グルテンフリーアレルギーの方にとって大敵の“小麦”についてです。敵(小麦)を詳しく知ることは、自分の身を守る意味もあります。
小麦粉の特徴として、実は小麦には4種類があり、含まれているたんぱく質の量と質、粒の硬さなどによって区別されます。
小麦の品種
<硬質小麦(強力粉・準強力粉)>
ダーク・ノーザン・スプリング(アメリカ産)
ハード・レッドウインター(アメリカ産)
ウエスタン・レッド・スプリング(カナダ産)
プライム・ハード(オーストラリア産)
<中間質小麦(中力粉)>
国産小麦
スタンダード・ホワイト(オーストラリア産)
<軟質小麦(薄力粉)>
ウエスタン・ホワイト(アメリカ産)
アンバー・デュラム(アメリカ・カナダ産)
ウエスタン・アンバー・デュラム(カナダ産)
<デュラム小麦(パスタ用)>
アンバー・デュラム(アメリカ・カナダ産)
ウエスタン・アンバー・デュラム(カナダ産)
その他、産地は、地中海沿岸、北アフリカ、中央アジアなどで、日本では栽培されていません。
柔軟で弾力性の強いグルテンを豊富に含み、加工して食感のコシの強いパスタなどに使われ、もともと黄色味を帯びています。
ちなみに、セモリナ粉は、デュラムコムギの粗い精製された粉で、クスクスはセモリナ粉と細かく挽いた小麦粉をおよそ2対1で混ぜ合わせて作られます。タンパク質の量が強力粉よりも多いのですがグルテン(粘り気)が少ないです。
小麦粉の用途とタンパク質含有量
<薄力粉>
ケーキや天ぷら
たんぱく質(グルテン)含有量 6.5~9.0%
<中力粉>
うどん
たんぱく質(グルテン)含有量 7.5~10.5%
<強力粉>
パン、ピザ生地
たんぱく質(グルテン)含有量 11.5~13%
<準強力粉>(中力粉と強力粉の中間)
中華麺、餃子の皮
たんぱく質(グルテン)含有量 10.5~12.5%
強力粉ほどグルテンの量は多く、グルテンの性質も強く、粒度も粗いです。
ところで、小麦粉の生地を水の中で揉んでいくと、最後には麩の原料となるグルテンが残ります。そしてグルテンを剥離した残りの澱粉分を「浮き粉」と言います。
海外の小麦粉
ところで、オーストラリアでは、薄力粉、中力粉、強力粉の区別がありません。
小麦粉はあるのですが、『Plain Flour』と、『Self-raising Flour』の2種類です。じゃあこれが薄力粉と強力粉なのか?というと違いまして、
<Plain Flour>
普通の小麦粉
たんぱく質(グルテン)含有量は10.0~10.6%くらい
<Self-raising Flour>
ふくらし粉(ベーキングパウダー)の入った小麦粉
たんぱく質(グルテン)含有量9.8~10%くらい
この違いです。つまり両者とも「中力粉」に当たります。そしておそらく品種は”中間質小麦”です。普通にスーパーには売っていないかもしれませんが、珍しい食材を扱っている店で、薄力粉や強力粉は見つかります。
名前は「Plain Flour」と書かれていますが、袋に「Soft、Low Protein」と書かれている場合、タンパク質が少ないという意味なので、「薄力粉」に当たります。
逆に「強力粉」は、「Strong、High Protein」(タンパク質が多い)と書かれています。または、薄力粉をcake flour、強力粉をbread flourと書かれている場合もあります。
ちなみにグルテンはタンパク質の一部なので、わかりやすく「タンパク質=グルテン」と思っていて良いでしょう。(正確に言うと違いますが、、、)ですので、もし海外で小麦粉を使う場合は、タンパク質(Protein)の含有量を見ましょう。今回、小麦ひとつとっても、意外と知らないことが多いことに気付きました。