間違った日本料理

海外に住んでい和食の世界を見ていると、本当にメチャクチャな料理をしている人がたくさんいる事がわかります。

理由はなんとなくわかりますが、伝言ゲームのように、始めはちゃんと基礎を学んだ日本料理人から料理を教わる人がいるのですが、その人が独自にアレンジした日本料理を、その後輩が受け継ぐ。

そしてその後輩がさらにアレンジしたものを次の世代が受け継ぐ。

この繰り返しで、気がつくと日本料理とはかけ離れた料理が出来上がっていることがあります。

私は特に「和食」「日本料理」がこれだ!と主張するつもりはありません。でも、最近も、海外で和食レストランの料理長をしている人と知り合う機会があり、たまたま料理しているところを見たのですが、

、、、

「めちゃくちゃ面白い調理法してる!!」

「やべぇ、スゴイ斬新、、、」

「いや、あきらかに教えたやつ間違ってるだろ」

みたいなことを平然としていたので、かなりビビりました。いや、いいんです。やり方は人それぞれなので。

それなりに仕上がりは和食になっています。でも味は、まあまあ。と思いきや、意外や意外、日本食を食べ慣れていない外国人は大絶賛なのです。

「え、これが美味しいんだ、、、」

そんなギャップを感じながら、結局はお客さんが喜べばいい、という解決策もありますが、それは私としては、やっぱり少し違います。

でも、その違いが分かっているのって、何十人もいるその場で私だけなんです。

変な和食を作っていることに気がつかない人がほぼ全員です。それもなかなか面白いなと思いました。

当たり前ですが、日本人でも日本料理の基本は知らないです。ちゃんと習わないとわかりません。そんなもんです。

でも私は違和感ダラケなので、「なんでこんなやりかたなんだろう、なぜだ、なぜだ」と思考を巡らせます。

結局、あきらかに間違っている調理法なのですが、その作り手にとっては常識なのです。

でも例えば私がイタリアンを作るとして、もしかしたらイタリアンのプロから見たら、私の調理法はどえらい変なことをしている可能性はあります。

、、、

という出来事があり、つくづく、人に教えるのって難しいよな~と考えた日でした。

と同時に、やはりちゃんとした基礎があり、本物をわかっている人の料理はそれなりに高い金額をお客さんから頂けるというのも納得しました。

ただ、どんな料理であれ、ビジネスとして考えるのであれば結果が全て。正統な日本料理が通じない時もあります。

世界はシビアです。ぜひ海外に来て、体験してみてください。良い発見がたくさんありますよ。