アミューズ・先付の条件
食事の始めに出てくるアミューズと先付。
“Amuse(アミューズ)”とは“楽しませる”という意味で、もともとヨーロッパで食事前にお酒と一緒につまむ品々がもともとの姿であり、現代では“小さな料理”という意味でも用いられます。日本料理の先付とは、献立の冒頭に提供する料理のことで、お酒とともに提供する“酒の肴”の役割があります。
店の第一印象でもあり、次に出てくる料理のための“アミューズ・先付”これ自体で完結しないが、コースの中の料理でも一層際立ったポジションでもあります。
アミューズと先付 8か条
- 食欲を刺激する
- ビールやシャンパンに合う
- 胃に重たくない
- 驚きや楽しさがある
- 店のスタイルを反映している
- 食べやすいこと
- 速やかに提供できる
- 料理の期待を高める
以降に、それぞれの簡単な説明を載せます。
食欲を刺激する
まずは、胃を活性化させるために食欲を刺激させる料理でないといけません。
- 食欲を促す酸味や苦み、スパイスを入れる。
- 滑らかなスープやジュレで喉をうるおす。
- 歯ごたえのある野菜を使う。
- パリッと焼いたサブレなど、噛み心地のよい食材を入れる。
- バターの香りなど、香ばしい匂いをさせる。
ビールやシャンパンに合う
食前酒にも合う料理であることも重要。適度に、塩気、油脂のコク、粉生地などのでんぷん質も欲しい。
胃に重たくない
始めから、ボリューム感がありすぎる食材、油っ気が多い料理では、次の料理が進みません。
見た目も重要で、見ただけでお腹が満足しそうな盛り付けは控えてください。
驚きや楽しさがある
食事の冒頭からお客様の心を掴むために必要なポイントです。
- 風味やテクスチャー(食感)のメリハリを意識する。
- 見た目や演出、温度にも気を付ける。
- さわやかな香り、エキゾチックな香りを醸し出す。
など、インパクトのある料理で楽しませることも重要です。
店のスタイルを反映している
お店に合った雰囲気の料理、味付けを提供する。
店の第一印象そのものでもあるので、驚きは必要だが、あまりにも店の印象と方向性が外れている料理を出すのは禁物。
食べやすいこと
食べやすさにも気を使い、誰もが食べることができる食材を使う。好き嫌いのある食材は避けた方が無難です。
ポーション(大きさ)にも気を付け、一口で軽く口にできるようなものにしたい。
速やかに提供できる
提供するまでに時間がかかるものは良くない。
仕込みに時間はかけたとしても、ある程度準備することができ、かつ来店した時に短時間で提供できるものが良い。
料理の期待を高める
これらの条件を満たして、アミューズ、先付以降の料理の期待を高めることが重要です。
一目見て、一口食べてお客様が笑顔になる、幸せになる。そんなアミューズ・先付を提供してください。
こちらに、まとめた資料がありますのでご自由にダウンロードしてください。