プロの料理人の心構え
前回は、10年後20年後の職人の進む道について話しましたが⇔ http://worldchefsbible.com/?p=1418
今回はその決断に至るまでにやらなければいけない事についてです。
これらのステップには4段階あります。
まず、見習いの頃は
1:早く基本をマスターする
これに限ります。
基本ができてない段階で、自分のやりたいことをしてしまうと、応用がきかないため、あとあとどの道大変な思いをすることになります。
2:広く知識を求める
これは、応用の1段階目です。
自分の職場内だけに限らず、友達(同僚)や職場外にも目を向け、さまざまな視点からの知識を吸収することも大事です。ただ、これはある程度今働いている店で基本を積んでからがいいでしょう。
基本をみにつけていない段階で、外に目を向けすぎると、甘い誘惑に誘われ、今学んでいることをおろそかにしてしまう恐れがあるからです。
3:高い創意工夫を凝らして技術を磨く
ある程度基礎技術が身に付いたら、その知識をもとに更なる技術の向上、新しい挑戦をします
4:深く奥へと進む
達人の域です。ここまで来たら、この仕事は自分の天職と確信し、ひたすら突き進みます。
そして、見習いの時期でも、中堅、指導者クラスになったとしても心構えが大事です。どんなことでもいいので、目標を持つのがいいでしょう。できれば、短期、中期、長期と3段階での目標を設定するといいでしょう。
例えば、
短期:今日一日ミスをしない。短期の場合、自分の時間のサイクルの中の出来事で挑戦できることを探すのがおすすめです。
中期:3か月後には大根の桂向きをマスターする。経営に関する勉強をする。今すぐにはできなくても、こつこつ頑張れば達成できそうなことを目標にします。
長期:店を辞めて、他店に行く。店を出す
このように、まずは目標を立てましょう。そして、謙虚に取り組むことによって、視野が広がり、夢を仕事に託し、実現に近づけます。
<職人の心構えのポイント3か条>
伝統と時代の調和・融合
日本料理の昔から伝わる、料理法、知識、食材などをしっかり学んだうえで、現代に合った、今の技術、新しい器具や知識を使った調理法を融合させ作り出す料理。
基本と応用の実践
基礎技術をしっかりと学び、厳しい修業時代を経て、自分が上に立って、料理を作り出す立場になった時に、今までの基礎から発展させて自分の色を出せる料理を作り出す。
人格の形成
様々な人にふれあい成長していくことによって、自己を形成し、自分自身をしっかり持ち、芯を固めることによって、揺るがない自信と威張りすぎない謙虚さ、個性をしっかり出していき、周りから一目置かれる存在になる。
あなた自身の生き方、考え方が反映されます。
組織で働く心構え
組織で働く場合はどこの会社でも暗黙のルールというのがあります。これらも社会人としての基礎が根底にあって成り立つものです。そして組織で働く以上、その会社の利益を最優先に考えるのが役目です。
その考え方が、今後のアナタのスキルにもなりますし給料にも反映されます。組織で働く料理人として、
- 与えられた材料を使い
- 定められた調理方法で
- 決まった原価基準のもと
- 仕事に対し、基本に忠実で
- 清潔第一に素早く
- 手際よく美しい料理をして
- お客に満足感を与え
- 利益を生み出す
これが、組織で働く料理人にとって必要なことだと思います。とくに重要で難しいのは最後の2つですね。
他の部分は経験を積めば、できるようになります。
この2つを克服するポイントは、ひたすら、挑戦して実行していろいろ試してみて、その結果を検証する。
これの繰り返しです。そして、どんどん良いところだけを集めていけば、自然と満足感と利益は上がっていきます。
日々のマンネリ化した生活を脱出したいなら、まずは自分から新しいことを考えて行動してみましょう!!