野菜のてんぷらと言っても、当然ですが、何でもかんでも同じように揚げればいいってもんじゃありません。

一般に野菜をあげる温度は160℃くらいからと言われていますが、野菜に限らず魚でもモノによって揚げ方・油の温度などは変わります。

揚げる時間の違い

まず、すぐに揚がる野菜は、青味のものが多いです。大葉・タラの芽・百合根・ししとうなど。次に、椎茸などのキノコ系・人参・筍・レンコンなどの繊維の強い野菜。

じっくり揚げた方が良い野菜は、でんぷん質が多いもので、じゃがいも・かぼちゃなどです。

もちろん切り方によっても変わるので注意してください。

打ち粉の仕方

けっこう重要なのは「打ち粉」です。素材を保護する為に打ち粉をして、衣が剥がれてるのを防ぐためです。表面がツルツルした野菜(ししとう・ピーマンなど)は、全面に打ち粉をしましょう。

他の野菜も、衣を付ける前に余分な粉を落とさないと衣が厚くなり、重い天ぷらになってしまうので、気をつけてください。

じっくり揚げた方が良い野菜も、長く油の中に入っている為、きちんと打ち粉をします。そうすることによって焦げることを防ぐことができます。

大葉や椎茸のように、部分的に打ち粉をする野菜もあり、均一に揚げたり、食感を生かしたりするために野菜によって粉を付ける部分を変えます。

衣の濃度

椎茸や玉ねぎは他の野菜に比べて少し濃い衣の方が焦げずにうまく揚がります。

茄子などの色を生かしたい野菜の場合、皮目(色のついてる)の方を下にして油の中で衣を固めてしまわないと、きれいな紫色が出ません。表面がツルツルしている野菜等も、油の中でこまめに返しながら揚げないと衣が剥がれてしまいます。

ふきのとう等の「アク」 が強い野菜も変色しやすいので注意しましょう。それと香りを大切にしたいので揚げすぎないように。

以上、野菜の天麩羅編でした。

もっと天ぷらの秘密を知りたい方はこちら↓↓↓日本料理大百科「天ぷらのコツと科学」

コンテンツ

●天麩羅(てんぷら)についての基礎知識

●なぜ、家庭ではうまく天ぷらが作れないのか?

●揚げ物に使う鍋の種類

<油>

●油が悪くなる原因

●油の比重(油と水はどちらが重い?)

●天ぷら用の油は何を使う?

●油の種類と用途の違い

●油の温度の見方

<衣>

●天ぷら衣の作り方のコツ、ポイント

●てんぷらの衣濃い薄い

●天ぷらの衣はなぜ冷やすのか?

●かき混ぜていけないのはなぜ?どこ?

<素材>

●魚介類の天ぷらの種類とコツ

●野菜のてんぷらを揚げるコツ・ポイント

<揚げ方>

●天ぷらをうまく揚げる4つのポイント

●揚げものに火が通る原理

●天麩羅の”花”を咲かせる揚げ方

●「揚げ物は一度に一気に入れてはだめ」

●油の温度を下げず”カラっ”と天ぷらを揚げるために、、、

<変わりネタ>

●アイスクリームの天ぷらの作り方