最速最短でご飯を炊く方法 ~炊飯七箇条~
ご飯を炊く時、どのような炊き方が一番早いのか?私が考えついた、答えをお話します。今回の早炊き炊飯の条件として、電子レンジや高圧鍋は使いません。*理由は電子レンジや高圧鍋を使った最速の炊き方はすでにネットで出回っているからです。なので今回は、あくまで、普通の鍋や釜を使った炊き方です。
最速最短飯炊き 7か条
料理をしていて、「しまった!ご飯炊き忘れた!!」という緊急事態は、長年料理をしていると、一度は経験するかもしれません。
または、火加減を間違えて焦がしてしまったなど、特にコース料理などで、そのテーブルのお客様だけに炊くような1合や2合だけの釜炊きの場合、いくつものオーダーをこなしていると、忙しいときはつい忘れてしまうことがあるかもしれません。
そんな時の、裏技的な対処法を話していこうと思います。
最速で作る、銘々(一人一人)で出す釜炊きご飯
ちなみに、これは最悪の場合の対応なので、どうしようもない場合や、早く提供しないとお客さんがブチ切れて暴れまわりそうな場合にだけこの方法を試してください。どれくらいで炊けるのかというと、それでも30分近くかかります。
お米を最速最短で炊く7つの条件
1:無洗米を使う
初動の洗う手間を省けるため、最初の1~2分、セーブできます。
2:浸水時間は省く
これが最速で炊くためには重要です。軽くお米を洗って、周りの汚れなどを軽く取り除いたら、吸水も脱水もせずに、そのまま釜に入れます。
3:温水を使う
後で詳しく話していますが、吸水率の関係上、短時間の場合、温水の方が冷水より吸水率が高くなります。ですから、お米を洗う時は水で良いですが、吸水して炊くまでを温水で重なうことで、お米の吸水率は上がり、炊く時間も短くなります。
4:火力を最大に
釜にお米と水を入れ火にかけますが、早く内部温度を上げ、水を沸騰させたいために、最初は一番強火で火にかけます。これは通常ご飯を炊く場合も強火でおこなう場合が多いです。
バーナーなどを使って、カマの外側から火を当てて、沸騰するまでの時間を短くすることもできます。
5:水の量は多めに
早く炊く時は、吸水時間がない、強火でしばらく沸騰させるという作業が入るため、いつもどおり、吸水してご飯を炊く場合より、少し多めの水加減にすることです。そうでないと、芯が残ったままのご飯や、少し硬い状態になってしまいます。
6:炊飯器を使わない
炊飯器は電気で炊きます。電気だと熱の伝わりが遅いので、炊く時間も長くかかります。ガスを使い鍋でご飯を炊くのが早いです。
7:密封する
鍋にお米と水(お湯)を入れ炊きますが、火にかけている間、炊いている間中、絶対に蓋を開けてはいけません。一瞬でも開けると、それだけで、炊きあがりが3分以上遅くなります。
特に最初に火にかけ沸騰させるまでは、完全に空気の出口を塞いだ方が、温度の上がりも早いため、必ず塞ぎましょう。沸騰して、蒸気が出てくるのがわかったら、中火にします。*ずっと強火だと焦げるの注意してください。
また可能であれば、炊いている間、蒸気が一切出ないように、蓋の上に何か重たいものを乗せて、空気の漏れを防ぐこともしてください。
最速ご飯の時間割
目安としては、最初の3分以内に鍋にお米とお湯を入れ火にかけます。そして、お米の量にもよりますが、あとの2分以内に沸騰まで持っていきます。*鍋にお米を入れる前に、鍋自体を温めておくことも大切です。
もうしばらく2分ほど沸騰状態を続け、次の3分で中火にします。その後、蓋を開けずに、弱火で15分火にかけ、残り5分で火を止め蒸らします。
お客さんのところまで運ぶのに1~2分かかり、お客さん自身が釜の蓋を開け、食べ始めるのに説明などもすることで2~3分時間を稼ぐことができます。実質、火を止めたあとに、客席に持っていけば、だいたい25分でお客様の前にご飯を提供できます。
もう一つ、準備段階として、すでにお米を長時間吸水させておいた場合、十分に吸水させて、ザルにあけたりして脱水して冷蔵庫に保存していたお米を使った場合、同じやり方でも、もっとふっくら美味しく炊くことができます。
