細胞の各器官の名称で細胞膜、ミトコンドリア、細胞質と代表的な3つがあるのですが、そのなかでも一番気になるのはやっぱりミトコンドリア。
実はミトコンドリアという名前は昔から知っていました。
子供のころ、PSプレイステーションのゲームで、ミトコンドリアに関連したサバイバルゲーム?にはまっていた時に、
ミトコンドリアという名前を覚えました。
たしかもともとは小説で「パラサイト・イブ」って名前です。
その時、ミトコンドリアについてゲームしながら知識を付けたはずですが、実際詳しくは覚えていないです。
ですので今回、ミトコンドリアの基礎知識として勉強したいと思います。
今回も信長先輩の力を借ります。(多分毎回借りることになると思う、、、)前回同様、動画の書き出し、解説なので見た方が早いです。
健康分野・栄養学・生化学の代謝を勉強すると必ずでてくるのがミトコンドリア。
「ミトコンドリア」ってなんだか変な名前ですね。
ミトコンドリアの構成
私たちの体は約37兆個の細胞から成立しています。
<Ann Hum Biol. 2013 nov-dec;40(6):463-71>An estimation of the number of cells in the human body – PubMed (nih.gov)
↑ところどころ参考文献を載せています。(動画より抜粋)
37兆個といわれても、全く想像すらできないので軽く流します。
昔は60兆個と言われていたみたいで、それは適当だったらしく、ちゃんと数えたら(各臓器ごとに細胞数を算出したら)約37.2兆個だったみたいです。
それでも想像つかないので正直よくわかりません。
次に出てきた細胞の図がなんかすごいです。私も体の組織の本を持っているのですが、そちら張っておきます。英語でも勉強しているのでこれは英語表記です。
左上にMitochondrionと書いてあります。絵でいう黄色い楕円形のものがミトコンドリアです。
説明には、Site of fat and sugar digestion in the cell; produces energy、翻訳すると「細胞内の脂肪と糖の消化部位;エネルギーを生み出す」とあります。
さて、この細胞はあらゆる構成器官によって成り立っています。いくつか挙げると、
- DNA遺伝情報を格納している「細胞核(Nucleus)」
- また細胞は膜に覆われているのですが、
- 脂質二重層を持った「細胞膜(Cell membrane)」
- タンパク質の合成や分泌を促す「リボソーム(Ribosome)」や「小胞体(Endoplasmic reticulum)」
- タンパク質を消化する器官である「リソソーム(Lysosome)」
- 熱エネルギー代謝やコレステロールや胆汁酸の合成をする「ペルオキシソーム(Peroxisome)」
- タンパク質の濃度を向上させる「ゴルジ体(Golgi complex)」
そして「ミトコンドリア」。これらで細胞は成り立っているのです。
、、、正直ここまでで、おなかいっぱい。日本語も英語も全く知らないし覚えられない、、、まだまだ細かくあるのですが、私の脳みそはすでにキャパオーバーしています。
そして、これらを「オルガネラ(細胞内小器官 Organlle)」と呼びます。
つまりミトコンドリアはオルガネラの一種ということになります。
なるほど、先ほど出てきたややこしい名称は、一言で「オルガネラ」で覚えておけばいいということですね。とりあえず、、、
このミトコンドリアは平均して細胞質の約40%も占めるのです。これは細胞の空間と思ってもらえればOKです。
その中に40%も占めているというのだから、なんだかとっても重要な気がしてなりません。
さらにミトコンドリアの量は成人体重の約10%になります。
60kgなら6kg分はミトコンドリアってことになるんでしょうか。なんだかすごいですね。
ミトコンドリアは何をする器官?
はい、さっきからそれが知りたかったです。答えを一言でいうと、エネルギーを産生する器官です。
このエネルギー分子をATPという単位で表現します。ATPとは「アデノシン三リン酸」という物質になるみたい。英語で「Adenosine TriphosPhate」からアルファベットを抜きとりATPです。
*ATPを説明しだすと終わらなくなるので割愛します。
「エネルギーはATPで表現する」と思えておいてください。
そして、体に必要なエネルギーの約95%はミトコンドリアが作り出しています。かなり重要ですね。
ここで例を挙げています。私たちがおにぎりを食べる時、デンプンがブドウ糖に分解されます。
このブドウ糖は分解されて、血液を介して全身の各組織に運ばれるのですが、そこの細胞に取り込まれると、解糖系というエネルギー代謝が働き、2ATPだけ作り出します。
2ATPだと少なすぎて身体を支えるエネルギーにはならないです。
2という単位がなんとなく小さいのはわかりますが、ではどれくらい必要なんでしょう?
ここでミトコンドリアの登場です。細胞内にミトコンドリアがいると、この代謝産物をもとに2ATPを36ATPまで増やしてくれるんだそうです。
なんと13倍!!
でも36という数字も実際大きいのか小さいのかわからない、、、
以上がブドウ糖の場合なのですが、これが脂肪の場合、、、
脂肪を燃やすと、なんと129ATPまでになるそうです。
これはパルミチン酸1分子あたりをもとにした場合です。
※パルミチン酸とは
パルミチン酸が何かもわからないですが、飽和脂肪酸の一種みたいです。
じゃあ「飽和脂肪酸って何?」ってことですが、飽和脂肪酸は、一般に固形で乳製品や肉などの動物性脂肪に多く含まれています。
パルミチン酸、ステアリン酸などがあります。貯蔵脂肪として使われるみたいです。
さて、ミトコンドリア系のエネルギー産生は膨大なATPを作り出すということはわかりました。
またミトコンドリアはエネルギー産生以外にも、
- アポトーシス(細胞の自殺死)*この細胞は死んだ方がいいなーと思ったときにミトコンドリアがスイッチを押すみたいです。
- ヘムの合成
- ステロイドホルモンの合成
- 熱の産生
- 尿素回路の酵素を作る
- カルシウムの貯蔵
- マイトファジー(ミトコンドリア自身を再生する作用)
このように多岐にわたります。
ミトコンドリアはどんな形?
