日本料理って、縁起を担ぐめでたい名前は多いですね。鯛(タイ)は何で縁起物かと言うと、めで“たい”と鯛をかけているからです。
そして、皆さん御存知だと思いますが、4とか9って数字は4(死)、9(苦)を連想させるので使いません。
基本、お造りの数も奇数が良いとされているため(9は省く)1,3,5で盛ることが多いです。しかし、お客さんの数やバランスによっては偶数や、4、9をつかう場合もあります。
*4人で食べに来て、みんなで取り分けるのに、メニュー上、お刺身3切れずつって書いてあるから、その通り出すのは、気が利かないし、喧嘩しちゃいますので、そういう場合はホールサービス、キッチンスタッフ側で配慮しなければなりません。
ではでは本題に、、、
先ほど書いた上の文章で、私はわざと縁起の良い名前と、悪い名前を書きましたが気づいたでしょうか?
それは、「造り」と「刺身」です。
日本料理屋で、客の年齢層が高いところは、確実に知っているはずですが、「刺身」の”刺”は縁起のいい言葉ではありません。連想してもらえばわかりますが、あまり良い方向に考えないですよね。なので、通常、メニューにも表記しませんし、スタッフ同士でも、そのような言葉は使わないように徹底します。
理由はやっぱり、その言葉を聞いたり見たりしたときに連想してしますからです。
食事に来たら、楽しい話をしたいじゃないですか。なのに、メニューに”刺”って文字や、スタッフから「刺し」って言葉が出たら、無意識に連想して、「そういえば、最近変な事件多いねー、、」ってマイナスな話になりかねません。
なぜそのマイナスの話がダメかというと、そういう話になると、料理もおいしくなくなってくるように感じるのです。
心理的な部分になりますが、マイナスの発言が多いと、それが料理にも影響されてしまいます。さらに、その話を聞いている周りのお客さんやスタッフにも伝染するので、気を付けた方がいいのです。
高級料亭では間違いなく、そのような教育がスタッフ全員にされています。
このように、日本料理では、本来の名前が”マイナスをイメージするもの”はプラスの言葉に変えてしまいます。
こちらに思いつくものを書いておきますので、参考にしてください。また、他にもいろいろ思い出したらアップします。
「マイナス料理名」⇒⇒⇒「プラス料理名」
・刺身 ・造り
・スルメ(掏る{盗む}) ・アタリメ
・すり鉢 ・当たり鉢
・すりゴマ ・当たりゴマ
・梨(無し) ・有の実(ありのみ)
まだまだ探せばたくさんあります。