女性や高齢者に多い冷え性を改善するために食事を見直し、身体を温める食べ物や血液の循環を良くするための食生活をお伝えします。
冷え“性”と冷え“症”と低体温症の違いを知っていますか?
意外に知られていない事です。
冷え性
自覚症状や体質のことです。手足や腰などが常に冷たいと感じる症状です。
冷え症
病気としての症状です。身体の特定の部分のみ冷たく感じます。
冷え症の原因
自律神経失調症による血管運動神経障害で、血行障害のために冷たく感じます。つまり血管が細くなり、血液が体中に行き渡らなくなるため、耐え難い冷たさを感じます。
高齢者に多くなる症状でもあり、後天的な要素で生活に支障をきたします。
冷え症の種類
- 身体全体
- 手足の先
- 上半身
- 下半身
- 腰、背中の一部
このようなタイプに分かれます。
冷え症の改善法
血流や代謝の低下ですので、食事生活の改善や運動をすることが大切です。漢方なども効果がありますが、極端な治療は避けて、徐々に改善していくことで、冷え症を治します。
ストレスなどが原因の場合もあります。
低体温症
低体温症はいわば体の中枢の冷えです。
冷え性、冷え症の場合、体温を計っても正常な場合は多いですが、低体温症は“深部体温”が低いため、本来37度くらいの深部体温が35度以下になってしまうことです。
わきの下や耳などで測定する“体温”は、深部体温に近く、つまり内臓の温度がわきの下や耳など、体の表面に伝わっている温度です。
深部体温(直腸温)と、わきの下で計る温度=腋窩温(えきかおん)との差は1度とされているので、わきの下で計った温度が36度なら、体内温度は1度低い35度となります。ですので一般的に体温計で測って35度台であれば、「低体温」です。
低体温症の原因
アルコールを飲んだり、低血糖発作を起こした場合になりやすいです。
その他、運動不足、朝食を食べない、ストレスなどの日常生活や甲状腺機能低下症という病気でも起こります。ひどい場合、温かい毛布などにくるんで暖める必要もあります。
ちなみに低体温症による死を“凍死”と呼びます。規則正しい生活を送ることで改善することもあります。
ではこれらをもとに改善法を考えてみましょう。
”冷え”の原因を予防する
食材には『身体を温める食材』と『身体を冷やす食材』があります。
野菜の効果
野菜に含まれるビタミンCやビタミンEは効果があると言われ、
<ビタミンC>血液の主要な材料である鉄分の吸収の促進、毛細血管の機能を保持する働きがあります。
<ビタミンE>血行を良くする働きと体内ホルモン分泌を調節します。
夏野菜はよくない?冬野菜は良い?
ビタミンCを含む果物やビタミンEを含む穀類や豆なども身体を温める食べ物です。
夏野菜は良くないと言われる理由の一つとしては、生で食べるという習慣が広まったためで、キュウリなど生で食べなければよいだけの話です。
身体を温める食材の代表例
- 生姜(ショウガ)
- 葱(ネギ)
- 唐辛子(とうがらし)
新陳代謝を促進する:ねぎ、にら、玉ねぎ、
ビタミンEを含む:かぼちゃ、ホウレンソウ
利尿効果の高い:山芋やゴボウ(体に余分な水分が溜まっていると身体を冷やす原因になります)
ほとんどは生の状態では野菜の性質に関係なく体を冷やしてしまう恐れがあるので気を付けてください。
身体を冷やす食材:きゅうり、ナス、もやし、瓜系(ゴーヤ、冬瓜など)
身体を温める食材の見分け方
地面より下の(土に入って育つ)野菜は身体を温めます。ゴボウ、人参、大根など、、、根菜類は地下でエネルギーを蓄えているため、冷え性に効果ありです。
地面より上で育つ野菜は、胡瓜やナスなど、身体を冷やす野菜が多いです。
野菜以外の食材では、温かいお茶、少量のお酒、味噌、もち米など発酵食品を使うのも効果ありです。
ビタミン・ミネラルの多い黒砂糖・玄米・全粒粉パンも栄養のバランスが取れて良いでしょう。