吸水をしているお米であれば、おそらく20分以内には提供できます。しかし、このやり方も吸水させ過ぎて、お米の成分などが溶け出しすぎるのがデメリットですので、素早く炊く分には良いですが、最高とは呼べないでしょう。
もちろん一番良いのは、丁寧に洗い、適した吸水時間で、急がずに、蒸らし時間もしっかり取ったあとにタイミングよく提供できるのが一番でしょう。
また、これは白米における炊き方であり、玄米だったり、炊き込みご飯などの場合は、もう少し、水分量を増やしたり、炊き方を変えたり炊く時間を長くしなければなりません。
米の吸水率と浸水温度
炊飯における精白米の吸水率、浸水時間、浸漬温度について調べました。まずどのような条件下で吸水率を見るのかと言うと、2つあり、
一つ目は、浸水温度の違い 5度~50度
二つ目は、浸水時間の違い 5~240分間
浸水後は、水を切ったあとに、計測するやり方です。
時間と温度
まず温度の高い水で浸水させると初速吸水率は冷水に比べて高いですが、溶出固形物が水の中に多く溶けだします。
長時間浸水では、水の温度が低いほど米の吸水率は大きくなります。水の温度が高い場合は、低い温度の時より吸水率は下がります。
温度が高いほど、でんぷん質・タンパク質が流出しやすくなり、浸漬水は白濁になります。そのため温水の方が、表面からの吸水も早くなるのです。つまり、早くお米の吸水を行いたい場合、温かいお湯で吸水させると、はやくお米の吸水ができます。
ただ、冷水でも温水でも吸水が60分を超えると、吸水率は緩やかな曲線となり、2時間を過ぎると、それ以上経過しても、吸水率はほぼかわりません。最初の60分までが、急速に水分を含む時間となります。
吸水率の算出式としては
標準吸水率(%)=( 浸漬後の米重量-浸漬前の米重量) (g)/浸漬前の米重量(g)×100
で行うと良いかと思います。
ちなみに遠心脱水時の回転数は5分間の場合、
3000rpmが一番よく、2000rpmだとまだ表面に水分が残っており、4000rpmだとお米が割れてしまいます。脱水の時間が長いほど、回転数の時と同じくお米が割れやすかったり、時間が短ければ、水分がのこります。
この吸水率に関しては、精白米だけに起こる現象であり、なぜなら、精白米は外皮や糠層が取り除かれているため、玄米など他の発芽機能を持った穀類とは異なる吸水特性を示します。
こしひかり VS あきたこまち
「こしひかり」は生産量も日本№1です。「こしひかり」の特徴としては味のバランスが良く、日本人が好きな粘るお米です。もっちりとした歯ざわりで粘り・柔らかさ・甘み・香り・艶のバランスが良い。
「あきたこまち」の特徴はこちらも粘り・光沢とも良く、食味も優れています。何と言っても、お米の王様「こしひかり」の血を受け継ぎ、実力と価格のバランスには定評があるお米です。
生産量は4位で「こしひかり」に比べて考えると、粘りはコシヒカリよりは少なく、味はさっぱりとしています。
うるち米 VS もち米
うるち米ともち米の大きな違いとして、アミロースとアミロペクチンの含有量が挙げられます。この2つの成分の含有量の違いによって、お米自体の「吸水率」がかなり変化します。
アミロペクチンは水分を含んで膨張しやすい性質を持つため、ほとんどアミロペクチンで構成されているもち米は非常に吸水率が高いです。もち米は2時間水に浸しておくと約30%~40%吸水するとされています。
それに対してうるち米の吸水率は、約20%~25%と低め。これほどの違いがありますので、浸水時間というのは炊き上がりにかなりの影響が出てくるわけです。
うるち米ともち米との違いを簡単に言うと、含まれているアミロースというでんぷん質の含有量の違いです。
うるち米はアミロース2割、アミロペクチンが8割なのに対し、もち米はほぼアミロースを含有せず、アミロペクチンのみで構成されています。
日本では一般的に、うるち米はアミロースが少なくアミロペクチンが多い方が、粘り気が強く美味しい(良い)お米という評価になっています。