軟便のトラブルと悩み相談 危険なサイン

下痢の症状別・状態別チェック項目

 突然の下痢、いつまでも続く慢性の軟便にお困りの方。ご自分の症状や便の状態などから判断して、解決方法や治療法を見つけ出すためのチェック一覧です。

途中、ミニアドバイスや下痢になりやすい人の特徴検査項目もあるのでご活用ください。

便の状態による判断+下痢に伴う症状による判断

□ 便の色はいつもと同じ、液状またはペースト状

原因:冷え、ストレス、食あたり、水あたり、消化不良など。

対策:原因の解決。市販の下痢止め薬の服用。

□ 便に血が混じっている

原因:大腸の病気による出血の可能性大。大腸の炎症や潰瘍による疾患の可能性あり。痔が原因による出血もあり。赤痢、O-157などの感染による食中毒の疑いもあり。

対策:医療機関での受診。

□ 便が黒い

原因:食道、胃、十二指腸など上部消化管での出血。胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんの可能性あり。

対策:医療機関での受診。

□ 便に粘液が混じっている

原因:食あたり、水あたり、消化不良・冷え・ストレス。*下痢は腸の粘膜が傷むので、粘液が混じることがよくある。

対策:粘液の量が多い、粘液便が続く、血液が混じっている場合は医療機関で受診。

□ 便が白く液状

原因:コレラ特有の症状。または、乳幼児であればロタウイルスによる可能性があります。

対策:医療機関で受診。

 

ミニアドバイス1

肛門の周りの皮膚を清潔にしましょう。排便後やさしく拭き取ること。

排便回数の増加、アルカリ性の腸液を含む便の影響で、肛門の痛みや皮膚の炎症が起こることがあります。

  • 温かいお湯でやさしく洗い流す。
  • 肛門の周りの皮膚を清潔に保つ。
  • トイレットペーパーを使うときは、やさしく押さえるように拭き取る。
  • 皮膚の保護オイル含有洗浄剤をトイレットペーパーに含ませて押さえるように拭く。

などで刺激が緩和され皮膚の痛みや炎症の予防になります。

その他の下痢に伴う症状が出た場合

□ 吐き気・嘔吐がある

原因:食あたり

対策:市販の下痢止め薬の服用。または重症なら医療機関で受診。

□ 発熱がある

原因:重篤な食中毒。

対策:医療機関で受診。

□ 発疹が出ている

原因:アレルギー

対策:原因となる食べ物は控える。重症なら医療機関で受診。

□ 下痢止め薬を何度か服用したが改善しない

原因:臓器そのものに炎症や癌などがある可能性があります。

対策:医療機関で受診。

 

症状別原因チェック項目

食中毒・食あたり

□ 賞味期限切れ食品を食べた

□ 調理して長時間経った料理を食べた

□ 生もの・半生食(刺身、生カキ、生野菜、鶏肉、卵、牛肉など)を食べた

□ お弁当やサンドイッチを食べた

腹痛、吐き気、嘔吐(おうと)、発熱、血便などの症状も同時に出ることがあります。

カンピロバクターが原因の場合は“手足のまひ”や“呼吸困難”などを起こす【ギラン・バレー症候群】を発症する場合もあります。重症だと命に関わります。

水あたり

□ いつもと違う飲み水を飲んだ(旅行先の水、高硬度の水など)

□ 氷の入った飲み物を飲んだ

□ 水分を摂りすぎた

□ ビール・お酒を飲みすぎた

消化不良

□ 脂肪分・糖分の多い食品の食べ過ぎ。(揚げ物、肉、乳製品、ジュースなど)

□ 刺激の強い飲料を飲んだ。(コーヒー、炭酸飲料など)

□ 香辛料の多い料理を食べた。

□ 普段食べたことのない食べ物・飲み物を摂取した。

その他

□ 薬(抗生物質など)の服用

□ 牛乳や乳製品の摂取

□ 風邪

□ 過敏性腸症候群(IBS

□ 腸自体の炎症や腫瘍

全体を通して、ストレスで下痢になる場合は多いです。

 

病気による下痢

<慢性膵炎>

脂肪を分解する消化液を分泌する膵臓。炎症があると膵液の分泌が少なくなり、食べ物に含まれている脂肪分が消化吸収されません。

<クローン病・潰瘍性大腸炎>

消化管の炎症が慢性的に続く病気。専門医による治療が必要。

<虚血性腸炎>

腸にある細い血管の血流が悪くなり、働きが低下する。病状によっては手術も必要。

<糖尿病の合併症>

治療が長年続くと、自律神経が乱れて消化管の運動が不規則になり、下痢や便秘を繰り返すことがある。

急な下痢。この症状ならすぐ病院へ!

以下の症状の場合は、下痢止め薬ではなく、すぐに医師の診察を受けてください。

▢ 経験したことがない激しい下痢

▢ 便に血液が混ざっている

▢ 吐き気や嘔吐、発熱をともなっている

▢ 同じものを食べた人も同じ症状が起きている

▢ 改善の気配がなく、悪化している

▢ 尿が出にくい、口が異常に渇くなどの脱水症状がある

▢ 排便後もずっと腹痛が続く

あなたも下痢体質?早わかり10項目

最後にあなたが下痢になりやすい体質なのかどうかのチェック判断をします。チェック項目が多い人ほど要注意です。

▢ 喫煙をする:タバコを吸うと、ニコチンの作用で腸のぜん動運動が促進され、下痢を招くこともあります。

▢ 肉類(脂もの)を食べることが多い:肉類の過剰摂取は下痢の元です。必ず一緒に野菜もとりましょう。

▢ 冷え性・寝冷えをする:寝冷えは急性の下痢を招きます。お腹を冷やさないようにしましょう。

▢ ストレスが溜まっている、よく緊張する:自律神経の乱れは、下痢や便秘などの便通異常を引き起こします。

▢ 不衛生な食事環境:キッチン周りを掃除していないと、そこから菌が繁殖し、胃腸に悪影響を与えることもあります。古びた居酒屋なども要注意です。

▢ 冷たい食べ物・飲み物が好き:よく冷えた食べ物・飲み物は、下痢を引き起こす原因になります。

▢ 辛いまたはスパイスの効いた料理が好き:辛みの強い食べ物は、腸への刺激が大きいです。消化されずそのまま便として排泄されることがあります。

▢ 乳製品をよく飲む:日本人は乳糖不耐症も多く、牛乳などを飲むとお腹を下す人も多いです。また濃度の高い牛乳を飲むと、小腸から水分が分泌され、下痢になることがあります。控えるかできるだけ温めるなど刺激を減らしましょう。

▢ アルコール(お酒)をよく飲む:アルコールは、胃腸での食べ物の消化を悪くします。

▢ なにかしら薬を飲むことが多い:薬の影響で胃腸の消化機能が落ちている可能性もあります。

ミニアドバイス2

「下痢を薬で止めてはいけない」という情報があります。

食中毒や細菌感染が原因の、発熱や血便を伴う下痢の場合、腸内の毒素や異物を早く取り除くため、薬を使ってはいけない場合もあります。

それ以外の下痢の場合、体力の消耗、脱水により 危険な状態を招くこともあるので、薬も適切に使い対処しなければなりません。

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