最近、家で漬物を作る家庭は減ってきていると思いますが、スーパーで売っている添加物入りの漬物より、自分で作る方がよっぽどおいしいですよ。化学調味料より勝る“うまさ”はたくさんあります!
さて、漬物には食卓塩ではなく普通“あらしお”を使います。なぜあら塩が漬物に適しているのか知っていますか?
荒塩(あらしお)が漬物に適している理由
なぜあら塩が漬物に適しているのか?「あら塩」ってなに?って方はこちら⇒あら塩と食塩の違い ~塩の種類と使い方~
「あら塩」は別名「漬物塩」とも呼ばれるくらいお漬物に適した塩です。でもその理由を答えられる人は少ないです。
まず、漬物に塩を使うのは“浸透圧”というものを利用・調節して香りや味を材料にしみこませるためです。塩に付けた野菜は時間が経つと“しなっ”となりますよね。(*これが浸透圧による現象です)
長時間漬け込んでいると野菜のシャキシャキ感や歯ごたえもなくなり、歯触りも変わってきます。
これは「あら塩」ではなく、塩化ナトリウムの純度の高い「食塩」を使うと“しなっ”なりやすいです。ですからしゃきしゃき感を残したいので「あら塩」や「天然塩」のほうが漬物に良いといわれます。
さらに、「あら塩」や「天然塩」には“にがり成分”や“マグネシウム”“カルシウム”が多く含まれるため、野菜の細胞膜のペクチンが、“にがり成分”“マグネシウム”“カルシウム”と結合し、細胞どうしの結合力を強めます。
すると、野菜は“しなっ”とせずに固さや歯ごたえ、歯触りを失わずに済みます。
このような理由により、おいしい漬物のような“こりっ”とした食感を出すにはニガリを含んだ「あら塩」が適しているということになります。
以上です!
って最近は家庭でで漬物作る人は少ないかもしれませんが、このように豆知識がつくと料理が楽しくなってきますよ。
ちなみに浅漬けなど、刻んだ野菜を塩で揉んで作る場合、漬物で使う塩は食材の重量の3%が良いと言われていますが、私の研究では”2.3%”が塩味も絶妙で一番うまいです。お試しください。(食材の重さが100gなら”2.3g”の塩で野菜を揉みこみ、重石をしてしばらく置きます。)