歯は人生を左右する

自分の歯の管理はしっかりとしなければ、後で痛い目にあいます。昔の私は、虫歯になったら歯医者に行くというパターンの人でした。今では半年に一回必ず、歯の検査と歯石を取りに行っています。

というのも、海外(オーストラリア)で生活して、2年ほど経ったある日、突然歯が痛みだし、仕事にも集中できないので、歯医者に行くことになりました。当時、保険に入ってはいましたが、歯の治療はカバーされないタイプの保険に入っていました。

日本と違って、オーストラリアでは虫歯の治療は、早ければその日に治ります。何回も通わずに済むのですが、その時に治療したのが奥歯の3本でかなり虫歯が進行していて、神経を抜くかどうかというくらいの危ない状況でした。

で、トータル3日間だけで、完治したのですが、かかった治療費が$2400です。日本円で$1=90円と計算しても、21万6千円です!!(詐欺とかではなく保険に入っていない場合の正規の値段です)

その時は、今まで一生懸命汗水たらして、貯めたお金が一気に吹き飛び、歯は痛いし、精神的にも痛いし、財布も痛いし、「2度と歯医者に行くものか!」と決意したのを今でも覚えています。

21万円ですよ!?歯の治療3本で、、、1本治療するのに7万円かかっています。「どんだけ!? 」って思いますが、実際日本でも保険を使っていなければ、結構な値段はします。

というような経験があり、それからは、毎日フロスをして、歯磨きも食後にして、半年に一回、検査をするようになりました。半年に1回の検査も1回$150ほどしますが、それでも虫歯1本で$1000近く取られるよりかはましです。

皆さまも本当に気を付けて下さい。歯は一生の付き合いになりますし、虫歯が原因で死んだ人もいるくらい健康にも密接に関係しています。

そこで、特に味の専門家でもある料理人にとっては、命でもある大事な器官の一つでもある口、歯、味覚についても良く知っておく必要があると思います。料理人ではなくても、食事は誰しも必ず摂ります。

その際にどれだけ自分の口、歯、味覚を日ごろから大切にしているかによって、日々の生活が変わってくると言っても過言ではありません。

実は運よく、私には歯医者に勤める友人がいて、その方に詳しく聞いてきたことがあるのでので、専門家のお墨付きの情報をシェアしたいと思います。

虫歯と歯周病の知識

歯の問題には大きく分けて『虫歯』と『歯周病』がありますが、この2つは、全く違うものです。

虫歯とは何か?歯周病とはなにか?まずはそこから説明します。

虫歯は歯が溶けていくもので、歯周病は歯槽骨(しそうこつ)が溶けていくものです。歯周病は自覚症状がないまま悪化して、歯を失う病気であり、慢性的に身体も蝕まれる危険な病気です。

虫歯は解りやすいですね。

神経があるため、ある程度虫歯が進行すると痛みを伴います。進行の段階によって治療の方法を選択しますが、ひどくなると抜歯することになります。

歯槽骨は歯を支えている骨で、歯茎の下にあります。歯槽骨が溶けていく過程では痛みを伴わないため、進行が分かりにくいです。

進行すると、歯槽骨が下がり、歯茎に埋まっていた歯が少しずつ露出し、歯がしみるという症状が出ます。さらに進行すると歯を支えることができずに、歯がグラグラと揺れだし、最終的には歯が抜けてしまいます。

虫歯のない人は、たまにしか歯医者に行きません。また歯医者に行く回数が少ないと、ブラッシング指導を受けるチャンスが少なくなります。結果として歯垢が多少でも残っていれば、歯石になります。そして歯肉炎や歯周病が早期発見されにくいのです。

そして、ここからが重要です。

虫歯と歯周病のどちらの方が味覚に影響を与えるかと言うと、『歯周病』なのです。そして口臭がキツイ人は、この歯周病の方が大半です

では、味覚に影響を与える最大の原因でもある歯周病を予防するためにはどうすればよいのでしょうか?

