プロ用:魚の焼き方と順番

魚の焼き方

魚の焼き方や順番にはいくつか考え方があります。魚の状態(1本まるごと、切り身、開き、魚の種類)その他、調理法、グリル・焼き床の種類などによっても変わってきます。

 

焼き方1(丸ごと1匹の“開き”の場合)

まず、魚1本丸ごとと言っても「開き」の場合、これは「身」から焼きます。

理由は、皮を先に焼くと反り返るからです。皮が縮むと身が引っ張られて、崩れますよね。

魚に串を打って焼くなら、向き(皮と身)の方向をどちらでも上下自由にできるので、下火(炭焼きのように下から熱する)上火(ガスコンロなどで上から熱する)どちらでも対応できますが、干物は乾燥しているのでほとんどの場合、串打ちはしません。

開きの魚を下火で“網”に置いて焼く場合

皮を最初に焼いてしまうと皮目が網にくっついて剥がれてしまいます。上火の場合でも先に皮を焼くと、焼いた後にひっくりかえしたら皮目が網に当たります。

そうなるとパリッとした皮が網に当たって崩れます。そのため干物に関しては、すべて身から焼きます。

盛り付けも身表です。

ただ、網に乗せて焼く場合は、網を事前によく熱しておいたり、少し油を塗ることで、皮や身がくっつくのを防ぐことができます。あと魚の皮の質によっても違いがあるので、先に皮目を焼いた方がいい場合もあります。

その他、料理屋などで、串を打って焼く場合や、皮目に何か振り掛けたり細工をして焼く場合は、皮を先に焼くときもあります。

 

焼き方2(丸ごと一本焼く場合)

丸ごとの場合、皮も身もなく、必然的に皮から焼くことになりますが、注意点は一つ。盛り付けをする面から焼きます。

しかし例外があります。

鮎に串を打って、炭など下火で焼く場合、鮎がまるで泳いでいるかのように串を打つ(おどり串、のぼり串、うねり串という)のですが、盛り付けるときに反対になる方から焼きます。(川魚ですが鮎を左頭で盛り付ける場合)理由は尾ひれが焼いている最中に曲がるためです。

この動画を見てください(3分5秒目くらいから)

このように一度、尾ひれが下がり、しばらくするとまた元に戻ります。

これを逆の面を先に焼いてしまうと、尾ひれの向きが逆になります。

基本あまり変わりませんが、踊り串の打ち方は活けの鮎なのか、すでに死後硬直している鮎なのかによっても、若干打つ位置が変わってきます。あと尾の部分は一番最初に焦げやすいので、焼き方も(アルミをしたり、焼き床を細工して)工夫しなければなりません。

 

考え方1

「焼き方」の基本は、盛り付けた時に上面になる方から焼きます。ですので、「海魚」「川魚」は関係なく、4パターンあります。

・海魚 開き・・・身から焼きます。

・海魚 切り身・・皮から焼きます。

・川魚 開き・・・身から焼きます。

・川魚 切り身・・皮から焼きます。

考え方2

川魚は皮側から海魚は身から焼く。海の魚の場合、皮側から焼くと皮が縮んで身が割れる傾向に有ります。(串を打てばそれほどでもないけど)

うなぎなどの川魚の場合は、身割れしにくいのと皮に臭みやぬめりが有るので、そちらを先に焼いて固めた方が美味しいからという理由もあります。

ただ、焼台には下火と天火(上火)のタイプが有り、魚の種類や調理法やその職人さんの流派によっても多少やり方が違うようです。だから、どちらが先かなどあまり固執せず、その食材が美味しく出来る方をその都度選択しながら料理をするべきだと思います。