3つの塩

普段私たちが使っている塩にも色々な種類があって、メーカーからもたくさんの塩が売られていますが、ちゃんとした”塩”の定義を知らない人は意外に多いです。食塩として市販されている塩には大きく分けて3種類あります。

1:「自然塩」「あら塩」とも呼ばれる“にがり成分を多く含んだ塩”

2:「食塩」“海水を濃縮して作った塩”

3:「食卓塩」溶解して不純物を取り除いた“輸入塩”

順番に解説していきます。

1:「自然塩」「あら塩」とも呼ばれる“にがり成分を多く含んだ塩”

この塩の一番の特徴は“にがり”と呼ばれる塩化マグネシウムが入っていることです。その他、硫酸ソーダ、硫酸カルシウムなどが含まれています。

★硫酸ソーダは硫酸ナトリウムとも呼ばれ、温泉の含有物質として代表的です。

★硫酸カルシウムはカルシウムの硫酸塩で石膏の主成分でもあります。

製塩のときに海水を濃縮するときに最初に出てくるのが炭酸カルシウムと”硫酸カルシウム”です。 一般的に食塩には吸湿性があるが、にがりは特に湿気を取りやすいので漬物塩はしけて固まりやすいです。

2:“海水を濃縮して作った塩”(食塩など)

これは濾過した海水を電気解析により濃縮、煮詰めて作ったもの(イオン交換膜製法という)で、にがりはできるだけ取り除いてあります。

3つの中で塩化ナトリウムの純度が一番高いです。

3:溶解して不純物を取り除いた“輸入塩”(食卓塩)

特徴は、食卓においてもしけないように湿気を防ぐために、にがりを取り除いたり、炭酸マグネシウムや炭酸カルシウムなどを使い流動性を高めています。

 

まとめ

(1)のあら塩は

少量の苦みがあるので、調味料として使う場合に味に丸みや深みをつける事ができます。

(2)の食塩や(3)の食卓塩は

べとつかないが、ミネラルがほとんどないのでうま味がなく、漬物はとがった感じの塩味に漬かり、アサリの塩出しも十分に塩を吐きません。

ニガリ成分は体にいいといわれ、主成分の塩化マグネシウムは脳卒中を防ぐ働きがありますが、名前の通り”苦み”を持っているので塩に添加できるのは少量に限られます。あと、にがりが身体にいいからと言って塩をたくさん摂取するのは逆に良くありません。

結局、ミネラルは塩からではなく、野菜、果物、海藻なども含めて、とるのがいいです。