その他のポイント
- 赤や黒など暖色の野菜や果物
- 柔らかい食材より固いものが良い
- 水分の多いものは身体を冷やす
- 冬に収穫される野菜は、身体を温める野菜が多い
血液をサラサラにする食事のポイント
いくら温かい食事で体をぽかぽかにしても、血液がドロドロでは、手足まで血は行き届きません。
生野菜を食べて血液をサラサラにする。
上記で、生の野菜は身体を冷やす恐れがあると言いましたが、ここでは逆のことを言っています。身体を冷やさない食事も大切ですが、生野菜で血液をサラサラにすることで、結果的に体を温めるのです。
結局、煮物など加熱した料理では、血液がサラサラにならないですし、煮たり焼くことで野菜の栄養が壊れてしまいます。生野菜の水分と栄養でサラサラの血液を作ることができます。
ここで生野菜を食べるコツですが、
常温で食べる
常温にすることで、身体を冷やさず食べることができます。
よく噛んで食べる
生野菜は消化に悪いと言われますが、よく噛むことでより消化されやすくなります。
季節の野菜を食べる
今は年中野菜も出回りますが、季節の野菜はその時期はとても栄養豊富でエネルギーたっぷりです。
その他血液をサラサラに食品例
- 日本で採れる温帯産の果物
- 種子・ナッツ・緑黄色野菜
- 海藻類
一日3食をやめる
身体の消化活動の観点から、例えば、お肉や穀物を消化するのに、丸一日もの時間をかけて消化するため、食べる時間にも気を付けてみましょう。
朝・昼・晩と一日中、内臓が働き続けることで、内臓ばかりに血液が集中し、手足の先まで届く血液が少なくなってしまいます。
つまり、一日を通して、食事をしていると内臓が疲れて、身体に必要なモノ、必要ではないものの分別が難しくなり、結果、血液中にも必要のないものが混ざりやすくなり、ドロドロになる原因になってしまいます。
ではどのようにすれば良いのかと言うと、身体の構造は
- 朝4:00~12:00 <排泄>
- 12:00~20:00 <消化>
- 20:00~04:00 <吸収>
という3つに分かれるため、朝はなるべく、フルーツや野菜ジュースなどを食べることで、排泄を意識し、できるだけ体の中にたまった悪いものをたくさん出していきます。
日中の消化活動が活発な時間に食事をしっかりとることで、消化の効率を上げます。
目安として、野菜7割、肉・魚を3割で取り入れると理想的です。あと食べる順番として、生野菜から順番に食べると消化効率が上がり、身体が冷えにくいです。
<消化時間>の順番:果物 ⇒野菜 ⇒炭水化物 ⇒タンパク質の順で食べましょう。
夜8時以降は、内臓を休ませるため、できるだけ何も食べないか、またはフルーツなどで済ませるようにしましょう。ここの時間帯で古くなった細胞と、新しい細胞を入れ替え、身体を修復し作っていきます。
以下にそれぞれの消化時間の目安がありますので参考にしてください。
<消化時間>
- 果物 20~30分
- 野菜 1時間~2時間
- 炭水化物 8時間~12時間
- タンパク質 10時間~24時間
まとめ
身体を温めるからと言って、そればっかり食べずにバランスの良い食事を心がけてください。そして、食品添加物をなるべく避けることで、内臓にも負担が無くなり血液もキレイになり、血流も良くなります。
調味料も、日本に昔からある
- しょうゆ
- 味噌
- 酢
- 塩
など無添加で、身体に良いモノを選んで使うことをお勧めします。
海外では、身体を温めるのにショウガ、ココナッツオイル、緑茶などをおすすめしている方も多く、飲み物では、
- Classic Homemade Hot Cocoa
- Hot Buttered Rum
- Chai
- White Spiced Coffee
- Creamy Turmeric Tea
これらが身体を温めると言われています。