1月の味暦
晩冬の味
晩冬とは、陰暦の12月のことで、陽暦では1月になります。この時期は寒気によって大気中の雑菌が一番少なく、寒の水も腐りにくいと言われ、温度管理もしやすいので、各地の酒蔵では日本酒の仕込みが最高潮に達します。
24節季の小寒(1月6日ごろ)から立春(2月4日ごろ)の前日までが晩冬の期間となります。
1月の食べ物は元旦の祝肴、雑煮、そしてお重詰に始まりますが、魚介類の多くは、寒さゆえに脂肪を蓄え、味わいが最高になるものが多いです。
蛤、浅利、蜆、海松貝(みるがい)、赤貝、鳥貝、牡蠣、貝柱、バイ貝などの個性豊かな貝類も冬の味覚の大きな楽しみです。また、野菜も大根、蕪、海老芋、牛蒡(ごぼう)に代表される根菜類がおいしいですね。
不足しがちなミネラルを多く含む山菜も各地から入荷しますので、このころの献立には不自由ないです。しかし、必ず身体の芯から温まるような料理を組み入れることが、この時期の献立の大切なポイントです。
晩冬の旬暦
旬の食材
魚貝類・肉
赤貝
アサリ
甘エビ
アマダイ
あんこう
飯蛸
イセエビ
オコゼ
貝柱
牡蠣
カジキマグロ
からすみ
カワハギ
車海老
こち
このしろ
こはだ
このわた
こもちはぜ
鮭
サバ
さめ・ふか
さわら
しじみ
シラウオ
しろぐじ(白甘鯛)
スミイカ
鯛
タコ
たら
トコブシ
トリガイ
生ウニ
なまこ
にべ
ばいがい
はたはた
はまぐり
ひお(氷魚)
ヒシガニ(メス)
ヒラメ
フグ
ブリ
ぼら
マイワシ
マグロ
マナガツオ
松葉ガニ
ミルガイ
むつ
紋甲イカ
うずら
鴨
鯉
子持ちブナ
すずめ
すっぽん
ひがい
もろこ
わかさぎ
野菜・果物類
青味大根
ウグイス菜
海老芋
芥子菜(からしな)
大葉ユリ根
かぶら
かんぞう
京人参
菊菜
京葱
小かぶら
子持ちかんらん(芽キャベツ)
小松菜
ゴボウ
くわい
ざくろ
サツマイモ
里芋
ざぼん
さわらび
じんばそう
すだち
せり
だいこん
だいだい
ちしゃとう
つくねいも
ちょろぎ
つくし
ながいも
なめたけ
ねぎ
はくさい
ふきのとう
ふゆいちご
ブロッコリー
ほうれん草
干し柿
堀川ゴボウ
ぽんかん
丸大根
みかん
みずな
みぶな
めいも
めかんぞう
めねぎ
やつがしら
やまといも
りんご
レンコン
わけぎ
1月の異称、別名、呼び方
睦月(むつき)
太郎月(たろうづき)
新春
子日月(ねのひづき)
年端月(としはづき)
早緑月(さみどりづき)
孟春(もうしゅん)
1月の行事
1/1 元日・元旦
元日とは1月1日の事。1日の全時間帯、
元旦は元日の朝・夜明け・日の出頃の事。
元旦の「
1/2 初荷・書初め・皇居一般参賀
年が明けて、初めて毛筆で一年の抱負や目標をしたためるもの。
「吉書」とも呼ばれ、恵方に向かって、
正式には、
1/4 仕事始め
1/6 小寒
1月5日頃および大寒までの期間。
寒風と降雪の時節で、
1/7 七日正月・人日
1月は1日の元日を別格とし、7日の人日を五節句に入れている。
*七草粥の春の七草:せり・なずな・ごぎょう・はこべら・
中国では正月1日に鶏、2日に狗(
その日が晴天ならば吉、
1/5~ 寒の入り
1/10 十日戎(えびす)
1/11 鏡開き
年神様に供えた鏡餅を雑煮やおしるこにして食べ、
元々は鎧などの具足と一緒に供えた餅を雑煮にして食べる「
なので「切る」
1/15 成人の日・小正月
成人の日は、
女性は振袖、
小正月
元日を大正月というのに対して呼んだ名。
関西では小正月までを松の内とすし、年神様や先祖を迎える行事を行う大正月に対して、
大正月には門松を飾るが、
1/中旬 大相撲初場所
1/20 骨正月・二十日正月
1/20 大寒
1月20日頃および立春までの期間。
冬の季節の最後の節気で、寒さがさらに厳しくなり、
小寒から立春までの30日間を「寒の内」
寒稽古など、
1/25 初天神
1月の風情
初日の出
年賀
初詣
若水
大福茶
祝箸
祝肴
お節料理
屠蘇
雑煮
年玉
門松
注連(しめ)飾り
鏡餅
餅花
松の内
初釜
結び柳
羽子板
凧揚げ
手鞠
独楽(こま)
歌留多(かるた)
福笑い
初商い
新年大売出し
新年会
福袋
七草粥
楪(ゆずりは)
破魔矢
絵馬
宝船
熨斗(のし)
初夢
獅子舞
水仙
福寿草
歯朶(しだ)
山焼き
野焼き
どんど焼き
小正月に行う火の祭。
「
冴ゆる
月凍る
凍てつく
春待つ
日脚伸ぶ
吹雪
寒の水
寒の水
寒中に汲んだ水。冬の季語。小寒と大寒の期間を”寒”といい、この時期に汲まれた水が「寒の水」です。
一年で一番寒いと言われるこの時期の水は質が最も良く、柔らかな味でいつまでも腐ることなく、保存出来るといわれました。
寒さの厳しい時期ですので、雑菌の繁殖が抑えられるため、寒の時期に作られた味噌や醤油、酒は「寒仕込み」と呼ばれ、この仕込みに欠かせないものが寒の水です。
いつまでも腐ることのない良質な寒の水は、長期保存の必要な味噌や醤油の製造に適しています。またその柔らかな味わいが酒の味を良くするとも考えられています。