ミトコンドリアは丸いイメージがあるかもしれないですが、実は糸状の形をしています。
写真とかでは黄色い楕円形だったので、完全にだまされましたね。なんでそんな絵にしたんだろう?よくわからないですが、細長い糸状の集まりみたいです。
と思っていたら、ここで色々謎が解決しました!!
なぜミトコンドリアというのか!?
Mitoは糸 ギリシャ語でMitosは糸。
Chondoriaは顆粒 これもギリシャ語でChondrosは顆粒を意味します。
顆粒状だけど糸なので、ミトコンドリア。これが発見されたときは、重要な器官とは思われなかったので、ニックネーム的な名前になったんだそうです。
なるほど、マニアの間でしか通じないトリビアですね。また、臓器によって形が異なるのです!ちょっと驚き!
- 肝臓は楕円形
- 膵(すい)臓は太い 理由は消化酵素をたくさん分泌するから、太くないと酵素の分泌が追いつかないのです。
- 骨格筋は細長 筋繊維に沿って細長くなる
なので一般の教科書(そんなの覚えてないけど!?)で見る楕円形の断面図は肝臓細胞のミトコンドリアということになります。
ミトコンドリアは細胞の中にどのくらいいるのか?
ミトコンドリアは細胞の中に、数百~数千個います。部位によっても異なります。平均して2000個と言われていますが臓器や部位によって異なります。
卵子には1つあたり10万個前後含まれていると言われていて、一方精子は数十個しかいないみたいです。
「この違いはなんだ」と言いたいけど、このように器官によって全然違うみたいです。
また、ミトコンドリアは他のミトコンドリアとくっついたり離れたりする性質があるため、数を数えるのが難しいです。だから概算でしかないのです。
では、
なぜミトコンドリアはくっついたり離れたりするのか?
実はミトコンドリアは常に活性酸素からダメージを受けるのです。
そのため、ミトコンドリアはくっつくことで、ダメージから回復します。お互い融合して物質を交換し合っているのです。
そしてミトコンドリアは数が多いほど質が向上するので数を増やすことが大事だということになります。
なんと疲れやすい人はミトコンドリアが少なく、疲れにくい人はミトコンドリアが多いのです。
ミトコンドリアを増やすポイントは2つ
- ストレスを与えること
- ミトコンドリアが好む栄養素を与えること
まずストレスから
ストレスと言っても、良いストレス。悪いストレスがあります。ミトコンドリアにとって良いストレスは
- 有酸素運動
- トレーニング
- ファスティング(断食)
- 適度な日光浴
- 短期間の寒冷刺激
- マッサージ
ミトコンドリアが嫌う、悪いストレスは
- 汚染物質
- 精神的ストレス
- 低体温
- 過食
- 人工的な化学物質
- 有害金属(重金属など)
特に有酸素運動などは、最大50%のミトコンドリア量の増加をもたらすと言われています。ただなんでもやりすぎは良くないです。
また筋トレは筋原線維量に大きな影響を与えますが、ミトコンドリアについては比較的変化しないです。
なぜなら筋トレは無酸素運動だと白筋(はっきん)につくことが多く、白筋にはミトコンドリアが少ないからです。
有酸素運動は赤筋(せっきん)につきます。赤筋にはミトコンドリアが多いのです。
『ミトコンドリアのターンオーバーの約35%はオートファジーに依存しています。』
上記の文章、全く意味不明ですが、ターンオーバーとは新陳代謝という意味でとらえてもらえればいいです。
つまり「ミトコンドリアは常に死んで新しいものに入れ替わるのですが、その大多数がオートファジーがカギを握っている」という意味になります。
※オートファジーとは、
細胞内の老朽化した器官や変性したタンパク質が溜ってくると、オートファジーという細胞内のリサイクルが始まり細胞が若返ります。
このオートファジーの活性を強くするものは飢餓の状態です。つまり適度な断食・ファスティングによって活性が強くなります。
ミトコンドリアが好きな栄養素
- ビタミンB1 代謝に必要。特に糖質のため。
- ビタミンB2 代謝に必要。特に脂質のため。
- ナイアシン(ビタミンB3) 代謝に必要。
- パントテン酸(ビタミンB5) 代謝に必要。CoAの構成成分。
- Co(コエンザイム)Q10 ミトコンドリア内膜にある電子伝達体・抗酸化作用もある
- αリポ酸 TCA回路(ミトコンドリアのエネルギー回路)において補因子として働く
- Lカルニチン 脂質代謝で必要(脂肪酸を運ぶ)
- ビオチン 代謝に必要
- タウリン ミトコンドリアを増殖させる
- マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガンなどのミネラルはミトコンドリアの代謝や守るのに重要。
- 酪酸 短鎖脂肪酸。エネルギー化しやすい。
などなど、もっともっと詳しくあるのですが、今回の動画ではここまででした。
また、
- ミトコンドリアと活性酸素
- ミトコンドリアの正体
- オートファジー
- ミトコンドリアと癌
- TCA回路(クレブス回路)
- 電子伝達系
については今度にします。