必須ミネラル20元素と有害重金属14元素の覚え方

分子栄養学を勉強して、最初のステージでつまづくキッカケの一つに、元素記号や元素周期表があります。

元素というのは原子(最小粒)の種類のことです。物質を細かくして言って、これ以上小さくできなくなって最後のひとつである最小単位です。

*元素と原子は細かく言うとちょっと違いますが、ややこしくなるので割愛します。

それぞれの大きさ、例えば水素なら、水素そのものは全て同じ大きさです。最小単位の水素には小さいも大きいもありません。しかし、他の種類(水素以外)と比べると、大きさ、質量が違います。

また元素は、物質の種類そのものが違う種類に変わることがなく、何もないところから出てきたり消えたり、他の種類に代わったりすることもありません。

*ちなみに、実はもっと小さいものに素粒子もあるが使わないのでここでは無視します。

そして「分子」とは、その物質の性質(能力)を持った、一番小さな固まりのことです。

  • O(酸素原子)←酸素の性質を持っていない
  • O2(酸素分子)←酸素の性質を持っている

しかし、金属や塩化ナトリウムなどのように分子を作らない物質もあり、大きく2タイプに分かれます。

さらにMg(マグネシウム)の場合、Mgがたくさんくっついた状態が一個の分子なので、最小単位をきめることができない。、、、というような分子もあります。

うーん、、、なんだか難しいですね。

元素の覚え方1~36番目

覚え方として有名なものが以下です。

「すいへーりーべーぼくのフネ(1~10)」

H(水素),He(ヘリウム),Li(リチウム),Be(ベリリウム),B(ホウ素),C(炭素),N(窒素),O(酸素),F(フッ素),Ne(ネオン)

「七曲がりシップスクラークか(11~20)」

Na(ナトリウム),Mg(マグネシウム),Al(アルミニウム),Si(ケイ素),P(リン),S(硫黄),Cl(塩素),Ar(アルゴン),K(カリウム),Ca(カルシウム)

「スコッチばくろマン(21~25)」

Sc(スカンジウム),Ti(チタン),V(バナジウム),Cr(クロム),Mn(マンガン)

「テコにドアが(26~31)」

Fe(鉄),Co(コバルト),Ni(ニッケル),Cu(銅),Zn(亜鉛),Ga(ガリウム)

「ゲアッセブルクル(32~36)」

Ge(ゲルマニウム),As(ヒ素),Se(セレン),Br(臭素),Kr(クリプトン)

栄養学で全て使うわけではないので、全部覚える必要はありませんが、手っ取り早く暗記しやすい方法です。最初の1~20はよく使います

*この1番とかの番号は原子番号と呼ばれ、中にある陽子という原子核の少ない順番に1234と番号が付けられています。元素は、自然界のものは約100種類、人工的に作られたものは約20種類あります。

必須ミネラル20元素と有害金属14元素の色分け周期表

以下は、わかりやすくまとめた図です。コピペしてご自由に使ってもらって構いません。編集などでエクセルバージョンが必要でしたら連絡ください。データ差し上げます。

正直、ここまで説明しておいて申し訳ないですが、上記の説明は軽く読み流しちゃって大丈夫です。

分子栄養学において大事なのはここからです。

生き物系(地球上の生き物の体を構成している元素)は主に4つ。C, H, O, N(C炭素 H水素 O酸素 N窒素)で成り立ちます。

英語と日本語では呼び方が全く変わってしまうものも多いです。今後文献なども読むことを考えると、英語の名前も同時に覚えておいた方が後々ラクです。

また、英語の方が単語の関連性で覚えることができやすいので、英語で覚えてしまった方が腑に落ちる場面がたくさんあります。

例えば、語尾にgen/geneが付くと「生成するもの、生成されたもの」という意味となります。

また、iumは「正電荷を持つイオン」。または「小さいもの、集まり、密集(ium,iums,ia)」という法則も覚えておくと、全然知らない単語があっても、なんとなくの予測することが可能です。

図での青色は必須ミネラルです(20個)。必須ミネラルは人の体に必要なミネラルです。多くの食べ物にもミネラルは含まれています。

オレンジ色は有害重金属です。人の体に入ると悪さをして、病気の原因になったりするので、もし体に入ってきたら解毒する必要があります。

元素周期表を見るとわかるように、必須ミネラルも有害重金属もごちゃ混ぜになって並んでいるので、必須ミネラルと有害重金属の違いはハッキリ覚えておきましょう。

また、周期表の上の方は不規則に間隔があり不思議に思うかもしれませんが、規則性を持って並んでいます(長くなるのでここでは割愛します)。縦の列や横の列は似たような性質をもつ元素の集まりです。

例えば左の縦列、Na(ナトリウム)とK(カリウム)は一緒に働く性質があり、毛髪検査をすると同じような動きをしているのがわかります。このNaとKの値で副腎の疲労度を推測できます。

