日本で料理や食品によく使われる「粉」について、知識を深めましょう。

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粳米(うるちまい)

生粉製品

上新粉(米の粉)

水洗いした米を、水きり後に胴搗(どうとう・どうづき)製粉したものを米の粉、ロール製粉法で仕上げたものを上新粉と分けて呼ばれています。

用途:団子、外郎、草餅など

*胴搗(どうとう・どうづき)製粉=粒が細かく良く揃っている。

*ロール製粉=粒がやや粗いが揃っている。

上用粉

胴搗工程で作られ、上新粉よりは粒が細かい。薯蕷(じょうよ)粉とも呼ばれる。

用途:薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)など高級和菓子などに使われる。

かるかん粉

粳米を水に浸し、その後水を切り、それを挽いて粉末にしたもの。

乾燥かるかん粉と生かるかん粉がある

糊化製品

玄米粉

精白していない米を焙煎(ばいせん)したもの。

用途:まぶし物など

糯米(もちごめ)

生粉製品

白玉粉

糯米を精白し、一晩水に浸す。水きり後、原料に対して1~2倍の水を加えながら水挽きふるいに分けられた乳液をプレスして切断、60~70℃で温風乾燥する。

用途:求肥、団子、外郎、鶯(うぐいす)餅など

餅粉(求肥粉)

糯米を水洗いし、水に浸した後、挽いて乾燥させたもので、白玉粉より粗い粉

用途:白玉粉とほぼ同じ

糊化製品

寒梅粉(焼き味勘(みじん)粉))

糯米を水洗い、水に漬けた後、蒸して餅にする。これを色が付かないように焼きあげ粉末にしたもの。

上南粉(極味勘(みじん)粉))

もち精白米を水で洗い、水漬け、水きり後、せいろで蒸し上げ乾燥したもの(道明寺)を粉砕して、200℃前後の平らな焙煎機で少しずつ煎りあげたもの。

焦がしたものを茶みじん粉とも言う。

新引粉(新挽粉)

イラ粉、真引粉とも呼ばれ、上南粉(極味勘(みじん)粉))と同じ製法。煎る時は、砂釜で行われ、目の粗さによって用途が変わる。

用途:まぶし物、おこし

道明寺粉

糯米を2日間水に漬け、蒸した後、10日ほど乾燥させる。(糒(ほしい)・乾飯)

丸粒、2つ割り、4つ割りなど(丸粒、中荒、細、頭・焼き道明寺)

用途:桜餅、みぞれ羹(かん)

玉あられ

糯米を原料として、水漬け後、?いて型入れして冷蔵庫で固め、焙煎する。

用途:菓子の飾り、しるこの種

<葛粉の偽物=丸十でんぷん(サツマイモでんぷん)が入っている。>

小麦粉

主成分は炭水化物で、そのうちでんぷんが約70%を占めているが、全体のおよそ1割にあたるタンパク質の量の多少によって、大きく、強力粉、中力粉、薄力粉の3種類に分かれる。

このタンパク質はグリアジンとグルテニンを含み、水を加えて練ることによりグルテンと呼ばれる弾力性のある物質になります。さらに捏(こ)ねることにより、グルテンが網目状に結びつきます。

タンパク質の量が多いほどグルテンも多くなり、粘弾性が強くなります。

小麦

硬質

強力粉(ガラス質小麦)

タンパク質は11~13%。グルテンの量が最も多く、水分を加えて練ると強い粘りと弾力が生じる。

粉自体を手でつかんで握ると、中力粉・薄力粉に比べて固まりにくく、さらさらとしている。そのため、生地を丸めたり、のばしたりする時に使う“打ち粉”は強力粉を使う事が多い。

準強力粉

タンパク質が10~12%含まれている。

硬質と軟質の中間

中力粉

タンパク質が9~10%ほど含まれ、強力粉と中力粉の中間の性質をもつ。

軟質

薄力粉(粉質小麦)

タンパク質が8%ほどで、グルテンの量も最も少ない。

番外

全粒粉

グラハム粉とも呼び、小麦を殻ごと挽いたもの。1837年、アメリカのグラハム博士が、この粉の栄養価が高いことを発見し世間に広めたためこのような名前になった。

ビタミン、無機質、タンパク質などの量が多い。