日本の粉料理の代表であるお好み焼き。いつどこでだれが始めたのかは明らかではないと言われています。
お好み焼きの歴史
一説では、江戸後期の雑菓子“麩(ふ)の焼”が源だとも言われます。
これは、小麦粉を水に溶いて熱した鍋の上に薄く流して、焼けたら片面に味噌を塗って巻いて食べる焼き菓子でした。
その後、明治に入り、鉄板に小麦粉液を流して焼いたものが“文字焼”となり、大正時代に魚、肉、野菜を具とする今の“お好み焼き”のスタイルに定着したみたいです。
日本と海外の粉料理の違い
粉料理においては、日本と海外では違う特徴があるのをお気づきでしょうか?
日本にはお好み焼きのほかに、天ぷら、たこ焼きなどの粉料理があり、そのほとんどが、溶いた粉の中に具を混ぜてから焼く(揚げる)のに対して、日本以外では、ピザ、餃子などのように、粉を練ってからのばしたものに具を包んで食べるものが多いです。
日本人は主食が米であり、そのため、日本では炊くことが主であるため、フライパンの鉄板より、鍋の発達のほうが進んでいました。
反対に小麦粉食中心の国の場合、フライパンで焼くものが主で、水分が少ないことを特徴する包んで食べる料理が発達したのです。
お好み焼きと煎餅の関係性
お好み焼きは、遊び心のある鉄板の粉料理です。適度な水分のぼてぼてした中に、日本の味わいを包み込んでいます。
それに対して、粉を材料にして、鉄板や鉄型の中で焼いて、水分を出してパリパリとさせて、日本の風味を持たせたのが焼き菓子のせんべい(煎餅)です。
煎餅が普及したのは江戸時代とされ、そのころから、多くの種類があったことから、日本人好みの食べ物であったことがうかがえます。
煎餅が普及した原因にはお茶とも関係があり、お茶だけでは物足りなく、煎餅だけではパサパサすることで煎餅にお茶という組み合わせがよく合い、お茶と煎餅がセットとして食べられるようになりました。
お好み焼きと煎餅は非常に似ていて、お好み焼きが、好きな具材を入れて焼くのと同じく、煎餅も、醤油、味噌、胡麻、海苔など、どのような具を入れても美味しく食べられるという特徴があります。
せんべいの特徴と歴史
ちなみに煎餅は、最初は奈良時代という大昔に、小麦粉で作られていました。
現代では煎餅は小麦粉でも作られることはありますが、一般的には、うるち米を使用したもので、うるち米で作られたせんべいの最初は、草加せんべいと言われています。
これを、もち米で作るとあられ(霰)やおかきと呼びます。
このように、生活、文化、環境、風土から日本独自の食べ物もたくさんあります。何をもって、和食・日本料理と定義するのかは色々な考えがありますが、歴史を追って考えてみるのも面白いかもしれませんね。