいです

テレビで昔やっていましたが、ちょっとした裏技でりんごを塩でもみ洗いしてから皮を剥くと変色せず、塩の味もしないみたいです。

その他の変色を防ぐ方法

リンゴにレモン汁をつけると変色を防ぐことができます。これはリンゴのポリフェノールより先にレモンに含まれるビタミンCが酸化反応をするからです。

そのため、ビタミンCは多くの食品に酸化防止剤として使われています。他にもバナナ、モモ、アボカド、ナス、ジャガイモ、レンコンなどの果物、野菜も、切ると同じ反応を起こして変色します。

このようにいままで何気なくやっていたことも理由を知ることにより、もっと深く料理を楽しめることができますよ。