10月の味暦
晩秋の味
10月になると、秋も深まって木々は紅葉し肌寒くなり、時には冬の気配も感じられるようになりますので、越冬の準備も必要になります。
料理も夏・秋の名残の雰囲気を大切にするように、献立に心を配ります。すなわち、夏から秋にかけての材料と旬のきのこ類で献立をつくり、夏からの材料に対してのしばしの別れという名残を惜しむ心から、冬になって旬を迎える材料(10月に出回りだしていても)を使ってはならないという不文律があります。
晩秋とは、陰暦の9月のことで、陽暦では10月になりますが、10月8日頃にせ節季の一つである寒露が訪れます。この頃になると明け方に降りた露が寒さのために、まさに凍結しそうな気配を見せ、吐く息が白く見えてくるのもこの頃ですね。
体育の日(10月10日)を中心に各地で運動会が行われ、多くの人は冬服となりますが、寒い地方では暖房に火が入れられて、衣食住すべてに寒さへの準備をしなければなりません。そして11月7日頃に24節季の立冬を迎えることになります。寒露から立冬の前日までが晩秋の期間となります。
食材としては、夏の名残りの背の青い鰯、鯖、鯵、戻り鰹に鱧や穴子を主体に使って、なるべく鯛やアマダイ・マナガツオ・いとより等の魚は使わないようにし、野菜も冬に入って旬を迎える海老芋や蕪・大根・水菜・白菜などは11月になると、不思議なくらい柔らかくなって良い味になりますから、それまでは使わずにおいて、秋の味覚の代表であるきのこと名残りの野菜類で料理をまとめるようにします。
初冬に引き継ぐ晩秋期には、日本人の持っている無常観が際立つ季節。したがって、10月はあくまでも、ものの哀れを心にとめ、静かな美を楽しむ雰囲気を作る気持が大切ですので、10月の盛り付けには華やかさを盛り込まず、色調も渋くまとめるように心がけましょう。
その反動として、11月の初冬には、思い切り華やかに盛り付けができるように、献立にも色彩の美に心を配ることが大切になります。
晩秋の旬暦
旬の食材
魚貝類・肉類
赤貝
鯵
穴子
アマダイ
いいだこ
いせえび
いぼだい
おこぜ
うるか(魚腸の塩辛・酒盗など)
かます
かれい
きす
車エビ
このしろ
さけ
秋刀魚
鯖
しろぐじ(白甘鯛)
すじこ(筋子・いくら)
すみいか
たい
太刀魚
とこぶし
はまぐり
はまち
はぜ
はも
ひしがにメス
ひらめ
まいわし
まながつお
みるがい
あまご
もんごういか
おちあゆ
あゆうるか
すっぽん
野菜・果物類
あけび
いとうり
えのきだけ
貝割菜
かぼす
かぼちゃ
京葱
銀杏
栗
くわい
こうたけ(香茸・皮茸)
小蕪
ごぼう
さつまいも
里芋
椎茸
すだち
ちしゃ
とうがらし
冬瓜
長芋
茄子
葱
白菜
葉紫蘇
初茸
ほうれん草
松茸
実紫蘇
実柚子
茗荷
むかご
やまのいも
ゆりね
れんこん
わけぎ
いちじく
柿
ざくろ
10月の異称、別名、呼び方
神無月
時雨月(しぐれづき)
小春月(こはるづき)
初霜月(はつしもづき)
初冬(しょとう)
神無月の別名
醸成月(かみなんづき): 新穀で新酒を醸す月
神嘗月(かんなめづき): 新嘗(にいなめ)の準備をする月
神な月(かみなづき):「神の月」の意
雷無月(かみなしづき):雷のない月
一般には、
英語での月名、October は、ラテン語表記に同じで「第8の」
10月の行事
10/1~ 共同募金
10/4 京都北野天満宮ずいき祭
10月最初の亥の日 亥の子餅
10/8 寒露(かんろ)・長崎おくんち
10月8日頃および霜降(そうこう)
寒露とは、
10/10 体育の日・目の愛護デー
「スポーツに親しみ、健康な心身を培う」為の国民の祝日。
10/16 伊勢神宮神嘗祭
10/19 東京日本橋べったら市
10/20 誓文払
10/22 平安神宮時代祭・鞍馬寺火祭
10/23 霜降(そうこう)
10月23日頃および立冬までの期間。寒露から数えて15日目頃。
10/中旬 旧歴9/13 十三夜
旧暦の9月13日、新暦では10月の中・下旬。十五夜を中秋の名月と呼ぶのに対し、
旧暦の毎月13日の夜を「十三夜」と言っていたが、
10/下旬 プロ野球日本シリーズ
各地で開催 秋祭・火祭
10月の風情
秋晴れ
秋深し
赤い羽根
馬肥ゆる
豆名月
栗名月
名残りの月
女名月
姥月(うばづき)
紅葉狩り
運動会
秋の夜長
秋の野遊び
夜なべ
名残の茶事
野山の錦
紅葉
一般に落葉樹のものが有名であり、
赤色に変わるのを「
砧(きぬた)
鹿の角切り
稲架(はさ)
新藁
雁
芸術祭
稲刈
刈田
俵編
籾摺(もみすり)
衣被(きぬかつぎ)
米粉の団子
新米
零余子飯(むかごめし)
芋煮会
菊膾
柚餅子(ゆべし)
柚味噌
新蕎麦
赤とんぼ
「夕焼け小焼けの赤とんぼ」は三木露風作詞、山田耕筰作曲、
赤とんぼの正式な名前は「アキアカネ(秋茜)」と言い、アキアカネは暑さに弱いため、6~7月羽化し、
何千、
松茸飯
きりたんぽ
古酒
ぼらの子
うるか
鮭打ち
蜂の子
鶉
柿羊羹
萩刈る
萱(かや){芒(すすき)、菅(すげ)、茅(かや)}刈る
蘆刈(あしかり)
葦火(あしび)
竜胆(りんどう)
楓
鳶(とび)