脱!白砂糖
料理をしていると、いかに砂糖の存在が大きいのかがよくわかります。理由は、ほとんどの場合、
『砂糖無しでは美味しい料理を作ることができない』からです。
言い換えると、飲食ビジネスにおいて砂糖を使わない料理でお店を繁盛させるのはかなり難しいからです。
砂糖は白砂糖やグラニュー糖だけではなく、みりん、はちみつ、黒砂糖、フルーツ(の甘み)、スクラロース、ステビアなどの甘味料など挙げればたくさんあります。
料理人含め食品業界の人も、もちろん一般人も、料理する時になにかしらの甘みを入れる場合がほとんどだと思います。
なぜ甘みを加えるかというと、単純に美味しくなるから。これ以外に理由はあまりない(ってことも無いけど大半はそうだと思う)。
でも健康面を考えると、血糖は上がるし、太る要因にもなるし、人の身体にとってメリットはあまりないと感じます。
でも世の中には「甘み」は欠かせない。
甘みがあるからこそ、食欲も出てくるし、食事の空間も楽しくなります。
パーティで全く砂糖無しの料理ばかり出てきたら、テンションが下がるのは容易に想像できるはず。だから私も完全否定はしないし、色々な意味で生きるうえで必要だと思っています。
とはいっても、私のように健康面に気を使い栄養学を学ぶと、どうしても砂糖の存在が気になってくる。
どんな飲食店でも(オーガニック、ビーガンの店であっても)砂糖だけはガンガン使っていたりするのが現実です。
私も、過去色々試しました。
一般的に一番出回っている白砂糖は問題外で、確実にこれは避けた方がいい。
その他、シュガーゼロで謳われるような人工甘味料、ジュースなども避けたい。そんなことは誰もが認識していると思う。
飲食店で働いていたころは、オーガニックローシュガーを使ったり、フルーツ、蜂蜜、黒糖を使ったり、もちろんなるべく、素材本来の甘みを引き出し、外からの甘みを加えるのは最小限にしようとしていた。
でもゼロにはできない。
糖尿病の人はレストランに食べに行けない。食べてもホントにかなり制限される。甘みだけでなく、炭水化物全般も控えるのだから大変だ。
、、、でも、その甘みの問題、血糖や糖質の問題を解決できるものが一つだけ存在する。
知っているとめちゃくちゃ便利。料理の制限は多少あるものの、これを使っていれば大概は解決される。もったいぶらずに言うと、それは、、、
果物のモンクフルーツそしてエリスリトール(人工甘味料)
モンクフルーツ、そしてエリスリトールとは?
エリスリトールは自然界に極わずかな量しか存在しない希少糖とよばれる糖の仲間。
甘味度は砂糖の約70%ほどで、清涼感のある口当たりが特徴です。
身体に入れても吸収されずに体外に排出されるので、栄養素として体に全く残らないゼロカロリーの糖質で、さらに血糖値が上がらないとも言われます。
つまりインスリンの分泌にも影響を与えにくいので、糖尿病の方も安心して使えます。
そしてモンクフルーツとは羅漢果(ラカンカ)とも呼ばれ、英語では羅漢果=Monk Fruit/ Buddha Fruit。
中国語読みではLuo Han Guo。羅漢果は漢方として使われ、病の予防と治療に効果があり「長寿の神果」とも言われます。
砂糖として使うときは、羅漢果にある成分を抽出して使います。
煮出しただけの「羅漢果エキス」は、羅漢果から10%採れるのに対し「高純度 羅漢果エキス」は、なんと1%ほどしか採れません。
一般の「羅漢果エキス」は砂糖の50倍の甘さしかなく、果糖を含みカロリーがあります。
羅漢果の「高純度エキス」は砂糖の約300倍の甘さがあり、さらに血糖に影響が出ない。そしてその甘みは加熱しても変わりません。さらに抗酸化、抗発がん、抗糖尿病、抗アレルギーなどの効果も期待できます。
https://www.lakanka.jp/gakujutsu.html(引用元)
自然な甘みがあり、そのまま舐めると普通に甘みを感じます。甘みを感じるのに糖質が無いってすごい。
まるで夢のような甘味料です
日本ではネット上でオーダーできるものの、気軽にどこにでも売っているモノではない。
でも健康大国オーストラリアは違い、現地の大型スーパー(食料品店)の砂糖のコーナーにすでに色々な種類が置いてあります。3社ありました。