また、隣のMg(マグネシウム)とCa(カルシウム)は、毛髪検査にてNaとKの値が高くなると、MgとCaは下がる傾向にあります。ミネラルの溶解度で特に関係するのはCaMgです。

NaKが高いときは溶解度が高まることから、CaMgは毛髪中の値は下がります。

他にも横並びのZn(亜鉛)とCu(銅)なども同じような関係性です。

このように【NaとK】【MgとCa】【ZnとCu】のような関係を「ブラザーイオン」と呼びます。同じように動く関係性もあるし、反発し合うこともあります。

反発する例としては、12番のZn(亜鉛)の縦列Zn(亜鉛)とCd(カドミウム)とHg(水銀)が「同族」となります。

Znは青色なので必須ミネラルCdHgはオレンジ色で有害重金属です。同じ列なので、みんな似たような性質を持っています。

例えば亜鉛(Zn)鉱山を掘ると、一部カドミウム(Cd)が混ざっています。その亜鉛鉱山で起きた事故が「イタイイタイ病」です。

CdHgが蓄積しているときはZnの効力が薄れます。そのため、Znのサプリを効かせたい場合は、CdHgをデトックスしてあげる必要があるということになります。

このように特性や出来事などと関連付けていくと、頭に入りやすいです。

必須ミネラル20元素

Atomic Number(原子番号) Symbol(元素記号) 元素名(English) 元素名(日本語)
3 Li Lithium リチウム
11 Na Sodium ナトリウム
12 Mg Magnesium マグネシウム
14 Si Silicon ケイ素
15 P PhosPhorus リン
16 S Sulfur 硫黄
19 K Potassium カリウム
20 Ca Calcium カルシウム
23 V Vanadium バナジウム
24 Cr Chromium クロム
25 Mn Manganese マンガン
26 Fe Iron
27 Co Cobalt コバルト
29 Cu Copper
30 Zn Zinc 亜鉛
32 Ge Germanium ゲルマニウム
34 Se Selenium セリン
35 B Bromine 臭素
42 Mo Molybdenum モリブデン
53 I Iodine ヨウ素

有害重金属14元素

Atomic Number(原子番号) Symbol(元素記号) 元素名(English) 元素名(日本語)
4 Be Beryllium ベリリウム
13 Al Aluminium アルミニウム
28 Ni Nickel ニッケル
33 As Arsenic ヒ素
47 Ag Silver
48 Cd Cadmium カドミウム
51 Sb Antimony アンチモン
56 Ba Barium バリウム
78 Pt Platinum プラチナ(白金)
80 Hg Mercury 水銀
81 Tl Thallium タリウム
82 Pb Lead
83 Bi Bismuth ビスマス
90 Th Thorium トリウム

鉛は血液に入ると、血管を通って、脳関門を突破します。

その結果、脳の機能が低下して、集中力の欠如、学習障害、多動、不眠症などをひき起こします。小児の場合は、少量でも、知能指数低下、神経障害になりやすいと言われます。

ヒ素は、頭痛、混乱をひき起こす。

水銀は脳と中枢神経に障害を起こし、しびれ、ふるえ、歩行障害、うつ病になる。脳にたまりやすく、最悪は死に至る。

このように有害重金属は、体に悪影響を起こすので取り入れないように注意することと、入ってきても解毒(デトックス)できる体づくりをしなければいけません。

有害金属が入ってくる原因

  • 遺伝的体質による影響。
  • 有害重金属や有毒化学物質。
  • 砂糖やアスパルテームなどの人工甘味料。
  • 味の素グルタミン酸。
  • 人工着色料のタール色素。
  • 保存料の安息香酸ナトリウムやソルビン酸や、酸化防止剤の亜硝酸ナトリウムやBHA/BHTなどの食品添加物
  • 大型の魚介類。

など、他にもたくさんの要因が重なり合って影響しています。

また詳しくは、今後お伝えしていきます。まずは必要な元素を覚えておきましょう。

<追記> ~日本語の順番ルール~

S 硫黄+Fe 鉄=”FeS 硫化鉄”と表記されます。

なぜ「鉄硫化」とか「Sfe」と表記されないのでしょうか?

それは、日本語は最後に来るものがメイン、例:チョコバナナはバナナがメイン、バナナチョコはチョコをイメージするはずです。この考え方により、主役は鉄だから、「硫化鉄」になります。

でも英語の場合、主役を先に言うというルールがあるのです。だから「FeS」となります。

<おまけ>プチ雑学

<1>元素に重さがあることからわかるように、実は酸素も微量だが重さがある

<2>「フラッシュを焚く」という言葉について。なぜ”焚く”と言うのでしょうか?

それは昔はカメラのフラッシュにマグネシウムの粉を使って、燃焼させていたからです。金属でも鉄と違ってMgは燃える性質をもちます。