11月の味暦
初冬の味
11月になると西日本でも紅葉から落ち葉となり、さらに、気湿が下がって霜が降りるようになると、大根や蕪の味も、葱も種々の青菜もおいしくなります。早くから出回りだしていた柿も、ここにきて一段と優れた色艶と味を持つようになり、各地から続々と出荷されます。
「旬」とは初旬、中旬、下旬というように、十日という意味で、柿をおいしく買い求めて食べられるのは十日間で、それを過ぎると柔らかくなって味が落ちてしまいます。このことからも、旬の食べ頃をよく知る必要があると思います。
初冬とは、陰暦の10月のことで、陽暦では11月になりますが、11月8日頃に24節季の一つである立冬が訪れます。冬の気配が立ち始めるので立冬といいますが、関東以西では冬とは思えない小春日和の日々も多く、北海道からは初雪、初氷の便りが届くのもこの頃です。
下旬には、西日本でも朝晩の寒気が強くなりますので行きかう人々のコート姿が目立つようになり、市場では、夏、秋にかけての材料は途絶えて、冬に続いていく食材が本格的に入荷量を増やします。
12月7日頃に24節季の大雪を迎えますが、立冬から大雪の前日までが初冬の期間です。
10月は初夏から使い親しんだ食材への名残を惜しむ月であり、茄子や瓜類、豆類、松茸、鯵、鱧、鱸などは10月までで終え、11月からは冬に続いていく材料で献立を作ります。
天高く馬肥ゆるの言葉があるように、魚、鳥の類も、越冬に備え、いずれも脂肪を蓄積して味を増しますので、鯛、鮃、鰤、まながつお、甘鯛、解禁の蟹、種々の貝類などと、大根に蕪、えび芋、青菜のいろいろ、しめじ、椎茸などの茸類で、大きな季節の分かれ目に従って、華やかな献立の料理作りを楽しみます。
初冬の旬暦
旬の食材
魚貝類・肉類
赤貝
穴子
甘エビ
甘鯛
あんこう
伊勢海老
おこぜ
貝柱
牡蠣
かます
かじきまぐろ
からすみ
かれい
車エビ
このしろ
こもちはぜ
さいまきえび(鞘巻海老)
さけ
さば
さわら
しろぐじ
すみいか
たい
たこ
太刀魚
たら
常節
なまうに
はまぐり
はまち
ひしがにメス
ひらめ
ふぐ
ぶり
まいわし
まぐろ
マナガツオ
まつばがに
みるがい
もんごういか
うずら
鴨
鯉
すずめ
すっぽん
しじみ
ひがい
野菜・果物類
青味大根
うぐいすな
榎茸
えびいも
大葉ゆりね
柿
柿は日本原産の果物と言われ、
縄文、
しかし、
かぶら
かぼす
南瓜
からしな
かんぞう
きくな
きゃべつ
きゆず
京人参
きょうねぎ
ぎんなん
くり
くわい
こうたけ
こかぶら
ごぼう
さつまいも
さかもとぎく(坂本菊)
ざくろ(石榴)
里芋
しいたけ
しめじたけ
すだち
せり
大根
だいだい
ちしゃ
つくねいも(捏芋)
長芋
なめこだけ
ねぎ
白菜
ほうれん草
ほりかわごぼう
みかん
みずな
みぶな
芽葱
やつがしら
やまといも
れんこん
わけぎ
11月の異称、別名、呼び方
霜月
雪待月(ゆきまちづき)
神帰月(かんきづき)
神楽月(かぐらづき)
子月(ねづき)
霜見月(しもみづき)
仲冬(ちゅうとう)
「霜月」
英語での月名、Novemberは、「
11月の行事
11/1 新米穀年度
11/3 文化の日・伏見稲荷城南宮曲水の宴・唐津おくんち
11月3日は「自由と平和を愛し、文化の進展を祝う日」
・菊花章 (大勲位菊花大綬章)国の功労者に授けられる最高の栄誉
・旭日章 国に功労のあった男性
・宝冠章 国に功労のあった女性
・瑞宝章 社会・公共に功労のあった人
・文化勲章 科学・芸術など文化に貢献した人
・紅綬褒章 人命を救助した人
・緑綬褒章 道徳的行為・実業精励の模範の人
・藍綬褒章 社会福祉・教育・地方自治などの公益に貢献した人
・紺綬褒章 公共のために私財を寄付した人
・紫綬褒章 学術・芸術の分野で発明改良創作の発展に寄与した人
・黄綬褒章 業務に精励した人
11/7 立冬
11/9 太陽暦採用記念日
11/中旬 火災予防週間・農業祭
11/14 京都嵐山もみじ祭
11/15 七五三
子どもが無事に成長した事をお祝いする家庭行事の一つ。
・三歳の男女 髪をのばし始める「髪置き」
・五歳の男子 初めてはかまをつける「袴着(はかまぎ)」
・七歳の女子 帯をつかい始める「帯解き」
また、七五三と言えば千歳飴だが、この由来には二つの説があり、一つは元禄の頃、浅草で飴売りの七兵衛が紅白の棒状の飴を「
もう一つは、
11/酉の日に 酉の市
大相撲11月福岡場所
11/下旬 十日夜(とうかんや)・旧亥の子餅・炉開き
11/23 勤労感謝の日・小雪
働く事を喜び、
戦前は「新嘗祭(
11月の風情
木枯らし1号
初霜
小春日和
時雨
冬めく
秋収め
新藁
藁塚
俵編み
夜なべ
砧
萱刈る
鮭打ち
紅葉の賀
紅葉狩り
新米
新蕎麦
柚味噌
零余子
きりたんぽ
栗羊羹
うるか
新からすみ
葛掘る
木の実
柿紅葉
銀杏紅葉
侘助(わびすけ)
山茶花(さざんか)
口切りの茶
落ち葉
吹き寄せ
初雪
冬衣
襟巻