それぞれ糖質ゼロのものもあれば、ちょっと違うバージョンもある。それだけオーストラリア国民の意識が高いことがよくわかるし、健康食品に関してはやはり先を進んでいる感がある。
ということで、オーソドックスな糖質無しのもの3社を比較してみようと思います。
ちなみに値段はもちろん、その他白砂糖などに比べて高いです。少なく見積もっても3倍以上はします。でも価値はあると感じます。ではこれから【モンクフルーツ+エリスリトール】の紹介と特徴について話していきます。
最強の砂糖 3社比較 in Sydney
オーストラリアの商品を紹介する前に、日本で売られているもので有名なものがあります。
それが「ラカントS」
しかしよくよく見てみると、表示成分が違います。国によっても表示の義務などが違いますし、私は日本の「ラカントS」は使ったことが無いので何とも言えません。
詳しくはこちらを見てください。https://www.lakanto.jp/
ではこれから、オーストラリアで売られている羅漢果とエリスリトールを使った「ラカントS」にかなり近い甘味料の紹介です。
Monk Fruit Sweetener with Erythritol (モンクフルーツ&エリスリトールの甘味料)
Whole Earth社
https://www.wholeearthsweetener.com.au/
パッケージに「Organic」と書かれているのが安心感を誘います。この会社はMonk Fruitを使った商品がいくつかあります。表示としては、
- ビーガン
- 保存料なし
- グルテンフリー
- 遺伝子組み換えではない
- No Sugar
そして「カロリーはある」(1 calorie per serve 小さじ1杯4gで1カロリー)と書いてあります。ちなみに通常のグラニュー糖は小さじ1杯4gで約16カロリーです。
ただ甘みは一般的に売られているグラニュー糖と同じ甘さで、グラニュー糖と同じように使って大丈夫と明記されています。
そのほかにも
- 100%自然の甘み
- 植物ベース
- 歯にやさしい
- ケトジェニックに適している
なども書かれています。また表記されている[Organic]。これはオーガニックのエリスリトールを使っているという意味ですね。まあ、この類は成分のほとんどがエリスリトールなので、オーガニックというのは安心材料になるでしょう。
原材料表記を見ると、ほんの少しだけCarb(炭水化物が表記されています。100g中 0.2g)、Protein(タンパク質)とSodium(塩分)もほんの少しあります。
またこれ以降紹介する2つの商品はオーガニックのエリスリトールではないようです。
では次、
Lakanto社 Classic
こちら、最初に紹介した「ラカントS」と同じ会社と思われます。登録は日本の大阪と書いてありますが、作られているのはGuilin(桂林)と書いてあるので中国みたいです。こちらも成分など先ほどのWhole Earth社とほとんど同じです。
ただこのLakanto社は、Carb(炭水化物)がゼロ(無し)と書かれています。Protein(タンパク質)とSodium(塩分)も原材料表示には0(ゼロ)と表記されています。
カロリーは(1.1 calorie per serve 小さじ1杯4gで1.1カロリー)
さらに注目すべきは、唯一Zero Glycemicと書かれています。これは「血糖」を意味します。つまり血糖値が上がらないという意味と捉えていいでしょう。
そして最後、
Coles社
シドニーでは1位2位を争う大型スーパーの商品です。こちらも成分としてはラカント社に近いです。
唯一「No Artificial Colours & Flavours(人工的着色料や味の添加はありません)」と書いてありますが、おそらくその他2つも書いていないだけで同じだと思います。
保存料もWhole Earth社だけが入れていないと書いてあったけど3社とも入っていないんじゃないかな。、、、と予想しますが、わかりません。
カロリーは(1 calorie per serve 小さじ1杯4gで1カロリー)
