海老の天麩羅
天麩羅で海老は欠かせませんね。活けの車海老を使うのが一番ですが、手に入りやすいのは冷凍海老です。
3種類あって、
●ブラック系
●ホワイト系
●ブラウン系
名前の通り、海老の色で見分けます。黒っぽい色のブラックタイガーは、東南アジア産の養殖車海老です。白っぽいホワイトも同じ養殖車海老です。ブラウン系は中国やメキシコ産などの海老で、天然車海老の冷凍です。
じゃあ、どの海老がいいのか?
養殖の冷凍車海老は安いですが、天ぷらにすると身質が硬くなってしまうのと甘味が少ないのが欠点です。天然の冷凍車海老は、養殖に比べ値段は高いですが、柔らかく仕上がり甘味もあります。
もう一つポイントは、冷凍・活け・天然などに限らず、大きすぎない車海老の方が甘味がありおいしいです。
魚の天麩羅
魚にも天ぷらに向く魚と、 そうでない魚があります。きす・穴子・白魚・稚鮎、などが定番ですね。白身の小魚、そしてあまり脂がきつくない魚が向いてます。
というのも、一つの鍋で魚介類や野菜等を揚げる為、淡泊で脂が乗り過ぎていないものを選ばないと油に”魚の脂”がしみこんだり、くせの強い味が移ってしまうからです。
もし、イワシ、アジ、サンマ等の”脂が強い魚”を揚げる場合、別の鍋で揚げた方が良いです。あと鮪、鰹などの赤身ですが、加熱すると硬くなるので天ぷらにしません。おいしくないです。脂が乗った部分でも脂分が強すぎるので、よろしくないです。
気持ち悪いギトギト感があります。とはいっても、上手く下処理をしたり、調理法や味付けを工夫すれば、揚げてもおいしく食べれます。
キスの天麩羅
鱚(キス)は天麩羅魚の定番です。
ただ、生のキスと、冷凍や解凍したものでは、下処理、揚げ方を変える必要があります。
生のキスの場合
掃除しておろして、余分な水分をキッチンペーパー等で取ります。皮側には打ち粉をしないで身だけに粉をします。
理由は皮目と同じように揚げるためです。つまり身の方にする打ち粉が皮の役目を果たします。
そして、油に入れるときは皮目下にして入れます。
冷凍(解凍された)キスの場合
生よりも、水分を多く含んでいるので、ペーパー等を使って、余分な水分をしっかり取りましょう。
打ち粉は、キス全体にして下さい。理由は生のものより、身も薄く水分も多い為です。できれば、衣も若干濃い目に作ってください。
油に入れる時は、皮目を今度は上にして入れます。(加熱すると「生のキス」の時以上に皮側に反ろうとするために、生のときは修正きるけど、冷凍の時は身が薄いから、割れてたり丸まってしまうから。)
揚げる時間も、生の時よりも少し長めの方が良いです。鱚だけでなくても、白身の魚や冷凍の魚はこれにだいたいあてはまるので覚えておきましょう。
ちなみに穴子はしっかり掃除して臭みを取り除いた後、生でも冷凍でも”身だけに打ち粉をして”揚げます。
貝類の天麩羅
貝類は水分が非常に多く、硬くなりやすいので、他の天麩羅より難しいかもしれません。天ぷらにする貝類は、「小柱」「帆立貝」「鮑」「牡蠣」「蛤」 などを使います。魚以上に大切なことは、鮮度の良ものを選ぶこと。
つまり「生」でたべれるくらいの鮮度の良さが理想です。
なぜなら、火が通りすぎると固くなるので、天ぷらにするときは半生くらいで出せれるのがちょうどおいしいからです。
揚げる時は、どの貝も全面打ち粉します。
貝類、特に解凍されたものはしっかりと打ち粉してコーティングをしないと、貝独特の茶色のカスが表面に付いてしまうし、脱水しすぎると焦げたような感じになります。
衣の濃度は、鮮度が良い生の場合は薄くてもOKですが、冷凍(解凍された)の貝の場合は少し濃い目の衣が良いです。
揚げる時間は、鮮度が良い場合はさっと。解凍されたものは、やや長めに揚げます。(揚げすぎに注意、硬くなります)
以上、魚介類の天麩羅のコツでした。
もっと天ぷらの秘密を知りたい方はこちら↓↓↓日本料理大百科「天ぷらのコツと科学」
コンテンツ
●天麩羅(てんぷら)についての基礎知識
●なぜ、家庭ではうまく天ぷらが作れないのか?
●揚げ物に使う鍋の種類
<油>
●油が悪くなる原因
●油の比重(油と水はどちらが重い?)
●天ぷら用の油は何を使う?
●油の種類と用途の違い
●油の温度の見方
<衣>
●天ぷら衣の作り方のコツ、ポイント
●てんぷらの衣濃い薄い
●天ぷらの衣はなぜ冷やすのか?
●かき混ぜていけないのはなぜ?どこ?
<素材>
●魚介類の天ぷらの種類とコツ
●野菜のてんぷらを揚げるコツ・ポイント
<揚げ方>
●天ぷらをうまく揚げる4つのポイント
●揚げものに火が通る原理
●天麩羅の”花”を咲かせる揚げ方
●「揚げ物は一度に一気に入れてはだめ」
●油の温度を下げず”カラっ”と天ぷらを揚げるために、、、
<変わりネタ>
●アイスクリームの天ぷらの作り方
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