もしかしたら、あなたも遺伝子組み換え食品を知らない間に食べているかもしれません。

「遺伝子組み換え」とは?

「遺伝子組み換え」の作物の多くは、ある種の細菌の遺伝子を植物の細胞に組み込んだもので、その遺伝子の働きにより、特定のタンパク質が作られ、害虫に食べられにくくなったり、除草剤を使っても枯れにくくなったりするのです。

「自分は遺伝子組み換え食品は食べていない」と思っている方は多いですが、実は相当食べている可能性があります。

というのも、市販のサラダ油、なたね油、コーン油の原材料は

「大豆(遺伝子組み換え)」「なたね(遺伝子組み換え)」「とうもろこし(遺伝子組み換え食品)」という表示はありませんが、遺伝子組み換えのものを使っている可能性が高いのです。

その理由は、大豆、なたね、とうもろこしは主にアメリカやカナダから輸入されたもので、それらの大半は遺伝子組み換えのものが栽培されているのです。その遺伝子が作り出すタンパク質はこれまで人間が食した経験のないものなので、安全性に不安な面があります。

特にアレルギーを起こすのではないかと懸念されていて、遺伝子組み換えの結果、予期しない有害物質ができる可能性もありえます。

なぜ「遺伝子組み換え」と表示されないのか?

それは、食用油の場合は遺伝子組み換えのものを原料に使用しても表示の必要がないと法律で定められているためです。

ダイズ油も、菜種油も油を抽出する際にタンパク質は除去されます。そのため、遺伝子組み換えによって作られた特定のタンパク質、そして組み込まれた遺伝子も取り除かれているため、製品にはそれらが含まれていない事になるので、表示が免除されているのです。

「遺伝子組み換え」その他の食材

例えば「豆腐」などは、「大豆(遺伝子組み換えでない)」その他、コーンを使ったお菓子にも「トウモロコシ(遺伝子組み換えでない)」と表示されていますが、これらは、遺伝子組み換えのものが全く含まれていないわけではありません。

というのも農林水産省では、大豆とトウモロコシに関して、非意図的に遺伝子組み換えのものが混じってしまった場合、5%以下であれば「(遺伝子組み換えでない)」と表示してよいと認めているのです。したがって、5%以下の範囲で混入している可能性はあります。

納豆の大豆も「大豆(遺伝子組み換えでない)」という表示がありますが、これは信用できます。それは、納豆に使われる大豆は小粒の品種ですが、アメリカで栽培されている遺伝子組み換え大豆は大粒の品種のため、それが納豆に使われる事はないからです。

表示義務は?

「(遺伝子組み換えでない)」と言う表示は、任意表示であり、表示をする義務はありません。ではなぜ(遺伝子組み換えでない)と表示されているのかというと、消費者に安心感を与えるためです。

ただ、さきほども言ったとおり、5%以下であれば遺伝子組み換え作物が混入していても表示が認められています。