公開処刑 血液検査を自己解析

分子栄養学を学び始めると、趣味と言うべきほどの癖(くせ)になってしまうものに血液検査があります。

血液検査データから栄養状態を把握することができるのですが、勉強し始めの頃は全然理解できなかったことが、すこしずつわかり始めると、自分の体でどんな変化が起こっているのかが気になり始めます。

自己の健康管理をちゃんとしてこそ、他人にも伝えることができるので、まずは自分自身の状態をわかっていないといけません。

いかにも不健康な人に、だれも食事指導や健康管理を任せたいとは思いません。

半年ぶりの血液検査

実はもっと短い周期で血液検査をしたかったのだが、2020年12月に本格的に分子栄養学に取組み、そのタイミングで血液検査をしたところ、

肝臓が悪いことがわかりました。

当時、量の多少はあるけど、毎日のようにお酒を飲んでいて、飲まない日はないくらい。さらに隙あらば、朝や昼からも飲んでいたので、完全にアル中レベルです。

ただ、そこまで浴びるほど飲むわけではなかったので、日常生活に支障はないと思っていました。

仕事のストレスなども含めて、今になってみれば、結構健康状態が危なかったのかもと思いました。

お医者さんいわく、「肝臓悪い」と言っても、ものすごく悪いのではなく「生活を見直しましょう」レベルの悪さです。

毎日お酒を飲んでいて、逆に「大丈夫」という医者はいないと思いますが、たぶん多くの人は当てはまるような程度だと思います。

その時の血液検査は自分的にはちょっと意外でした。

理由は、当時の1年以上前(2019年7月)に血液検査した時は、そこまで数値が悪く出ていなかったからです。

数年前から、日常的にお酒を飲む習慣があったため、絶対に肝臓悪いだろうと思っていたら、数値的に悪くなかったので、
「自分って結構、お酒に強い体してるんだ」と勘違いして継続してしまった結果だと思います。

でもそんなことも、ちゃんと血液検査の数値をわかっていれば、肝臓が悪くなっていることに気付いたはずです。

つまり2019年の時点で、体はすでに危険信号を出していたのだとわかりました。

血液検査結果公開

英語なので読みづらかったり、単位の部分は日本と違っていることもあるのでちょっと戸惑うかもしれません。

まずは数値として出ているところから分析していこうと思います。

ちなみに、この自己血液検査の分析は、「この判断が正しい」とか「この数値だから○○の症状だ」と決めつけているのではなく、あくまで予測という意味でとらえてください。

私もまだまだ勉強の身ですし、正直、この診断が合っているかもわかりません。

また私は、医者ではないので、「診断」という行為はできませんが、これは自分自身の体を勝手に「診断」するものなので、違法にはならないです。

個体差もあるので、私と同じような検査結果だったとしても、まったく違う出て来る症状が違うってこともあります。

なぜかと言うと、問診なども含め、普段の生活がとても大事になってくるからです。

あくまで血液検査は、判断材料の一つであって、大事なのは、自身の今までの生活習慣です。

それによって検査項目によっては「マスクがかかる」と言う呼び方をします。

これは数値が雲隠れして、実はある臓器が壊れているのに数値上では「正常」として出て来ることです。

そのように”マスクがかかる”ことも少なくありません。

なので、今から書くことは、あくまで参考としてであり、今回の私自身の分析自体も、分子栄養学のプロから見ればまだまだ突っ込みどころ満載だと思います。

数年後、この記事を振り返ったときに、「全然読み方間違ってんじゃん」なんてこともあり得ることも承知で残したいと思います。。

「あ、こういう感じで読むこともあるんだ」くらいに思ってくれれば幸いです。

もし今後、間違いなどを発見したら、赤文字で訂正したいと思います。

一応教えてもらっていることをベースに判断しているので、ものすごい間違いは無いとは思いますが、血液検査一つとっても、人によって観点がかわってくることもあります。

また血液検査をした当時の、昔の私の食生活は事細かに覚えているわけではないので、その面も含めて「なぜ数値がこのようになったのか?」というのは、あるまで表面的に見た予想となります。

まどろっこしくも長い前置きになりましたが、ようやく公開自己血液検査を始めていきたいと思います。

Adobe Scan 23 Nov 2021

Adobe Scan 23 Nov 2021 (1)

Adobe Scan 23 Nov 2021 (2)

以上のデータが、私の血液検査結果です。

オーストラリアのクリニックでの血液検査なので、日本とは違う部分が多々あると思います。

数値の単位の表示が日本とオーストラリアでは違うものも多いです。しかし、ちゃんと数式があり変換できるので、その部分に関しても説明します。

また、それぞれの検査項目では正常範囲というのが決められていますが、この範囲は日本でも海外でも「これだ」というのは検査機関や病院などによって大丈夫だと思う範囲内が変わってきます。

大幅にズレることはないのですが、日本人と西洋人では、食生活から体の作りまで違うので、ここに書かれている範囲もあくまで目安程度に思っておいてください。

2019年 血液検査データ解析

まずデータにある2019年から見ていきます。

パッと見て「なんか変かも」と思う部分は、ALT,AST,LDHという部分です。

ALT 40
AST 34
LDH 234

とあります。

これが何を意味しているのか?

