マルトデキストリンでオイルやチョコを粉(パウダー)にする実験

マルトデキストリンを使って油やチョコレートを粉(パウダー状)にしてみました。作り方は簡単で、

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このように油脂成分を持つチョコレートと粉末のマルトデキストリンを合わせるだけで、サクッとした食感のチョコレートや、粉末のチョコパウダーが出来上がります。

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↑もっと入れると、サラサラの状態になります。

MALTDEXTIN マルトデキストリンとは?

食品添加物として用いられる多糖。ぶどう糖が数個結びついた糖質の一種で、でんぷんを分解した時に作られ、ホワイト~クリーム色の吸湿性の粉末となります。消化しやすく、かすかな甘みがあり、匂いはほとんどありません。

用途

天然のソーダやキャンディを作るのに用いられます。

その他、摂取することにより炭水化物を補うことが出来るスポーツ向けのカーボサプリメントでもあり、スポーツサプリメントでは筋肉をつけるためには炭水化物が不可欠であることから最強の炭水化物=マルトデキストリンとも言われています。

特徴

マルトデキストリンはでんぷんよりも消化されやすく、それでいて糖分と違って急激に血糖値を上げることがないという特徴があります。

アメリカではトウモロコシのデンプン、ヨーロッパでは小麦のデンプンが用いられ、小麦由来の場合は、セリアック病を発症する危険があるため表示が推奨されています。

しかし、実際にはタンパク質はほとんど除かれているため、グルテンはほぼ含まれてはいないです

賞味期限

約2年くらい持ちます。

料理では

Most commonly used in the food production industry to thicken and stabilize fatty compounds as a bulking agent. Applied to oil-based compounds it will produce a powder that dissolves in the mouth realizing the flavour infused into it.

マルトデキストリンは、油分を抱く性質があり、この特性を利用することで、各種オイルの粉や、チョコレートパウダー、ドレッシングの粉などを作ることができます。

種類

見つけたのは2種類。

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一つが通常のマルトデキストリン(右側)そして、もう一つがN Zorbit Malt dextrin (左側バケツ)です。何が違うのかというと、粒子の細かさです。

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普通のマルトデキストリン(右側)は180gなのに対して、左側はこの大きさで220gと両者とも重さはさほど変わらないのに、体積だけが増えています。その分、N Zorbit(左側)の方は、雪のように軽く、ふわふわしています。

もちろん溶けやすいのもN Zorbitの方ですし、両者とも同じ重さで、同じオイルの量で作ったとしても、N Zorbitの方がより少ない量でパウダーにすることができます。

ただ、それなりに値段は通常のものより高く、マルトデキストリンは180gで$9.45

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に対し、N Zorbit Malt dextrinは220gで$30。

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費用対効果はあります。

実験開始

失敗例 粉(パウダー)にならない油脂成分・食品

とりあえず、油脂成分を持っている食品にマルトデキストリンを入れました。そこで、粉状にならなかった食材を紹介します。

  • バター
  • 生クリーム
  • ドレッシング

これらは、パウダーにはなりません。

さらには、オイルを粉状にした後でも、醤油とか、その他の食材(乾燥した塩やドライハーブは別)を入れて混ぜると、パウダーの効力は無くなります。

チョコレートは、お菓子で作るような溶かす用のものであれば、粉になります。

つまり、オイルで言うと、純粋なオイルしか固まらない・粉状にならないということがわかりました。

なので、たとえば、自家製ドレッシングで、サラダ油に醤油や酢など分離するような材料が入っている場合、そのドレッシングにいくらマルトデキストリンを入れようが、粉にはなりません。

「じゃあ、どうやってドレッシングの粉をつくるのか?」については、後で説明しています。

チョコレートの粉

最初はよくわからなかったので、粉を混ぜた後、パウダー状になる前にフライパンで炒めるようにすれば固まるのかな?と思って、

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さらには、粉っぽさとかも無くなるのかと考えていましたが、結果的に加熱は不要だということがわかりました。

ちなみに加熱しすぎたチョコレートは油分が分離して、使い物にならなくなりました(+o+)

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↑フライパンでいためすぎた失敗例

もちろんチョコレートに入れる場合は、チョコレート自体は加熱して溶かす必要はありますが、

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マルトデキストリンの粉自体は加熱しても、しない時と比べてもあまり変わりません。

で、、、チョコレートの場合、完全にパウダー状にすることもできますが、その手前でマルトデキストリンを入れる量を少なくして、固形状のチョコレートを作ることも可能です。

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っていうと、ただ単にチョコレートを砕けばいいじゃん。という話になりますが、マルトデキストリンを加えた方が、よりサクサクした食感になります。女性には好評です。

オイルの粉

調理場にあるオイルと言うオイルは全て粉にしました(笑)

実際のところ、思っているより、かなり多くのマルトデキストリンを入れないと粉にならないため、オイルをそのまま口にするより、香りが薄まります。だいたい3段階あり、

A:サラダ油や菜種油は香りがわかりにくい。

B:グレープシードオイルやオリーブオイルは、香りはボチボチわかります。

C:トリュフオイルやゴマ油は結構強く感じます。

料理の用途によって、色々使い分けて頂ければと思います。

  • 香りを強く出したいのであればC
  • デザートなどでも使えそうなものはB
  • そのオイルパウダー単体を使うのではなくて、他の味と組み合わせるのであればA

このように分けられます。ちなみに、こちらがグレープシードオイルの粉

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そして胡麻油の粉です。

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わかりづらいですが、胡麻油は、元の色が濃いため茶色っぽくなっています。

この状態で、サラサラではなく、少しモサっとした(しっとり感のある)粉感ですが、それでも分量は、胡麻油大さじ1に対し、(通常の)マルトデキストリン大さじ6(約45g)も入ります。言ってしまえば、ほとんどマルトデキストリンの粉です。

ドレッシングの粉

さて、ではどうやってドレッシングの粉を作るのかというと、答えは簡単で、全て粉状にしたものを合わせるのです。

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つまり、ドレッシングに入る材料を全て粉、または乾燥させるのです。

サラダ油ベースでドレッシングを作るとすると、、、まずは油を粉状にします。その粉に、塩コショウを加えたり、柚子ゼスト(柚子塩)や乾燥させた味噌パウダー、醤油パウダー、乾燥ハーブ、ドライオニオンなど粉系どうしを組み合わせるだけです。

ただ、注意点として、全部混ぜてから盛り付けると、色がそこまで美しくない可能性があるので、それぞれを振り掛けるような形がよいかなと思いました。

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以上、とりあえず今のところの実験結果です。

感想

「思った以上に簡単!」です。

火も入れず、単純に混ぜるだけなので、だれでもできますが、おそらくマルトデキストリンの種類によっても分量が変わってきてしまうと思うので、とりあえずやってみるのがいいと思います。

最後に

オイルを粉にして、何がいいのかと言うと、ほとんどの人がビックリする(゜レ゜)ことです。

まず「油なのにパウダー??なにそれ!?」となるのでしょう。たしかに不思議です。オイルパウダーを食べてみると、舌の上でふわっと油に変わります

この意外性が良いですし、液体ではないので、通常液体ドレッシングを使うサラダだと、くぼみのある器やボールに入れますが、粉なので、平らな器にサラダを盛り付けることもできます。

 

以上、マルトデキストリンの実験でしたm(__)m