レストランの“どこでもドア”
飲食店の入り口は、かなり重要です。特に初めて入るお店は、入り口次第で入るか入らないか決まってしまいます。
あなたも経験あるでしょうが、高級レストランやおしゃれなバーに行きたいと思っていても、扉が重厚で、威圧感があり、どんな店なのかわかりづらい場合、入るのを躊躇(ちゅうちょ)します。逆に、マクドナルドやスターバックスなどは、入り口が開放的で、だれでも入りやすいですね。
お店の形態、客層によっても飲食店の入り口はさまざまです。
そこで、どのような入り口があるのか?どのように工夫できるのかを考えてみたいと思います。
そもそも入り口の扉は必要なのか?
一般的な傾向として見られるのが、安い大衆的な店ほど、入り口のドアが自動扉、ガラス張りで店内が良く見える、フードコートや出前・宅配専門店などはそもそもドア自体がなかったりします。
やはり、入り口と言うのは、お客さんにとって“一つの壁”であり、店とお客さんとのファーストコンタクトの壁が、入り口のドアになります。
店内が見えて、入りやすければ入りやすいほど、心理的障壁も薄いですし、ドアがぶ厚くて重たいほど、お客さんとお店との壁も厚いです。
そして、ある意味ドアがあるお店は、その扉の奥にある世界に見たことのない景色を想像させるような期待を持たせるドラえもんの道具の“どこでもドア”と同じワクワク感をお客さんに持たせる効果があります。
「どんなお店なんだろう?」と期待を抱かせることができるのもレストランの入り口の“扉”の重要な役目です。
お店の入り口について考えること
お店のドアがない場合 2つのパターン
飲食店で入り口のドアが無い場合、考えられる2つの形態があります。
一つは、【フードコートなど大衆的で、客単価の低い店】
もう一つは、【ホテルの超高級レストランや懐石料理屋】です。
前者は想像しやすいと思いますが、デパートにある店や入り口は開放的で、暖簾(のれん)だけのお店、ファーストフード店、お持ち帰りやデリバリー専門店などです。
「早い」「安い」を売りにしているお店は、入り口が無かったり、たとえあっても、かなり開放的で、ガラス張りなどで店内が見渡せ、誰でも気軽に店内に入ることができ、店内に入ったとしても、メニューを見て食べたくなかったら買わずに出て行っても何も言われないようなお店です。
お客さんにとっては、精神的にかなり安心ですし、気軽に訪れることができます。またそのようなお店は、客層も幅広く、どんな人でも入りやすいという特徴があります。
人通りが多い場所では、扉のないお店は、気軽に入りやすく、お客さんの最初の一歩の壁を難なくクリアすることができるでしょう。
後者の、【超高級レストランや懐石料理屋】ですが、「扉がない場合ってあるの?」と思うかもしれませんが、
実際、街中の個人店ではあまり見かけることはないですが、老舗懐石料理屋やホテルの高級レストランは入り口が無い場合もあります。
例えば、政治家が行くようなイメージの懐石料理屋は、最初から入り口が開け放たれている場合が多いです。また、高級ホテルの中のレストランは、ホテル自体が“レストランに入る入り口の一つ”という捉え方もでき、
どちらの場合も、「入り口が無い」というより、レストラン・お店の入っている“テリトリー内に入るまで”に、結構勇気が必要な場合が多いです。
またエレベーターに乗ってしか行けない場所にあったりして、ある意味、入り口のドアという概念が変化している場合もあります。
懐石料理屋では、神社の境内に入るような身を引き締めて訪れる場所でもあり、ホテルの場合、中に入るだけでもある程度の身なりを意識してしまいます。
つまり、営業時間内は開放的に見えますが、それ以外は閉鎖的に見え、入り口が無いというより、そのお店の入っているテリトリーに入るまでに、何かしらの資格(事前予約・ドレスコード・紹介制・会員制)が必要な場合が多かったりします。
視覚で認識できる大きな壁は見えませんが、心理的に、目に見えない重厚で高い壁があるのが老舗懐石料理屋やホテルの高級レストランの入り口です。
これが、入り口のドアがない飲食店の2つのパターンです。
★入り口の種類
<自動ドア・手動ドア>
<素材・デザイン>
<右開き、左開き、観音開き(両開き)、回転式、押し引きなど>
<ドアノブの種類>
<ドアノブの温度>
<ドアの数>
<高さ・厚さ・重さ>
★入り口の周りについて
<周りの商圏(住宅街・繁華街・デパートなど)>
<扉からレジの距離>
<席につくまでの距離>
<真正面にあるもの(入った直後の風景)>
★その他の要因
<入り口の角度>
<チャイム・鈴(入店の知らせ)>
<入り口の数>
<スタッフの配置・対応>
これらについては、こちらで解説しています。http://wp.me/p5jaMO-bS