歯周病の予防と、味覚を守るためにすること

虫歯がなりにくい人というのは、歯石ができやすい人ですが、歯石のつき方は歯の磨き方はもちろんですが、唾液の分泌量も関係してきます。唾液がたくさん出る人ほど、歯石がたまりやすく、そのため虫歯になりにくいと言われています。

では、「なぜ虫歯になりにくいか?」というと、唾液の中のカルシウムやリンのミネラル成分が、酸で溶けた歯を補修してくれるおかげです

私たちが食事したり、飲み物を飲んだり、お菓子を食べたりする度に口の中ではいつも酸性、中性、アルカリ性と変わっていきます。糖分が含まれる飲食後に酸性になった際に歯が溶けていきます。

ここで虫歯になりにくい人は唾液の量が普通の人より多いため、歯を溶かす酸性の時間を短くし、中性に変えてくれるのと、唾液のミネラル成分で溶けた歯を修復する力が強いのです。

唾液にはいろんな力があります。口臭を防ぐ役割もあります。

ちょっと下品な話になりますが、トイレを想像してください。

トイレはあれだけ匂いのキツイものをたくさん貯めているのに、なぜそこまで匂いがしないのか?

それはトイレに水がはってあるからです。便器には常に水が入っていますよね。つまり、水が臭い匂いを抑えてくれています。それが口の中でも言えるのです。

口の中でも唾液(水)が多いと、それだけ匂いを抑える効果があるのです。しかし、唾液の量が多すぎると、その分カルシウムやリンなどのミネラル成分も多いため、歯についている歯磨きで落としきれなかった歯垢(しこう)とが結合して石化し、歯石が形成されます。

一度歯石になると歯磨きでは取れずにたまっていく一方です。

唾液の量が多くなくても、ほとんどの人には歯石はできますが、唾液の量が多い人は多い分だけ歯石がつくスピードが早いのです。

唾液は臭いを抑えてはくれますが、歯石がたまって歯周病になっている方の口臭まではカバーできません。重度歯周病の方は歯茎から膿がいつも出ている状態ですので、口臭もひどいですし、食事の際に味覚も変わってきます。

虫歯と歯周病対策

口呼吸をしている人は口の中が乾燥しやすいため虫歯になりやすく、乾燥すると歯周病でなくても口臭もしてきます。食事をしたり、喋ったりするだけで、唾液が出て、咀嚼する運動で歯が磨かれるため、汚れがおちます。

じゃあ、「食事をすれば、唾液がたくさん出るから、よく食べることはいいのではないか?」という疑問が出てきます。

しかし、食べ物を食べると、食べ物の糖分が酸に変化し、歯が溶けやすく、虫歯の原因になりやすいのです。重度の虫歯の際は膿が出るため味が変わることもあります。

予防のためと言って、唾液の分泌を増やすために、梅干しなど酸っぱいものを食べる場合、食べ物自体の酸が歯を溶かしてしまいさらに虫歯になりやすくなりますのでよくはありません。たまに健康のため黒酢を毎日飲んでいるかたはいますが、実際は歯を溶かしているという現実があります。

もし食べ物で酸性の強いものを食べた場合は、酸で歯を溶かして、虫歯になってしまわないために、食後にお茶や水、牛乳などを飲んで口の中を酸性から中性に戻してあげましょう。

それでは結局、歯周病対策には、なにが良いのかと言うと、“キシリトール入りのガム”を噛むことです。

キシリトールが口の中での酸の発生を抑えてくれ、なおかつ、唾液の分泌量も増えるため歯周病になりやすい人はこの方法が良いでしょう。

もともとキシリトールと言うのは、代用糖と呼ばれるもので、いくつか種類があるのですが、代用糖は砂糖の10分の1の量で、甘味が同じだとも言われ、色々な製品に使われます。

コカコーラゼロなども、カロリーがゼロと言われるのは、この代用糖が使われているためです。

 

まとめると、虫歯になりやすい人は、毎日のフロスや歯磨き、定期的な歯のチェック

そして、歯周病になりやすい人は口内が乾燥しないように気を付け、キシリトールのガムをかんだりすると良いです。

虫歯や歯周病予防のポイント

お茶の葉には歯を強くし、フッ素や殺菌作用のあるカテキンが含まれています。

そして茶葉を発酵させてつくるウーロン茶は歯垢を取り除く効果の高いポリフェノールが含まれていますので、虫歯や歯周病予防に良いです。

フッ素にも2種類あり自然から作られたものと、科学的に作られたものがあります。そして、科学的に作られたフッ素にはエナメルでピカピカになると言いますが、歯を溶かしたり、骨をもろくするのです。

色々なところに使われ過ぎていて、殺虫剤やリンゴなどでもフッ素が使われています。

そしてその影響は、

・癌の確率40%アップ

・直腸がん80%アップ

・流産の確率が高まる

・精子の遺伝子の変化

があるとも言われています。

長くなってしましましたので、ここまでにしておきます。

後半<歯磨きの真実と味覚の雑学>⇒http://wp.me/p50ahn-13p