ちょっと前の話になりますが、食品成分表の全面改訂が2020年に行われました。5年ぶりです。
全部で2478食品あります。
変更点の中でも特に注目すべきは、【エネルギー(カロリー)値の算出方法】の変更です。
計算方法が変わり、より正確な値が算出されるようになりました。
*タンパク質、炭水化物、脂質それぞれエネルギーの算出方法は異なり、ややこしく長くなるので詳しくは書きません。
その変更によりエネルギー値は、今までの食品成分表よりも平均値で約10%低い値になっています。(キノコ類、藻類では増加している)
エネルギー変動値は大きいもので、なんと100kcal(キロカロリー)の増減があります。
ダイエットとか、食事制限している方にとっては重大問題です。
最も増減した食品No1は、
+115kcal ピュアココア
-114kcal せん茶(茶葉)
その他よく使われる食材では、
-36kcal お米
-9.7kcal 鶏卵
などの変更があります。
細かい成分値も変更されているので要チェックです。
面白い部分では、【カップラーメンの汁を飲まない場合】の成分値などもあります。
また調理済み食品は、例えば和風料理では、
煮物だけでも
- 卯の花炒り
- 親子丼の具
- 牛飯の具
- 切り干し大根の煮物
- きんぴらごぼう
- 筑前煮
- 肉じゃが
- ひじきの炒め煮など
洋風料理では、カレーは、
- チキンカレー
- ビーフカレー
- ポークカレー
コロッケは、
- かにクリームコロッケ
- コーンクリームコロッケ
- ポテトコロッケ
ハンバーグステーキは、
- 合びきハンバーグ
- チキンハンバーグ
- 豆腐ハンバーグ
フライは、
- いかフライ
- えびフライ
- メンチカツなど
中国料理では、点心は、
- 餃子
- しゅうまい
- 中華ちまき
その他
- 酢豚
- 八宝菜
- 麻婆豆腐
などなど、いかに日本が調理済み(加工)食品大国なのかがわかります(笑)
各メーカーや調理方法に差はあれど、あるていど目安としてでも栄養素を出してくれてくれているのは、かなりありがたいです。
専門機関でない限り、細かい栄養素を計ることなんてできません。
お金を払ってお願いもできますが、例えば、個人ブランドで食品一品の簡単な栄養素を知るだけでも数万~数十万円は軽く必要です。
そしてこれらの改訂があったことからも、【日本人の食事摂取基準】も2020年版に改訂されています。
- ビタミンDの目安量が多くなっている
- ナトリウムの食塩相当量の目標量が下がっている
- 飽和脂肪酸の目標量の上限設定されている
などの変更もあります。
ということで、今後は、この新バージョンが世の中のベースとなるので、時代に乗り遅れないようにしましょう。
まとめ 【日本食品標準成分表 2020年版からの変更点】
- エネルギー値の算出方法の変更
- 新しく調理済み食品を追加し、調理による重量や成分の変化を詳細に記録
- 伝統食品や地域性の高い食品を追加
- 食品をさらに細分化
- 各成分の収載を充実化
- 食品成分の変化に応じた(減塩化など)再分析の実施
- 食物繊維は水溶性、不溶性、総量を記載
- アルコールの数値が項目として追加
改訂についてもっと詳しく知りたい方はこちら(PDF)
https://www.mext.go.jp/content/20201225-mxt_kagsei-mext_00432_01.pdf
新しい2020年度版、食品成分表ダウンロードはこちら(文部科学省のサイト)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html