何気なく毎年過ごしているお正月。海外に何年か住めば気付きますが、日本みたいに”三が日”とかないですし、西洋は、元旦よりもクリスマスの方を重要視してる感じします。

もちろん、ニューイヤーは全世界でどこでも盛り上がりますけど、日本ほど、しきたりがあって、おせち料理だのなんだのは海外にはないように思います。

そんな、伝統的な日本のお正月について勉強しましょう。

このような、日本の伝統や文化は料理と深く関係していますから、自分は日本料理をやっていると思っているなら、当たり前のように知っておいてください(・o・)

元旦

元という字には「一番はじめ」という意味があり、元日は正月の最初の日、1月1日のことを言います。

旦という字には「朝」「夜明け」という意味があり、元旦は正月一日の朝のことを指します。

お屠蘇

元日の朝、祝いの膳の前に家族そろって新年を祝います。平安時代から続いている習わしで、元来は中国から日本の宮廷へ伝わったものでした。

屠蘇とは「鬼気を祓い、人魂を蘇生させる」という意味で、1年の邪気を祓うことと長寿への願いが込められています。

山椒、防風(せり科の多年草)、肉桂(にっき)など芳香性の強い薬草を合わせた屠蘇散を、清酒や味醂に浸して作ります。屠蘇散は薬局や酒屋で市販されています。

若水を迎える

昔、元日の朝は、水が最も澄むといわれる寅の刻に、井戸から水を汲むことから始まりました。この水を「若水」といい、若水を汲みに行くことを「若水迎え」と言います。

若水迎えは一家の主人や長男の仕事でした。汲み上げた水は年神様に供え、料理のための煮炊きに使って正月の祝膳を整えました。この水を飲むと若返り、一年の邪気を祓うとされてきました。

お雑煮

元旦の朝に組み上げた若水と新年の神聖なる火で年神様に供える食材を雑多に煮たものがお雑煮です。お雑煮をいただくことには、神様と一緒に食事をする(神人共食)大切な儀式という意味合いがあります。

関東や九州、中国地方はすまし仕立て、関西は白味噌仕立て、ぜんざい風の小豆雑煮もあり、地方色豊かです。

めでたい

「芽出度い」つまり新たな芽吹きからきているとも言われています。

年神様

一年に一度、正月に訪れる。

新しい年に実りをもたらし、人々に命を与えてくれる神様であり、またご先祖様であるとも考えられてきました。このご先祖様が春に里に下りてきて田の神となり、秋の収穫が終わると山へ帰って山の神となり、正月には年神様となって戻ってくると伝えられています。

人々は年末12月のほぼひと月を使って、煤払い、松迎え、餅つき、しめ縄縛りなどの正月の準備をします。そして年神様が訪れるのを待ち正月を一緒に祝うのです。

数え年

“正月は皆一緒に年をとる”

昔は生まれた時を「一歳」とし、正月になると年を重ねる「数え年」という年の数え方をしていました。たとえば、12月31日に生まれた子供は、出生時に1歳となり、翌日の正月にはみんなと一緒に年を取り2歳になります。

人々は正月を迎えると新しい年の魂を年神様から授かると考え、皆いっせいに正月に年を重ねていました。

明治時代に入ってからは、現在のように出生時を0歳とし、誕生日を迎えるようになりました。

しかし、「厄年」や「還暦」など長寿の祝いの年の例に見られるように、数え年が用いられるケースも少なくありません。