日本には昔から伝わる、月の異名があります。それらの読み方と、なぜそのような名前なのかを解説します。
旧暦や新暦って違いもあるので、その月の意味にあてはまらない場合もあります。
睦月 むつき
親類、知人が仲睦まじく集う月であるから、という説が有力。
如月 きさらぎ
着物をさらにたくさん重ね着する「衣更着」に由来するとされています。
弥生 やよい
「草木弥生月」を略した言葉で、“ますます”とか“いよいよ”を意味する弥と、“生い茂る”意味を持つ生が合体したもの。多くの生物が生長する頃なので、このように名づけられました。
卯月 うづき
文字通り卯の花(アジサイ科の落葉低木で白い花を咲かせる)が咲く頃ということから名づけられたという説が一般的です。
また、卯月のうが初産の意味があることから、1年の初めを表すという説や、卯が十二支の順番で四番目に位置するためという説もあります。
皐月 さつき
雨期に入り、田植えが始まる頃なので「早苗月」「小苗月」が略されたという説。
「五月雨月」からきているなど諸説がありますが、農事と密接な「早苗月」が有力といわれています。
水無月 みなづき
新暦6月は梅雨の時期ですが、旧暦では梅雨が明け、暑さで水が涸れる月ということで、「水無月」と呼ばれています。
これは、田植えの仕事が終わったという意味での「皆仕尽」あるいは、田んぼに水が張られている状態「水月」変化したものとも言われています。
文月 ふみづき
七夕行事にちなみ、短冊に詩詩などの文を書き、書道の上達を祈ったことに由来するとされています。
また、稲穂が大きく育つ頃なので、「含月」が「ふみづき」に転じたとも言われています。
葉月 はづき
葉が繁るときという意味ではなく、葉が散り始める頃を迎えるということからきています。
また、稲穂が張る月であることから、「張り月」が転じて「葉月」になったという説もあります。
長月 ながつき
「夜長月」が語源とされています。一方、この時期は稲の収穫期でもあることから、「稲刈月」「稲熟(いねあがり)月」ともいわれ、これが転じて「長月」になったという説もあります。
神無月 かんなづき
男女の縁結びについて相談するために諸国の神々が出雲大社に集まり、国元を留守にするので「神無月」と言われています。
ただし、出雲大社では神々が集まる月になるところから「神在月」と呼ばれます。
また、伊勢神宮で行われる皇室の例大祭、神嘗祭(その年にとれた新米を奉納し、感謝する行事)が行われる月なので「神嘗月」「神祭月」、新穀で酒を醸(かも)す月にあたることから「醸成月」、雷が鳴らなくなる月なので「雷なし月」と諸説あります。
霜月 しもつき
本格的な冬を迎え、霜が降りる頃ということで「霜月」と呼ばれます。
師走 しわす
年末で皆忙しく、普段走らない師匠(僧侶)さえも忙しく走り回る月だからという解釈が一般的なようです。