塩分はLess than 5mgとだけ書いてあるので、ほんのちょっとだけは入っているかもしれません。
、、、で唯一このColes社のみ、なぜかアレルギー表示が書いてあり、
グルテン、大豆、牛乳、ナッツ(木の実)系、ゴマ、ピーナッツ
これらが含まれている可能性が少しあるかもと書いてあるということは、それらが同じ工場内で生産されているという意味かと思います。Coles社以外の2社はMonk Fruit sugarを専門で生産しているのでこのような表記がないのでしょう。
ということで、最後に私の個人ランキングをお伝えします。
第3位 Coles社
これは他者と比較してそこまで魅力ではないためです。とはいっても白砂糖を使うよりよっぽどいいのであしからず。
第2位 Whole Earth社
ちょっと迷いましたが、魅力的だったのはOrganicという部分。でもこれだけ唯一Proteinが入っていたのも気になり少しマイナス点です。(別にマイナスと思うほどでもないのですが)
第1位 Lakanto社
決め手はもちろんZero CarbsとZero Glycemicです。糖質無しなので、特に糖尿病の場合はMonk Fruit系の砂糖の中で一番安心でしょう。
以上オーストラリアのMonk Fruit sugarの比較でした。
正直、大差はないですが、白砂糖含め他の甘味料を使うよりも、このMonk Fruitを使った方がはるかに健康面でいいと思います。ただ一般的な砂糖とは違うので、料理で使う砂糖の効果が見込めないこともあります。
例えばパンやケーキを作る時、砂糖と同じように使おうと思っても、メイラード反応(茶色になる)はないと言われています。
砂糖はフライパンで熱するとカラメル化しますが、エリスリトールは熱すると溶けて透明な液体になりますが、その後いくら加熱しても透明のままです。
(*メイラード反応とカラメル化はちょっと違いますので気になる方は調べてみてください)
しかし、その液体を冷やすとカチカチのツルッツルの甘味料(エリスリトール)の塊ができます。
これはこれで固まって崩れにくいので、使い道はありますね。色を付けてもいいでしょう。砂糖ではないので食べてもそんなに罪悪感もなく、甘みも損なわれません。
料理次第ということで使い分けてくださいね。
単に甘みを足すという面では、十分砂糖の代わりになりクセもないので使い勝手が良いです。
唯一の懸念点は値段が高いことですが、今回紹介した3つとも、そこまで値段の大差はないのでどうせ使うのであれば、Lakanto社かなと思います。
でも糖尿病が全く関係なければ、Whole Earth社がオーガニックのエリスリトールをうたっているので、そちらでもいいです。
ちなみに、ここ超重要ですが、パッケージには堂々と「Monk Fruit」と大きく書いてあるんですが、
[Monk FruitとErythritol]の配分は[1:99]くらい。
つまり、モンクフルーツは1%しか入っていません。残りはすべてエリスリトール(甘味料)です。
商品によってはモンクフルーツは0.5%しかないものもあります。ここ絶対に忘れないでください。
追記
最後に言い忘れていましたが、今日比べたのはLakanto社のClassicという商品でグラニュー糖に近い白色です(3つとも同じ感じの色です)。
でもLakanto社にはGoldというのもあり、これはブラウンシュガーのような色です。表記はRaw sugarです。
成分表はClasscとまったく同じです。Classicとの色や味の違いは「Monk Fruit(羅漢果)の部位による違いです」と書いてあります。
ということで、さらに言うとLakanto社のGoldの方がRaw sugarなだけに良いということになりますね。
他にも、こちらは取り上げなかったですが、健康食品専門店には以下のようなMonk Fruit 甘味料も売っていました。バニラ味やキャラメル味もあるんですね。
以上、オーストラリアの最強甘味料、羅漢果+エリスリトール(Monk Fruit Sweetener with Erythritol)の比較でした。