2月の味暦
初春の味
2月はまだまだ、厳しい寒さが続くので、料理はできるだけ熱いものを出し、盛り付ける器も十分に温めておいて出来立て熱々を差し上げましょう。冷めると同じ料理の味が減退すると心得てください。
初春とは陰暦の1月のことで、陽暦では2月になります。2月4日ごろ、24節季の一つである立春が訪れます。「春立つ」というのは1年の始めになるということで正月を意味し、「春」と訳される。
フランス語のprintemps、スペイン語のprimaveraというのは、「最初の時」という意味で、英語のspringやオランダ語のsprongには「跳ねる」という意味があります。
2月は、月が変わるとすぐに節分と立春が続いているので、初春らしい行事が繰り広げられますね。節分の行事では、神社仏閣に前年の厄落としと、今年の無病息災を祈願するために出かける人でにぎわい、各家はその夜、魔滅を願って豆まきをします。
豆まきの豆は福豆と言って年寄り一つ多く食べますが、それは翌日の立春で一つ年を重ねるので「来年の分も、」という意味です。
雛祭りの過ぎた3月6日ごろに24節季の啓蟄(けいちつ)を迎えますが、立春から啓蟄の前日までが『初春』の期間となります。
まだまだ寒いので、茶碗蒸しやかぶら蒸し、粕汁、蒸し寿司など、寒い季節の調理法でもある蒸し物、鍋ものをメインに献立を工夫しておもてなししましょう。
初春の旬暦
旬の食材
魚貝類・肉類
赤貝
甘エビ
アマダイ
あんこう
飯蛸
イセエビ
オコゼ
牡蠣
車海老
このこ
このわた
このしろ
こもちはぜ
さより
さわら
シラウオ
スミイカ
鯛
たら
トコブシ
トリガイ
生ウニ
なまこ
ばいがい
はまぐり
ヒシガニ(メス)
ヒラメ
フグ
ブリ
ほうぼう
ぼら
マグロ
マナガツオ
松葉ガニ
ミルガイ
むつ
目板かれい
紋甲イカ
いさざ
鯉
しじみ
すっぽん
ひお(氷魚)
ふな
もろこ
うずら
鴨
野菜・果物類
浅葱
ウグイス菜
うど
海老芋
芥子菜(からしな)
大葉ユリ根
かぶら
京人参
くわい
京葱
小かぶら
こごみ
小松菜
ゴボウ
里芋
さわらび
椎茸
せり
だいこん
たぜり
つくし
ちしゃじく
菜の花
ナメコダケ
ねぎ
浜防風
ふき
ふきのとう
ほうれん草
堀川ゴボウ
丸大根
みずな
三つ葉
みぶな
めいも
めかんぞう
めねぎ
やつがしら
よめな
分葱
いわのり
もずく
わかめ
いちご
ざぼん
はっさく
2月の異称、別名、呼び方
如月
着更着(きさらぎ)
初花月(はつはなづき)
梅見月(うめみづき)
麗月(れいげつ)
仲春(ちゅうしゅん)
2月は通常は28日、
日本では旧暦2月を如月(絹更月、
名前の由来には諸説あり、
・旧暦2月でもまだ寒さが残っているので、衣(きぬ)
・草木の芽が張り出す月で「草木張月(くさきはりづき)
・前年の旧暦8月に雁が来て、更に燕が来る頃であるから「
・陽気が更に来る月であるから「気更来(きさらぎ)」
他に梅見月(むめみつき)、木目月(このめつき)
旧暦2月は新暦では3月ごろに当たり、
2月の行事
2/3 節分・豆まき・春日万燈籠
立春の前の日(2月3日)。本来、節分というのは立春・立夏・
立春を新年とすると、
節分に行われる豆まきは、追儺(
*豆まきの時「鬼は外。福は内」と唱えますが、浅草寺では、
2/4 立春
2月4日および雨水までの期間。旧暦の正月の節。
立春は、
2/8 針供養
2/11 建国記念の日
「建国をしのび、国を愛する心を養う日」。
「建国記念日」ではなく「
2/初旬 初午
2月最初の午(うま)の日。本来は、
奈良時代、
また、
2/14 バレンタインデー・長谷寺だだ押し(松明)
中世ヨーロッパで聖バレンタインは愛の守護神とみなされるように
これが第一次世界大戦後にアメリカで急速に恋人達の日とし
2/15 涅槃会(ねはんえ)
2/19 雨水
2月19日頃および啓蟄(
草木が芽生える頃で、
*三寒四温 寒い日が三日ほど続くと、
2/25 京都北野天満宮梅花祭
2月の季語・風情
追儺(ついな)
鬼やらい
福豆
柊(ひいらぎ)
鰯の頭
鬼
お多福
升
寒牡丹
椿(つばき)
梅花
菜の花
猫柳
水仙
節分草
満作
山茱萸(さんしゅゆ)
東風
春浅し
余寒
野焼き
麦踏み
樹氷
風花
虎落笛(もがりぶえ)
冬滝
氷柱(つらら)
春近し
三寒四温
波の花
寒造り
深海
寒釣り
厄落し
春一番
暁の茶事