料理・調理の基盤、基礎、基本、原点となるもの ~食材選び~

愛情料理の基盤となるもの、料理を作るうえで大事なことを語るうえで、何を伝えればよいのか悩みましたが、まずはこれが大事だと思うものがこちらです。

「良い食材を選ぶこと」つまり、食材の選定です。

料理の味を決める要因となるものは、何をおいても、食材の質です。もちろん、市場などに行って、魚なら鮮魚専門の店に行き、野菜なら野菜屋など、こだわってその分野に特化したお店で買うことができれば文句ありません。また、その前段階の農家さんに会いに行き直接採れたての食材を買うことができるのであれば最高です。

しかし、多くの方はそんな時間も余裕もなければ、自然の食材に囲まれた地域に住んでいるかどうかもわかりません。ただ、どこに住んでいようが、一つだけ大事なポイントがあります。

それは地域による食材の良し悪しです。わかりやすい例でいえば、

  • 静岡に住んでいるなら、お茶やワサビ
  • 名古屋なら八丁味噌
  • 青森ならリンゴ
 

などなど、なんとなく、小学生くらいのころの社会の授業で習ったくらいの知識でも、地域ごとの良い食材は思い浮かびます。思い浮かばなくても、今はネットで調べればすぐに出てきます。

試しに、あなたの住んでいる地域+名産品、美味しい食べ物などの検索ワードで調べてみてください。おそらく思った以上に色々出てくると思います。これら地域別のおいしい食材は、他県に比べて、非常においしい場合が多いです。

これらの食材を頭に入れておくだけでも、料理のベースとなる「良い食材を使う」ことができるようになります。また、スーパーに行けば、○○産、△△産など地域別で売られている場合があるので、それらを見て買うのも良いでしょう。

でも、野菜の場合、その地域のものしか売っていない場合もあります。つまり、地域の選択ができない場合、1種類しかない場合もあります。そして、これは食材を選ぶときの本当に基本となることですが、

食材を適当に選ばないこと

これは、人参があったからといって、棚の手前にあるものから順番に手に取るのではなく、できれば全部、少なくても3~4つくらいは、実際に手に取って質の違いを見てください。

「どれも同じような形でわからないよ」という声も聞こえてきそうですが、毎回、どんな食材でも選ぶときには、何個か手に取ってみてください。続けていくうちに、なんとなく良いものがわかってきます。

最初は直観でも良いです。

見た目が好き、傷がない、形がきれいなど、判断基準は細かく言えば、野菜別に色々とありますが、ここではあえて、あなたが良いと思ったものを選んでください。これも経験です。

例えば、見た目がみずみずしいキレイなセロリを買ったとします。しかし、家に帰っていざ使おうとすると、芯の部分が黒くて腐っていました。

 

こんなのも経験です。この経験から、今度は表面だけではなく、中身の芯の部分もちゃんとチェックするようになります。

こんな感じで、ひとつひとつ食材と向き合うことで、少しずつですが、食材の良し悪しがわかるようになってきます。今まで、どちらかというとなんとなくでしか選んでなかった食材を、もう少し注意深く観察することで、どんどん良いもの悪いものの見分けがついてくるでしょう。

実際、市場に並ぶものもスーパーに並ぶものも、日本ではある程度、品質が揃って出荷されます。ですが、その中でもB級品であれば、例えば、A級品に近いB級品と、C級品に近いB級品とに分かれます。

その微妙な差も、毎回買い物に行くたびに注意を払って食材を選ぶことで、慣れてくると、それこそ研ぎ澄まされ、洗練された直観で良いものを手にれることができます。

やはり経験値がものを言います。
例えば、
  • 毎日魚を見ている魚屋さん、
  • 食材全般を扱う料理人、
  • たまに魚を手にする主婦

この3人が同時に魚の仕入れを始めたときに、スピーディにかつ新鮮な魚をしいれることができるのは、ダントツで魚屋さんです。良い食材を入れるためには、その食材別のポイントを知る必要もありますが、それは、もっと興味を持ちだしてから、ネットや本で調べれば良いです。

もしくは私に聞いていただいても良いです。しかし、まずは自分自身で食材にじかに手に触れ、“選ぶ”ことから始めてください。何事も最初はわからないことばかりです。

知っている食材、よく使う食材から始めてください。一気に覚えようとして、料理で使う全部の野菜を一日中スーパーにいて見るのは若干しんどいです。(私は一日中野菜を見ていても苦ではないですが(笑))

日々の生活で、食材を買う時、急がずに、少し時間いゆとりをもって買い物に行ってみてください。そして、選んでください。これが、料理の基礎の基礎となる愛情料理に欠かせないポイント、「食材を選ぶ」です。

ぜひ、次の買い物から実践してください。

、、、もう一つポイントを忘れていました。

買い物に行く時間帯ですが、できるだけ早い時間帯に行ってください。土日だと市場が休みで、金曜日の残り物など売られていることはありますが、平日であれば、基本その日仕入れた、新鮮な食材を店頭に置いてある場合がほとんどです。

もちろん、買い物に行く時間が遅くなればなるほど、先に新鮮で良い食材は売れてしまうので、売れ残りばかりになってしまいます。すると、数も少なくなりますし、選ぶことさえできない場合が多いです。

遅ければ、セールで安くなったりしますが、品質的にはお勧めできるものはあまりありません。また、時間的にも「夕方や夜にしか買い物ができない」という場合もあるかもしれませんが、なんにせよ、まずは食材を選ぶことをためしてみてください。

最高の食材を手に入れる究極の方法

また、もう一つ、最高品質の食材を手に入れる方法があります。

これは、シンプルですが、ものすごい方法です。「なんだ、そんなこと」と思うかもしれませんが、

この極意は、もっと詳細にしてまとめて、有料で教えても良い内容です。

それは、「仕入れ業者や生産者と仲良くなる」です。

例えば、毎日市場に行って、何か野菜を買うついでに、世間話をしたり、「いつもありがとう」と言って、お菓子を差し入れたり、栄養ドリンクを持っていったり、そうしているうちに、相手の方も何か恩返ししてくれる時があります。

  • 野菜でもその日一番の質のものを取っておいてくれたり、
  • 特別な通常市場に出回らないレアな食材をくれたり、
  • 良い悪いの見分け方などを教えてくれたり、

結局は、良い食材を仕入れると言っても、人が育て、人が売っているので、人間関係はとても重要になってきます。ハッキリ言って、この方法が究極です。

今のところ、個人的には、これ以上のものはないだろうっていうくらい良い食材を手に入れるために必要なことが、食材を直に扱う人との信頼関係構築です。

ぜひ、頑張ってください。