ALT(alanine transaminase)=GPTは、肝臓に多く存在する酵素。

AST(aspartate transaminase)=GOTは、肝臓の細胞以外にも心臓の筋肉、血液の赤血球のなかにある酵素です。

どちらも一般的には肝臓の指標になります。ここが高いと「あなた肝臓悪いね」となるのですが、この数値は一応正常値内です。

しかし、分子栄養学的にみると、結構ヤバくて、できればALT 20、AST 20が理想と言われています。

だから、両方とも30を超えているので、明らかに肝臓が悪いと思われます。さらにはALTからASTを引くと6になります。

この数値が両方とも同じが良いのですが、2以上の開きがあると、脂肪肝・肝炎の可能性を疑います。

そうなんです。やはりすでに、この2019年時点で肝臓が壊れていたかもしれません。

そしてLDHですが、これは乳酸脱水素酵素と呼ばれるものです。

数値が低いと「疲れやすい」のですが、逆に高いと、心疾患、腎疾患、血液疾患、悪性腫瘍、筋疾患、肺疾患、肝胆道系疾患が疑われます。

LDH 234と高めなので危険なのかもしれません。LDHは通常なら170-180が理想とされます。

また、検査前日に筋トレや登山など激しい運動をしていると高くなるのですが、当時そこまで激しい運動はしていないはずです。

仕事でずっと立ちっぱなしだった可能性はありますが、そんなに激しい運動ではないはずです。

またガンでも高い数値が出て、その時はグルコースの値も上がるのですが、グルコースは計っていないのでそこはわかりません。

とはいっても、一応範囲内には収まっていますし、栄養学的観点では、値が小さい方を重視する傾向があります。

ちなみにLDHの値が小さい人(100台とか)は「乳酸を分解できにくくなっている=疲れやすい」とみることができます。

ちなみにこの3つ(AST,ALT,LDH)は『逸脱酵素』と呼ばれ、組織が壊れることで出てくる(逸脱してくる)酵素です。

とまあ、そんな予兆もあったのですが、正常と診断されたので、当時の私は調子に乗って、そのままの生活を続けていたのです。

そして1年以上が経ちます。

2020年12月 血液検査データ解析

これは分子栄養学をちょうど学ぼうと思い始めた時期です。

「分子栄養学では血液検査を見る」みたいなことを知り、たぶんそれで血液検査を受けたのだと思います。

生活自体は、2019年時点とそんなに変わっていないと思います。

ALTとASTを見ると両方とも26で、前回より下がっており、良い数値になっています。

だけど、おそらくマスクがかかっていて、正常な値に見えているだけのように思います。

例えば、脂肪肝は数値を上げるのに対し、ビタミンB6不足は数値を下げます。

だから、見た目は正常に見えるのですが、実は、脂肪肝でかつビタミンB6不足の可能性も考えられます。

またLDHが2019年よりさらに上がっているため、色々な疾患の疑いもありますし、この段階では、肝臓が悪いと指摘されました。

規定範囲外の数値が4つあります。

Non HDL-CHOLというのは、総コレステロールからHDLを引いた値です。

LDLを含めたHDL以外のコレステロールの値です。

HDLは善玉コレステロール、LDLは悪玉コレステロールと呼ばれています。悪玉は悪いもののように感じますが、たくさんいてもダメだけど、いなくては困るコレステロールです。

*それぞれの項目の意味を細かく解説していたら終わらないので飛ばしています。

Non HDL-CHOLが高いのでコレステロールが高いと判断されています。でもLDLの数値は正常です。この場合、動脈硬化に関係しているものと思われます。

Ureaというのは尿酸値です。これはタンパク質を表わしているので、低いので、あきらかにタンパク質不足となります。

たしかに心当たりはあります。当時私は基本炭水化物メインの食事をしていました。

T.Bilirubin。この数字は30umol/Lとありますが、日本ではmg/dl表記です。

これを計算しなおすと1.75mg/dlになるのですが、0.4-1.5が良いと言われているので少し高めです。

高いと肝臓が悪いです。

でも、この数値は異常値を示していても詳細な病状まではわからないので、精密検査が必要です。遺伝的なことが原因の場合もあるようです。

GGTは(γ(ガンマ)-glutamyltranspeptidase グルタミルトランスペプチターゼ)。この値は、肝臓の悪さを示すので突っ込まれました。

この検査結果から、、、

2020年の血液検査から、医者に「肝臓が悪い」と言われました。

分子栄養学の視点から見ると、

肝臓が悪い
タンパク質不足
ASTとALTがマスクがかかっている可能性ありで、その場合は”肝臓が悪い”にプラスしてビタミンB6不足も疑います。

あと2020年の時は、赤血球や白血球などの数値も検査しました。

RCC(赤血球)や赤血球量などが比較的高かったため、ここから読み取れるのは胃酸不足、葉酸(ビタミンB9)とビタミンB12と鉄不足の可能性があります。

先ほどのタンパク質不足に繋がる診断となります。

ようするに、食事からのタンパク質摂取が足りないとか、消化吸収ができてない可能性があるということです。

またFerritin(鉄)の値も見たら、高くなっていました。高い場合は、鉄過剰、肝障害や炎症性疾患、悪性腫瘍などが考えられます。

対策としては、

  • タンパク質をしっかり食べる
  • 甘いものを控える
  • ビタミンB群をちゃんと摂る
  • ストレスを減らす
  • よく噛んで食べる
  • 腸内ケアをする
  • ミトコンドリアでのエネルギー産生を良くする

などなど、、、

つまりは生活習慣全体を見直すことが大事となりますが、当時はそんなことも、まだわからないので、とりあえずアルコールをなるべく控えることだけ守っていました。

またその、3か月後に血液再検査をするのですが、お酒を控えていたのにも関わらず、まだ肝臓が悪いと言われたのですが、数値的には改善しているようにも見えました。

とりあえず、これがこれまでの検査の自己診断です。

次回は最新版の結果からの血液検査解析をします。

なんと「完璧だと思っていたら、まさかのコレステロール値上昇」について分子栄養学的に見たいと思います。