切らない刺身ってどういう意味?お刺身って包丁で切るものじゃないの?そう思っている方、それは、あなたは”刺身”を作っていますね。
一流は違います。刺身ではなく”お造り”です。
、、まぁ、縁起が悪いから”刺し”を使わず”造り”、、って話は前にしたので置いといて、、、
包丁で魚を切るときに、私は”切って”いません。
どういうことか?
もちろん、包丁はとても切れる状態に研いでいます。造りをひいている(切っている)様子をみても、見た目は魚に包丁を入れ切っています。ですが、私は切っていません。
イメージで言うと「包丁を動かしている途中に魚がある。」
わかります?この表現。私の感覚では、包丁で魚の身を切っている感覚がないのです。もちろん見てますので、切れていますよ。でも、その切っている包丁を持つ右手には、魚を切っているという感触はないです。
大げさに言うと、まな板の上で何もネタがないのに包丁を動かして刺身を切っているのと同じ動きをしている。包丁を動かしているその先にたまたまネタがあった、、けど切った感触がないほど気付かなかった、、、みたいな感じです。
それを意味するものは、感触はないというのは実際に切っている魚には、負荷がかかっていないということです。つまり、その魚自体、自分が切られいることに気づいていない状態です。
だから、お造りは”角(かど)が立っている”のです。この表現もわかる人は少ないかもしれませんが、刺身の角っこがピンっ!!て立っていて、ぼやけていない状態です。
この違いは、目で見てわからなかったとしても(よく違いを見比べればわかりますが、、、)感覚で認識できるものです。
ですので、お客さんにもわかります。
”刺身”はお客さんには理屈を知らないだけに、「この盛り付け、なんかキレイじゃない」とか、もやもや感が心の中に残ります。こういう感覚、無意識レベルでお客に伝わりますので注意しましょう。
「お客さんなんて、料理なんて素人だから、少しくらいごまかしつくだろう、、」なんて思っていたら大間違い。
先ほども言った通り、”無意識レベル”で脳が良いものか悪いものか認識してます。
だからこそ、良いものはなんだかよくわからなくても満足できるし、また来たいと思わせることができる。逆に悪いものは、なんだかわからないけど不快感が残る。この違い、とても重要です。
良い技術を身に付けてください。