6月の味暦 ~仲夏の旬暦・食材・異称・行事・風情・語源・由来~

6月の味暦

仲夏の味

木々は緑を深め、暑さもいよいよ本番で、梅雨を知らせる湿気を含んだ南風が吹き込むので、半袖の夏姿が多くなって月の半ば近くには梅雨入りとなります。

食べ物も冷たい物や酸味のあるさっぱりしたサラダや酢の物が美味しく感じられるようになり、世間では冷房が欠かせなくなる季節です。

仲夏とは、陰暦の5月のことで、陽暦では6月になりますが6月6日頃に24節季の一つである芒種があります、この頃には雹(ひょう)や遅霜の寒さの心配をしなくてもよくなり、稲など芒(のぎ)のある穀物の植付けの適期となるところからこの言葉が使われています。芒種から小暑(7月7日頃)の前日までが仲夏の期間です。

この時期には夏の陽気が定着しますが、その頃には梅雨入りして雨のしとしと降る日が続きますので湿度・気温ともに高く、食べ物の腐敗が早くすすむので、調理場・食材・手指などを清潔にして調理に当たり、食品の衛生管理を徹底して食中毒の予防に努めなければなりません。

6月の食材としては、初旬に鮎が解禁となり、鮎はこの頃から目に見えて成長が進み脂肪の乗りが良くなります。カツオやアジ、サバ、イワシなどの海の上層に群れる背の青い魚も味が良くなり、たくさん出回りますが鮮度の落ちが早いので、仕入れたらできるだけ手早く下ごしらえすることが必要です。

また、青豆類や茄子、瓜のいろいろも出揃い、新ゴボウ、新ユリ根、新小芋、新じゃがなどの新物ならではの幼い味が楽しめます。さらに、生の新じゅんさいを手早く茹で、山葵醤油や吸物に浮かべ、そのフレッシュ感を味わうのもこの季節ならではの贅沢といえます。砕き氷を料理に用いて、その清涼感を演出に利用することも忘れてはなりません。

煮物の水加減としては、どちらかといえば、濃口醤油より薄口醤油を用い、醤油味よりも塩味を利かせ気味に加減することが多く、香辛料も春の木の芽に加えて、実山椒、青柚子、新生姜、みょうがの香り・彩りが夏を表現します。

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仲夏の旬暦

旬の食材

魚貝類・肉類

あこう(茂魚・きじはた)

アジ

穴子

油目

アワビ

いさき

いわし

えい

かつお

カマス

カンパチ

キス

車海老

こち

さば

さより

サザエ

しゃこ

すずき

たこ

太刀魚

ちぬ・クロダイ

つばす・わかな・はまち

生ウニ

にしん

はも

ホタテガイ

ホタルイカ

ほや

星カレイ

目板カレイ

めごち

よこわ

あまご

いわな

うなぎ

川エビ

ごり

どじょう

なまず

はす

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野菜・果物類

青梅

オクラ

賀茂ナス

絹さや

胡瓜

小芋

小南瓜

里芋

三度豆

ささげ豆

じゅんさい

新生姜

新いも

新ゆりね

新ゴボウ

越瓜(しろうり)

スイカ

ずいき

そら豆

たで

玉ねぎ

タラの芽

つるな

つぶゆず

冬瓜

とうもろこし

長なす

ねいも

はちく

早松茸

花穂紫蘇

みょうが

めいも

らっきょう

さくらんぼ

やまもも

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6月の異称、別名、呼び方

水無月

青水無月(あおみなづき)

水月(みなづき)

風待月(かぜまちづき)

季夏(きか)

鳴雷月(なるかみづき)

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6月の行事

6/1 賜氷(しひょう)の節・気象記念日・電波の日・鮎解禁

6/6 芒種

6/7 計量記念日

6/10 時の記念日

6/11,12 神今食(じんごんじき)

6/14 住吉大社御田植祭・金沢百万石祭

6/15 日枝神社祭礼・ちゃぐちゃぐ馬っこ

6/16 嘉定喰(かじょうぐい)

6/17 百合祭(奈良率川{いさかわ}神社)

6/第3日曜日 父の日

6/20 鞍馬寺竹伐り会

6/22 夏至

6/30 四天王寺勝曼院愛染祭・夏越の大祓

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6月の風情

麦秋

田植え

短夜

青梅雨

五月雨

五月晴(陰暦)

青田

入梅

縮布

浴衣

ビイドロ

釣忍

早乙女

船遊び

金魚売り

蛍籠

風鈴

紫陽花

百日紅

菖蒲

杜若

芍薬

渦潮

水無月豆腐

梅干し

煮梅

鱧の皮

新節

水貝

冷や汁

素麺

冷麦

葛練り

白玉

心太

葛切り

はったい粉

飴湯

氷室

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